タイトルのカスタム レイアウト

\header ブロックの中に \markup コマンドを配置することにより、シンプルなテキストをフォーマットすることができます。しかしながら、タイトルの配置を精密に制御することはできません。テキスト フィールドの配置をカスタマイズするには、以下の \paper 変数のどちらか、あるいは両方を変更します:

これらの \markup のデフォルト値を用いた場合のタイトルの配置は ブック パートとスコアのタイトルのデフォルト レイアウト の中にある例で示しています。

ly/titling-init.ly で定義されている scoreTitleMarkup のデフォルト設定は以下のとおりです:

scoreTitleMarkup = \markup { \column {
  \if \should-print-all-headers { \bookTitleMarkup \hspace #1 }
  \fill-line {
    \fromproperty #'header:piece
    \fromproperty #'header:opus
  }
}
}

これは、piece テキスト フィールドと opus テキスト フィールドを同一行の両端に配置します:

\score {
  \header {
    piece = "PRAELUDIUM I"
    opus = "BWV 846"
  }
  { s1 }
}

[image of music]

以下の例では、scoreTitleMarkup を再定義することにより、piece テキスト フィールドを中央に配置して、フォントを大きく、太字にしています。

\book {
  \paper {
    indent = 0\mm
    scoreTitleMarkup = \markup {
      \fill-line {
        \null
        \fontsize #4 \bold \fromproperty #'header:piece
        \fromproperty #'header:opus
      }
    }
  }
  \header { tagline = ##f }
  \score {
    \header {
      piece = "PRAELUDIUM I"
      opus = "BWV 846"
    }
    { s1 }
  }
}

[image of music]

print-all-headers\paper ブロックの中に配置することにより、メイン タイトル ブロックのテキスト フィールドを個々のスコア タイトル ブロックに表示させることができます。

paper ブロックに print-all-headers をセットすると、スコアの \header ブロックでは通常表示されないテキスト フィールドを、スコア タイトル領域に表示させることができます。この方法の欠点は、個々の \score ブロックで、ブック パート タイトル領域のみに表示させたいテキスト フィールドを手動で抑制する必要があることです。タイトルの説明 を参照してください。

この欠点を回避するには、個々の \score ブロックに表示させたいテキスト フィールドを scoreTitleMarkup 定義に追加します。以下の例では、composer テキスト フィールド (通常、これは bookTitleMarkup に関連付けされています) を scoreTitleMarkup に追加することにより、各スコアは異なる作曲者を表示しています:

\book {
  \paper {
    indent = 0\mm
    scoreTitleMarkup = \markup {
      \fill-line {
        \null
        \fontsize #4 \bold \fromproperty #'header:piece
        \fromproperty #'header:composer
      }
    }
  }
  \header { tagline = ##f }
  \score {
    \header {
      piece = "MENUET"
      composer = "Christian Petzold"
    }
    { s1 }
  }
  \score {
    \header {
      piece = "RONDEAU"
      composer = "François Couperin"
    }
    { s1 }
  }
}

[image of music]

あなた自身のカスタム テキスト フィールドを作成して、それをマークアップ定義で参照することもできます。

\book {
  \paper {
    indent = 0\mm
    scoreTitleMarkup = \markup {
      \fill-line {
        \null
        \override #`(direction . ,UP)
        \dir-column {
          \center-align \fontsize #-1 \bold
            \fromproperty #'header:mycustomtext %% User-defined field
          \center-align \fontsize #4 \bold
            \fromproperty #'header:piece
        }
        \fromproperty #'header:opus
      }
    }
  }
  \header { tagline = ##f }
  \score {
    \header {
      piece = "FUGA I"
      mycustomtext = "A 4 VOCI" %% User-defined field
      opus = "BWV 846"
    }
    { s1 }
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: タイトルの説明


LilyPond 記譜法リファレンス v2.25.22 (development-branch).