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2.9.1 サポートされているスタイルの概要
グレゴリオ聖歌を譜刻するのに適したスタイルが 3 つあります:
- Editio Vaticana はグレゴリオ聖歌のスタイルとしては完全なものです。Solesmes 版に続くものであり、1904 年からのバチカン公式の聖歌本です。LilyPond はリガトゥーラ、クストス、quilisma や oriscus などの特殊記号を含めた全ての譜刻記号に対応しています。
- Editio Medicaea スタイルは、Solesmes 版より以前に使われた、Medicaea (あるいは Ratisbona) 版に用いられるいくつかの記号に対応しています。Vaticana スタイルとの大きな違いは音部記号と符頭であり、音部記号は右下がりに、符頭は四角形で通常の大きさになっています。
- Hufnagel (“蹄鉄の釘”) あるいはゴシックスタイルは、中世のドイツや中央ヨーロッパで用いられた写本のスタイルを模倣します。この名前は、基本的な符頭 (ヴィルガ) が小さな釘のように見えることから付けられました。
中世後期やルネサンス期に用いられる、計量音楽の写本や印刷本の見た目を模倣するスタイルが 3 つあります:
- Mensural スタイルは中世後期やルネサンス初期の写本に使われるスタイルに最も近いです。このスタイルは、小さくて幅の狭いダイアモンド型の符頭や、手書きスタイルの休符を含みます。
- Neomensural スタイルは、昔のスタイルをより現代化し様式化したものです。符頭はより広がり、休符は直線からなります。このスタイルは計量音楽の転写におけるインキピットなどに特に適しています。
- Petrucci スタイルは、初めて活字を用いて音楽を印刷した (Harmonice musices odhecaton, 1501) Ottaviano Petrucci (1466-1539) にちなんで名付けられました。他の計量記譜法のスタイルよりも大きな符頭を持ちます。
Baroque と Classical は完全なスタイルではありません。デフォルトのスタイルとわずかな点が異なるだけです。 いくつかの符頭 (Baroque) と四分休符 (Classical) です。
全ての記譜記号について置き換えが存在するのは、計量音楽のスタイルのみです。休符や符尾は単旋律聖歌の記譜に用いられないため Gregorian スタイルに存在せず、Petrucci スタイルには符尾や臨時記号がありません。
それぞれの記譜要素は他とは独立して変更することができます。つまり、1 曲の中で Mensural スタイルの符尾を使いながら、Petrucci スタイルの符頭と、Classical スタイルの休符、Vaticana スタイルの音部記号を使うことができます。
参照
音楽用語集: mensural notation, flag
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