警告 this voice needs a \voiceXx or \shiftXx setting

2 つの異なるボイスが同じ向きの符幹を持ち、それらが同じタイミングで出現する時、ボイスにシフトが指定されていない場合に ‘warning: this voice needs a \voiceXx or \shiftXx setting’ という警告メッセージが LilyPond ファイルをコンパイルする際に出力されます。この警告は符幹が見えない場合 (例えば、全音符) にも、同じピッチにある短い方の音符の符幹が同じ向きにある場合、出力されます。

符幹の向きは、\voiceOne などによって指定されない限り、譜の中での音符の位置に依存します。このとき、警告は符幹が同じ向きになってしまった場合 – つまり、複数のボイスが譜の上半分または下半分に固まってしまった場合 – にのみ出力されます。

\voiceOne などを用いることによって、符幹の向きとシフトを指定したボイスで音符を配置した場合、これらの警告を回避することができます。

より大きいボイス番号を持つ音符 (例えば \voiceThree など) は、音符列の衝突を避けるために自動的に移動します。符幹のある音符に対しては移動が目に見えますが、全音符は実際に符頭が衝突しない限り、あるいはボイスが自然な順番に配置されていない場合 (例えば \voiceThree\voiceOne よりも高い位置にある場合) ではない限り、移動しているように見えません。

参照

ボイスを明示的にインスタンス化する, 実際の音楽からの例, 単一譜の多声, 衝突の解決

GNU LilyPond – アプリケーション使用方法 v2.25.22 (development-branch).