2.10.3 トルコの伝統音楽

このセクションではトルコの伝統音楽記譜に関係する問題をハイライトします。


トルコの伝統音楽のためのリファレンス

トルコの伝統音楽はオスマン帝国時代 – ヨーロッパでクラシック音楽が開発されたのとほぼ同時期 – に発展し、 それ自体の作曲形式、理論それに演奏スタイルを持つ、活発で西洋音楽とは別個の流儀を持つ音楽として 20 世紀そして 21 世紀へと受け継がれてきました。際立った特徴の 1 つは全音階を 9 等分した ‘コンマ’ をベースとする微分音を使用することであり、微分音から マカーム (makam、複数形は makamlar) と呼ばれる旋律形式が構築されます。

トルコの伝統音楽に関する問題のいくつかは他の場所でカバーされています。特殊な音符名と臨時記号について、非西洋音楽の一般的な記譜法 で説明しています。


トルコ音楽の音符名

トルコの伝統音楽におけるピッチは固有の名前を持ちます。全音階の 1/9 をベースとしているため、西洋音楽の音階と旋法とは全く異なる音程のセットを採用しています:

現代の記譜法の観点から見ると、西洋音楽標準の譜の音符 (ド、レ、ミ、など) に音符を全音階の 1/9, 4/9, 5/9, 8/9 上げ下げするカスタム臨時記号を組み合わせて使うと便利です。これらのカスタム臨時記号はファイル ‘turkish-makam.ly’ で定義されています。

非西洋音楽の記譜法についてのもっと一般的な説明は、非西洋音楽の一般的な記譜法 を参照してください。

参照

音楽用語集: makam, makamlar

記譜法リファレンス: 非西洋音楽の一般的な記譜法


トルコ音楽の調号

LilyPond は 200 以上のマカームの調号の定義をサポートしています – トルコのクラシック音楽で使用されているものをはるかに超えています – 各マカームには独自の特定のトニック / finalis ピッチがあります (トルコ語では ‘karar’ として知られています)。

各マカームの finalis を認識することが重要です。 g がデフォルトのトニックであり、 rast がマカームの名前である例を次に示します。

\key g \rast

正しい臨時記号であるコマ フラット (b1) とコマ シャープ (f4) (どちらもトニック g に関連) が自動的に表示されます。

Selected Snippets

Turkish Makam example

This template uses the start of a well-known Turkish Saz Semai that is familiar in the repertoire in order to illustrate some of the elements of Turkish music notation.

\paper { tagline = ##f }

% Initialize makam settings
\include "turkish-makam.ly"

\header {
    title = "Hüseyni Saz Semaisi"
    composer = "Lavtacı Andon"
}

\relative {
  \set Staff.extraNatural = ##f
  \set Staff.autoBeaming = ##f

  \key a \huseyni
  \time 10/8

  a'4 g'16 [fb] e8. [d16] d [c d e] c [d c8] bfc |
  a16 [bfc a8] bfc c16 [d c8] d16 [e d8] e4 fb8 |
  d4 a'8 a16 [g fb e] fb8 [g] a8. [b16] a16 [g] |
  g4 g16 [fb] fb8. [e16] e [g fb e] e4 r8 |
}

[image of music]


トルコ音楽のための更なる知識


LilyPond — 記譜法リファレンス v2.23.82 (開発版).