3.2.3 出力ファイルのメタデータを作成する

\header 変数には、楽譜の見た目上の出力に表示されるデータだけではなく、出力ファイルのメタデータを作り出すためにも使われます。例えば、PDF ファイルでは、このメタデータが PDF ファイルの properties フィールドとして PDF リーダに表示されます。それぞれの出力ファイルの形式に応じて、別々のファイルを作り出すようなレベルより上位での \header ブロックのみが使用されます。すなわち、PDF ファイルにおいては、\book レベルやトップレベルの \header 定義のみが PDF ドキュメント全体のメタデータとして有効で、MIDI ファイルにおいては、上で挙げたレベルに加えて \score レベルの \header ブロックでも有効です。

例えば、\header ブロックの title プロパティを ‘Symphony I’ にセットすると、PDF ドキュメントのタイトルと、MIDI ファイルのシーケンス名に使われることになります。

\header {
  title = "Symphony I"
}

楽譜上のタイトルと、PDF のタイトル プロパティを別の値にしたい場合、下の例のように pdftitle を使用することができます:

\header {
  title = "Symphony I"
  pdftitle = "Symphony I by Beethoven"
}

変数 title, subject, keywords, subtitle, composer, arranger, poet, author, copyright は全て、PDF のプロパティに使われます。これらは、頭に ‘pdf’ を付け加えることで楽譜上の出力とは違う値をセットすることもできます。

PDF の Creator プロパティは自動的に、‘LilyPond’ と現在の LilyPond のバージョンが組み合わされてセットされます。CreationDateModDate はどちらも、現在の日時にセットされますが、ModDate\header 変数 moddate (あるいは pdfmoddate) を正しい PDF 日時文字列にセットすることでオーバライドすることができます。

title 変数は MIDI でのシーケンス名としてもセットされます。midititle 変数を使うことで、楽譜上の出力と独立してシーケンス名を指定することができます。


LilyPond — 記譜法リファレンス v2.23.5 (開発版).