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2.7.3 通奏低音
通奏低音を譜刻することができます。
通奏低音の導入部 | ||
通奏低音を入力する | ||
通奏低音を表示する |
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通奏低音の導入部
LilyPond は通奏低音 (figured bass – thorough bass や basso continuo とも呼ばれます) をサポートします:
<< \new Voice { \clef bass dis4 c d ais g fis} \new FiguredBass { \figuremode { < 6 >4 < 7\+ >8 < 6+ [_!] > < 6 >4 <6 5 [3+] > < _ >4 < 6 5/>4 } } >>
通奏低音のサポートには 2 つのパートがあります:
1 つは入力モード \figuremode
で、通奏低音の入力を受け入れます。もう 1 つはコンテキスト FiguredBass
で、BassFigure
オブジェクトの表示を扱います。Staff
でも通奏低音を表示させることができます。
\figures { … }
は
\new FiguredBass \figuremode { … }
の短縮記譜法です。
通奏低音のサポートの外見は和音サポートに似ていますが、もっとシンプルです。\figuremode
モードは通奏低音を保持し、FiguredBass
コンテキストははそれらを入力されたとおりに譜刻するだけです。ピッチへの変換は行いません。
参照
音楽用語集: figured bass
コード断片集: Chords
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通奏低音を入力する
\figuremode
は入力モードを通奏低音モードに切り替えるのに用いられます。他の入力モードについての更なる情報は 入力モード で見つかります。
通奏低音モードでは、通奏低音のグループを <
と >
で囲みます。演奏時間は >
の後に入力します。
\new FiguredBass { \figuremode { <6 4>2 } }
通奏低音の各音程を変化させるために、ナチュラル記号を含む臨時記号を付け加えることができます。臨時記号は数字の後に
+
(シャープ)、-
(フラット)、!
(ナチュラル) を付け加えることで入力します。ダブルシャープやダブルフラットは記号を 2 重に入力します。第 3 度の音を変化させるときに、数字が省略されることがありますが、数字の代わりに _
を入力することで実現できます。
\figures { <7! 6+ 4-> <5++> <3--> < _+ > < 7 _!> }
増音と減音を記述することができます:
\figures { <6\+ 5/> <7/> }
通奏低音にバックスラッシュを付けることができます ( 通常、6 度の音を上げるのに用いられます):
\figures { <6> <6\\> }
通奏低音に囲みを含ませることができます:
\figures { <[12] 8 [6 4]> }
通奏低音として任意のテキスト マークアップを挿入することができます:
\figures { <\markup { \tiny \number 6 \super (1) } 5> }
継続線で通奏低音の繰り返しを示すことができます:
<< { \clef bass e4 d c b, e4 d c b, } \figures { \bassFigureExtendersOn <6 4>4 <6 3> <7 3> <7 3> \bassFigureExtendersOff <6 4>4 <6 3> <7 3> <7 3> } >>
以下の例のように、継続線は明示的に停止されない限り連続する通奏低音に置き換わります。
<< \figures { \bassFigureExtendersOn <6 4>4 <6 4> <6\! 4\!> <6 4> } { \clef bass d4 d c c } >>
以下の表は利用可能な通奏低音の修飾子を要約しています。
修飾子 | 用途 | 例 |
+, -, ! | 臨時記号 | |
\+, / | 増音と減音 | |
\\ | 音を 6 度上げる | |
\! | 継続線を終わらせる |
定義済みコマンド
\bassFigureExtendersOn
,
\bassFigureExtendersOff
Selected Snippets
通奏低音の変化記号の位置を変更する
数字付き低音の前後に表示される臨時記号やプラス記号は、その位置を
figuredBassAlterationDirection
や
figuredBassPlusDirection
プロパティによって変更することができます。
\figures { <5\+> <5+ 4\+> <6 4- 2\+> r \set figuredBassAlterationDirection = #RIGHT <5\+> <5+ 4\+> <6 4- 2\+> r \set figuredBassPlusDirection = #RIGHT <5\+> <5+ 4\+> <6 4- 2\+> r \set figuredBassAlterationDirection = #LEFT <5\+> <5+ 4\+> <6 4- 2\+> r }
参照
コード断片集: Chords
内部リファレンス: BassFigure, BassFigureAlignment, BassFigureLine, BassFigureBracket, BassFigureContinuation, FiguredBass
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通奏低音を表示する
FiguredBass
コンテキストを用いて通奏低音を表示させることができます。たいていの譜コンテキストでも表示させることができます。
FiguredBass
コンテキストに表示させる場合、通奏低音の垂直方向の位置は譜上にある音符の位置とは無関係です。
<< \relative { c''4 c'8 r8 c,4 c' } \new FiguredBass { \figuremode { <4>4 <10 6>8 s8 <6 4>4 <6 4> } } >>
上記の例では、余分な (空の) 譜が作成されるのを避けるために、FiguredBass
コンテキストを明示的に作成する必要があります。
通奏低音を直接 Staff
コンテキストに付け加えることもできます。この場合、通奏低音の垂直方向の位置は自動的に調節されます。
<< \new Staff = "myStaff" \figuremode { <4>4 <10 6>8 s8 <6 4>4 <6 4> } %% Put notes on same Staff as figures \context Staff = "myStaff" { \clef bass c4 c'8 r8 c4 c' } >>
通奏低音を Staff
コンテキストに追加した場合、譜の上や下に表示することができます。
<< \new Staff = "myStaff" \figuremode { <4>4 <10 6>8 s8 \bassFigureStaffAlignmentDown <6 4>4 <6 4> } %% Put notes on same Staff as figures \context Staff = "myStaff" { \clef bass c4 c'8 r8 c4 c' } >>
定義済みコマンド
\bassFigureStaffAlignmentDown
,
\bassFigureStaffAlignmentUp
,
\bassFigureStaffAlignmentNeutral
参照
コード断片集: Chords
内部リファレンス: BassFigure, BassFigureAlignment, BassFigureLine, BassFigureBracket, BassFigureContinuation, FiguredBass
既知の問題と警告
継続線が正しく機能することを保証するために、通奏低音のリズムをバス パートに合わせた方が安全です。
<< { \clef bass \repeat unfold 4 { f16. g32 } f8. es16 d8 es } \figures { \bassFigureExtendersOn % バスと同じリズムなので、継続線は正しく機能します \repeat unfold 4 { <6 4->16. <6 4->32 } <5>8. r16 <6>8 <6\! 5-> } >> << { \clef bass \repeat unfold 4 { f16. g32 } f8. es16 d8 es } \figures { \bassFigureExtendersOn % タイミングは同じですが、継続線は正しく機能しません <6 4->4 <6 4->4 <5>8. r16 <6>8 <6\! 5-> } >>
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