3.5.3 MIDI ブロック

LilyPond 入力ファイルから MIDI 出力ファイルを作り出す場合、\score ブロックの中に \midi ブロックを挿入します。\midi ブロックは空でも構いません。

\score {
  … music …
  \layout { }
  \midi { }
}

Note: \score ブロックが音楽と、\midi ブロックしか含まない場合 (つまり、\layout ブロックを持たない場合)、MIDI 出力ファイルのみを作り出します。楽譜は出力されません。

デフォルトの出力ファイルの拡張子 (.midi) は lilypond コマンドに-dmidi-extension オプションを指定することで変更することができます:

lilypond -dmidi-extension=mid MyFile.ly

または、\book, \bookpart, \score ブロックのいずれかの前に、次の Scheme コードを追加することでも変更することができます。ファイル構造 を参照してください。

#(ly:set-option 'midi-extension "mid")

参照

記譜法リファレンス: ファイル構造, 出力ファイルのメタデータを作成する

インストールされているファイル: ‘scm/midi.scm

既知の問題と警告

MIDI チャンネルは 15 個が利用可能で、さらにドラムのためのチャンネルが 1 つ (#10) あります。譜は一つずつ順番にチャンネルが割り当てられるため、15 よりも多くの譜を持つ楽譜は、複数の譜が同じ MIDI チャンネルに割り当てられます (上書きはされません)。この時、チャンネル毎に設定されるプロパティが競合してセットされている場合 – 例えば、異なる楽器が指定されている場合 – は問題になることがあります。

多拍子記譜法で midi ブロックを使用した場合、予期しない小節線チェックの警告が表示される可能性があります。その場合は、midi ブロック内で、Timing_translatorScore コンテキストから Staff コンテキストに移動してください。

\midi {
  \context {
    \Score
    \remove Timing_translator
  }
  \context {
     \Staff
     \consists Timing_translator
  }
}

[image of music]


LilyPond — 記譜法リファレンス v2.23.82 (開発版).