\textLengthOn コマンド

デフォルトでは、音楽のレイアウトが考慮されている限り、マークアップによって作り出されるテキストは水平方向のスペースと関係しません。\textLengthOn コマンドはこの動作を逆にして、テキストの配置に便宜をはかる必要がある限り、音符の間隔を広げます:

\textLengthOn  % 音符の間隔を広げてテキストに揃えます
c''2^"Text1"
c''2^"Text2" |
c''2^"Text3"
c''2^"Text4" |

[image of music]

デフォルトの動作に戻すためのコマンドは \textLengthOff です。効果を与えるのが単一の音楽タイミングであれば、\textLengthOn\once を付ける方法もあります。リハーサルマークやテンポ記号の水平方向のスペースを調整するには、 \markLengthOn\markLengthOff を使います。

マークアップ テキストは譜の上に突き出している音符を避けます。このことが望ましくない場合、優先度を #f にセットすることによって上方向への自動再配置を Off にすることになるかもしれません。ここで、マークアップ テキストがそのような音符とどのように相互作用するかを示す例を挙げます。

\relative {
  % このマークアップは短いため衝突は起きません
  c''2^"Tex" c'' |
  R1 |

  % このマークアップは長くて納まりきらないため、上に押し上げられます
  c,,2^"Text" c'' |
  R1 |

  % 衝突回避を OFF にします
  \once \override TextScript.outside-staff-priority = ##f
  c,,2^"Long Text   " c'' |
  R1 |

  % 衝突回避を OFF にします
  \once \override TextScript.outside-staff-priority = ##f
  \textLengthOn        % そして textLengthOn を ON にします
  c,,2^"Long Text   "  % 後ろにスペースが付け加えられます
  c''2 |
}

[image of music]


GNU LilyPond 学習マニュアル v2.25.15 (開発版).