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5.1.1 コンテキストの説明
コンテキストは階層的に配置されます:
出力定義 - コンテキストの青写真 | ||
Score - すべてのコンテキストのマスタ | ||
上位コンテキスト - 譜コンテナ | ||
中位コンテキスト - 譜 | ||
下位コンテキスト - ボイス |
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出力定義 - コンテキストの青写真
このセクションでは、コンテキストを扱う際の出力定義との関連について説明します。実際の出力定義の例については、後で提示します (同じタイプの全コンテキストを変更する を参照してください)。
ファイルに記述される音楽は、コンテキストの種類や名前を参照しますが、コンテキストが作成されるのは、音楽が実際に解釈される時です。LilyPond は‘出力定義’に基づいて音楽を解釈し、異なる出力定義は異なる出力をもたらします。楽譜の見た目の出力に関係する出力定義は \layout
で指定します。
MIDI 出力を作り出すのに使われる出力定義はもっと単純で、\midi
によって指定されます。他の出力定義も LilyPond では内部的に使用されます。例えばパートを結合する出力定義 (自動パート結合) や音楽の引用を作り出す出力定義 (他のボイスを引用する) などです。
出力定義は、各コンテキストのデフォルトの設定だけでなく、コンテキスト同士の関係も定義します。多くの変更は通常 \layout
ブロックで行われますが、MIDI に関係した設定は \midi
ブロックで変更された場合にのみ効果があります。
いくつかの設定は複数の出力に効果があります: 例えば、autoBeaming
があるコンテキストでオフになった場合、歌詞音節の自動演奏時間
で説明しているように、連桁は歌詞を音楽に合わせるためのメリスマとして扱われます。この位置合わせは見た目の出力だけでなく MIDI 出力でも行われます。autoBeaming
が \layout
ブロックの出力定義内で変更されており、しかし対応する \midi
ブロックでは変更されていない場合、MIDI では歌詞と音楽が一致しなくなります。
参照
インストールされているファイル: ‘ly/engraver-init.ly’, ‘ly/performer-init.ly’
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Score - すべてのコンテキストのマスタ
これは最上位の記譜コンテキストです。他のコンテキストが Score コンテキストを保持することはできません。デフォルトでは、Score コンテキストが拍子記号の管理を扱い、音部記号、拍子記号、調号などのアイテムが譜間で揃っていることを保証します。
Score コンテキストは、\score {…}
ブロックが処理されたときに暗黙的にインスタンス化されます。
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上位コンテキスト - 譜コンテナ
StaffGroup
譜をグループ化して、左端に角括弧を付けます。このコンテキストに保持されている譜の小節線は垂直につながります。StaffGroup
は譜のコレクション、それに左端の角括弧と延長された小節線だけを保持します。
ChoirStaff
保持されている譜の小節線が垂直につながらないことを除けば、StaffGroup
と同じです。
GrandStaff
譜をグループ化して、左端に波括弧を付けます。このコンテキストに保持されている譜の小節線は垂直につながります。
PianoStaff
GrandStaff
と似ていますが、各システムの左端に楽器名を付けることができます。
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中位コンテキスト - 譜
Staff
音部記号、小節線、調、臨時記号を扱います。このコンテキストは Voice
コンテキストを保持することができます。
RhythmicStaff
Staff
と似ていますが、リズムを表示するためのものです。ピッチは譜刻には無視され、音符は線として表示されます。MIDI 出力ではピッチは変更されません。
TabStaff
タブ譜を生成するためのコンテキストです。デフォルトでは、音楽表記を 6 線のギター タブ譜として配置します。
DrumStaff
打楽器の譜刻を扱います。DrumVoice
を保持することができます。
VaticanaStaff
Staff
と同じですが、グレゴリオ聖歌形式の楽曲を譜刻するためにデザインされている点が異なります。
MensuralStaff
Staff
と同じですが、計量形式の楽曲を譜刻するためにデザインされている点が異なります。
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下位コンテキスト - ボイス
Voice レベルのコンテキストはある特定のプロパティを初期化し、適切なエングラーバを開始させます。下位コンテキストは defaultchild
を持たないコンテキストです。中にコンテキストを受け入れたり保持することはできますが、明示的に作成され入力される必要があります。
Voice
譜の上にあるボイスに相当します。このコンテキストは、強弱記号、符幹、連桁、上付き/下付き文字、タイ、それに休符の変換を扱います。1 つの譜に複数のボイスを配置する必要がある場合、ボイスを明示的にインスタンス化する必要があります。
VaticanaVoice
Voice
と同じですが、グレゴリオ聖歌形式の楽曲を譜刻するためにデザインされている点が異なります。
MensuralVoice
Voice
と同じですが、定量形式の楽曲を譜刻するためにデザインされている点が異なります。
Lyrics
歌詞を保持するボイスに相当します。単一行の歌詞の表示を扱います。
DrumVoice
打楽器譜で使用されるボイス コンテキストです。
FiguredBass
このコンテキストの中で、\figuremode
モードで記述された入力から
BassFigure
オブジェクトが作成されます。
TabVoice
TabStaff
コンテキスト内部で使用されるボイス コンテキストです。通常、暗黙的に作成されます。
CueVoice
小さなサイズの音符を描画するために使用されるボイス コンテキストです。主に合図音符を譜に付け加えることを目的としています。合図音符をフォーマットする を参照してください。通常、暗黙的に作成されます。
ChordNames
コード ネームを譜刻します。
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