MIDI ブロック プロパティを設定する

\midi ブロックでは、コンテキストを再構成したり、新たなコンテキストを定義したり、特定のプロパティに値をセットしたりすることができます。

\score {
  … music …
  \midi {
    \tempo 4 = 72
  }
}

この例では、テンポが四分音符 72 にセットされます。\midi ブロックのテンポ記号は、楽譜には出力されません。しかし、他の \tempo 指示が \score ブロックで指定された場合、それも MIDI 出力に反映されます。

\midi ブロック内で、\tempo コマンドが記述された場合、音楽の解釈中に、出力定義のコンテキスト内でプロパティをセットします。そのため、それはコンテキストの変更であるかのように解釈されます。

コンテキスト定義は、\layout ブロックと同じ表記を用います:

\score {
  … music …
  \midi {
    \context {
      \Voice
      \remove Dynamic_performer
    }
  }
}

この例は、MIDI 出力から強弱記号の効果を取り除きます。注: LilyPond では、音楽表記から MIDI 出力に変換するモジュール (translator) は‘パフォーマ’ (performer) と呼ばれます。

参照

学習マニュアル: Other sources of information

記譜法リファレンス: 発想記号, 楽譜レイアウト

インストールされているファイル: ly/performer-init.ly

コード断片集: MIDI

内部リファレンス: Dynamic_performer

既知の問題と警告

MIDI プレイヤの中には,出力のテンポ変化を正しく処理しないものがあります。

midiInstrument や他の MIDI オプションの変更を譜の始めに行った場合、MIDI 出力ファイル内でその変更が二重に記述されている場合があります。

LilyPond 記譜法リファレンス v2.25.20 (開発版).