トリル

延長線を持たない短い トリル\trill で譜刻されます。アーティキュレーションと装飾 を参照してください。

延長線を持つ長いトリルは \startTrillSpan\stopTrillSpan で作成されます:

\relative {
  d''1\startTrillSpan
  d1
  c2\stopTrillSpan
  r2
}

[image of music]

改行を跨ぐトリルは、次行の最初の音符の上から再開されます。

\relative {
  d''1\startTrillSpan
  \break
  d1
  c2\stopTrillSpan
  r2
}

[image of music]

連続したトリルには、明示的な \stopTrillSpan コマンドは必要ありません。なぜなら、自動的に次のトリルが前のトリルの右端となるからです。

\relative {
  d''1\startTrillSpan
  d1
  b1\startTrillSpan
  d2\stopTrillSpan
  r2
}

[image of music]

トリルを装飾小音符と組み合わせることもできます。この組み合わせの構文と装飾小音符を正確に配置する方法については、装飾小音符 で説明しています。

\relative {
  d''1~\afterGrace
  d1\startTrillSpan { c32[ d]\stopTrillSpan }
  c2 r2
}

[image of music]

明示的なピッチを持つ予備の音符を必要とするトリルは \pitchedTrill コマンドを用いて譜刻することができます。最初の引数は主音符です。2 番目の引数は トリル の音符であり、括弧で囲まれた符幹を持たない符頭として譜刻されます。

\relative {
  \pitchedTrill
  d''2\startTrillSpan fis
  d2
  c2\stopTrillSpan
  r2
}

[image of music]

小節内で最初に出現するピッチを持つトリルでは、臨時記号がナチュラルも含めて表示されます。

{
  \key d \major
  \pitchedTrill
  d'2\startTrillSpan cis d\stopTrillSpan 
  \pitchedTrill
  d2\startTrillSpan c d\stopTrillSpan
  \pitchedTrill
  d2\startTrillSpan e d\stopTrillSpan
}

[image of music]

続く (同じ小節内の同じ音程の) 臨時記号は、手動で追加する必要があります。

\relative {
  \pitchedTrill
  eis''4\startTrillSpan fis
  eis4\stopTrillSpan
  \pitchedTrill
  eis4\startTrillSpan cis
  eis4\stopTrillSpan
  \pitchedTrill
  eis4\startTrillSpan fis
  eis4\stopTrillSpan
  \pitchedTrill
  eis4\startTrillSpan fis!
  eis4\stopTrillSpan
}

[image of music]

定義済みコマンド

\startTrillSpan, \stopTrillSpan

参照

音楽用語集: trill

記譜法リファレンス: アーティキュレーションと装飾, 装飾小音符

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: TrillSpanner


LilyPond 記譜法リファレンス v2.25.22 (development-branch).