5.4.3 距離と距離の単位

LilyPond における距離には 2 つのタイプがあります: 絶対距離と相対距離です。

絶対距離は、マージン、インデント、それにその他の詳細なページ レイアウトを指定するために使用され、デフォルトではミリメートルで指定されます。 距離は以下の単位で指定することもできます: \mm, \cm, \inch (インチ), それに \pt (ポイント。1/73.27 インチ) です。また、ページ レイアウトにおける距離は、値の後ろに \staff-space を付けることにより、 比率で指定することもできます (次の段落を参照してください)。ページ レイアウトについての詳細は、ページ レイアウト に記述されています。

相対距離は常に譜スペースを単位として指定されます – 稀に、半譜スペースが使用されます。譜スペースは隣り合う 2 本の譜線間の距離です。グローバル譜サイズを設定することにより、デフォルト値をグローバルに変更することができます。また、StaffSymbolstaff-space プロパティを変更することにより、譜スペースをローカルにオーバライドすることもできます。相対距離は、グローバル譜サイズや StaffSymbolstaff-space プロパティのいずれかが変更されると、自動的に変更されます。しかしながら、フォントの比率はグローバル譜サイズが変更された場合にのみ、自動的に変更されます。そのため、グローバル譜サイズは容易に描画される楽譜全体のサイズを変更することができます。グローバル譜サイズを設定するための手段については、譜サイズを設定する を参照してください。

楽譜のある部分だけの比率を変更したいのなら – 例えば、オッシア セクションや脚注で – 単純にグローバル譜サイズを変更するわけにはいきません。なぜなら、グローバル譜サイズを変更すると、楽譜全体が影響を受けるからです。そのような場合、StaffSymbolstaff-space プロパティとフォントのサイズをオーバライドすることにより、サイズを変更します。フォント サイズの変更を staff-space 単位の変更に変換するには、Scheme 関数 magstep を使用することができます。この関数の説明と使用例については、オブジェクトの長さと太さ を参照してください。

参照

学習マニュアル: オブジェクトの長さと太さ

記譜法リファレンス: ページ レイアウト, 譜サイズを設定する

LilyPond 記譜法リファレンス v2.25.22 (development-branch).