合唱のための楽譜レイアウト

通常、4 つの譜を保持している合唱のシステムは、ピアノ伴奏があっても無くても、ページ毎に 2 つ配置されます。ページのサイズによっては、これを実現するためにいくつかのデフォルト設定を変更する必要があるかもしれません。以下の設定を考慮する必要があります:

強弱記号はデフォルトでは譜の下に配置されます。しかしながら、合唱では歌詞を避けるために、普通は強弱記号を譜の上に配置します。あらかじめ定義されているコマンド \dynamicUp は 1 つの Voice コンテキストの強弱記号の配置を譜の上にします。Voice コンテキストが複数ある場合、このコマンドを各コンテキスト内に配置する必要があります。代替手段として、強弱記号のプロパティを変更することで、 楽譜全体ですべての強弱記号を対応する譜の上に配置させることができます。以下に方法を示します:

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff {
      \new Voice {
        \relative { g'4\f g g g }
      }
    }
    \new Staff {
      \new Voice {
        \relative { d'4 d d\p d }
      }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      \override DynamicText.direction = #UP
      \override DynamicLineSpanner.direction = #UP
    }
  }
}

[image of music]

定義済みコマンド

\dynamicUp, \dynamicDown, \dynamicNeutral

参照

記譜法リファレンス: スペースを変更する, スペースを表示する, 音楽を少ないページに収める, ページ レイアウト, 楽譜レイアウト, システムを分割する, 譜サイズを設定する, 改行/改ページ, 垂直方向のスペース

内部リファレンス: VerticalAxisGroup, StaffGrouper

Selected Snippets

ディビジを見やすくするために arpeggioBracket を使用する

符幹が存在しないため情報がない場合に、ボイスの分割を arpeggioBracket で表すことができます。これは合唱曲によく見られます。

\include "english.ly"

\score {
  \relative c'' {
    \key a \major
    \time 2/2
    <<
      \new Voice = "upper"
      <<
        { \voiceOne \arpeggioBracket
          a2( b2
          <b d>1\arpeggio)
          <cs e>\arpeggio ~
          <cs e>4
        }
        \addlyrics { \lyricmode { A -- men. } }
      >>
      \new Voice = "lower"
      { \voiceTwo
        a1 ~
        a
        a ~
        a4 \bar "|."
      }
    >>
  }
  \layout { ragged-right = ##t }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 直線の発想記号


LilyPond 記譜法リファレンス v2.25.22 (development-branch).