3.5.9 MIDI 出力をより良くする

MIDI の楽器や、\midi ブロックのプロパティを設定することでより良くすることができます。

追加されたスクリプトで、強弱、アーティキュレーション、リズムを MIDI に書き出す方法を微調整することができます: ‘articulate’ スクリプトと ‘swing’ スクリプトです。


奏法スクリプト

奏法スクリプトを使うには、入力ファイルの最初にこのような \include コマンドを追加します:

\include "articulate.ly"

このスクリプトは、アーティキュレーションやテンポ表示を反映させるために、MIDI 出力の音符を正しく‘タイム スケール’します。しかし、譜刻された出力も MIDI 出力の結果と対応して変化してしまいます。

\score {
  \articulate <<
    … music …
  >>
  \midi { }
}

\articulate コマンドは、省略記号 (トリルやターンなど) を解釈できます。対応している記号の一覧は、スクリプト内に記載してあります。‘ly/articulate.ly’ を参照してください。

参照

学習マニュアル: その他の情報源

記譜法リファレンス: 楽譜レイアウト

インストールされているファイル: ‘ly/articulate.ly

Note: 奏法スクリプトは和音の長さを短くすることがあります。これはオルガン音楽などには適さないかもしれません。また、アーティキュレーションが全く付いていない音符も長さが短くなります。\articulate 関数を使う場所を一部分に限定するか、奏法スクリプトに定義された変数を書き換えることによって、長さが短くなる挙動を抑えることができます。


スウィング スクリプト

swing’ スクリプトは通常の演奏時間を均等でないリズムで演奏させることを可能にする追加の関数を提供します。最もわかりやすい例は、2 つの 8 分音符を 3 のリズムで演奏する、ジャズ音楽によく見られる‘スウィング’演奏ですが、追加の演奏方法もサポートされます。

このスクリプトは入力ファイルの先頭で \include されなければなりません:

\include "swing.ly"

3 つのコマンドが提供されます:

Note:articulate’ スクリプトで用いる場合は、すべてのスウィング コマンドは譜の出力にも表示され、音符のスペーシングが不規則になります。これは、音楽を譜刻する代わりに MIDI 出力だけに専念する \score ブロックのみに用いることで避けることができます。

追加のヘルプや情報はスクリプトファイルにあります: ‘ly/swing.ly’ を参照してください。

参照

学習マニュアル: Other sources of information

記譜法リファレンス: リズム

インストールされているファイル: ‘ly/swing.ly

既知の問題と警告


LilyPond — 記譜法リファレンス v2.23.82 (開発版).