LilyPond — 記譜法リファレンス

このマニュアルは LilyPond バージョン 2.18.2 で提供されるすべての記譜法についての参照を提供します。このマニュアルは、読み手が 学習マニュアル で扱っている題材に慣れ親しんでいることを前提としています。

このマニュアルと他のドキュメントの関係について、あるいは、このマニュアルを他の形式で読む方法についての情報は、 マニュアル を参照してください。

マニュアルのいずれかを見失ってしまった場合、http://www.lilypond.org/ にマニュアルがすべて揃っています。


1. 音楽記譜法

この章では音楽表記を作成する方法について説明します。


1.1 ピッチ

[image of music]

このセクションでは音符のピッチを指定する方法について議論します。このプロセスには 3 つのステップがあります: 入力、変更、出力です。


1.1.1 ピッチを記述する

このセクションではピッチを入力する方法について議論します。音符をオクターブの中に置くには 2 つの方法があります: 絶対モードと相対モードです。たいていの場合、相対モードの方が便利です。


絶対オクターブ入力

ピッチ名は a から g までの小文字を使って指定されます。c から b までの音符名はミドル C の下のオクターブに譜刻されます。

{
  \clef bass
  c4 d e f
  g4 a b c
  d4 e f g
}

[image of music]

他のオクターブはシングル クォート (') またはカンマ (,) 文字で指定されます。各 ' はピッチを 1 オクターブ上げます。一方、各 , はピッチを 1 オクターブ下げます。

{
  \clef treble
  c'4 c'' e' g
  d''4 d' d c
  \clef bass
  c,4 c,, e, g
  d,,4 d, d c
}

[image of music]

参照

音楽用語集: Pitch names

コード断片集: ピッチ


相対オクターブ入力

オクターブが絶対モードで指定されている場合、ピッチを間違ったオクターブに置くことは容易に起こりえます。相対オクターブ モードはそのようなエラーを減らします。なぜなら、相対オクターブ モードでは、たいていの場合、オクターブを指定する必要が無いからです。さらに、絶対モードでは 1 つのミスを見つけることが困難であるかもしれないのに対し、相対モードでは 1 つのミスが楽曲の残りの部分を 1 オクターブずらします。

\relative startpitch musicexpr

相対モードでは、各音符は可能な限り前の音符の近くに配置されます。このことは、musicexp の中にある各ピッチのオクターブが以下のように算出されるということを意味します:

ここで、実際に相対モードの例を挙げます:

\relative c {
  \clef bass
  c d e f
  g a b c
  d e f g
}

[image of music]

オクターブ変更記号は 4 度よりも大きな音程に対して使用されます:

\relative c {
  \clef bass
  c d e f
  g a b c
  d e f g
}

[image of music]

音符の連なりはオクターブ変更記号が無い場合であっても大きな音程に広がる可能性があります:

\relative c {
  c f b e
  a d g c
}

[image of music]

\relative ブロックがネストされている場合、最も内側の \relative ブロックが適用されます。

\relative c' {
  c d e f
  \relative c'' {
    c d e f
  }
}

[image of music]

\relative\chordmode ブロックでは効果を持ちません。

\new Staff {
  \relative c''' {
    \chordmode { c1 }
  }
  \chordmode { c1 }
}

[image of music]

\relative\chordmode ブロックの中で使用することは認められません。

\transpose ブロックの中では、\relative を記述しない限り、絶対モードになります。

\relative c' {
  d e
  \transpose f g {
    d e
    \relative c' {
      d e
    }
  }
}

[image of music]

前の要素が和音である場合、その和音の最初の音符が後に続く音符または和音の参照ポイントとして使用されます。和音の内部では、次の音符は常に 1 つ前の音符との相対関係になります。次の例を、c の音符に気を付けて、注意深く検証してください。

\relative c' {
  c
  <c e g>
  <c' e g'>
  <c, e, g''>
}

[image of music]

上で説明したように、ピッチのオクターブは音符名のみを使って算出され、いかなる変更にも影響を受けません。そのため、B の後の E ダブル シャープは B よりも上に配置され、B の後の F ダブル フラットは B よりも下に配置されます。言い換えると、4 度の 2 重増音の音程は 5 度の 2 重減音の音程よりも小さい – それぞれの音程に含まれる半音の数に関係無く – と見なされます。

\relative c'' {
  c2 fis
  c2 ges
  b2 eisis
  b2 feses
}

[image of music]

これらの規則から導き出される結論の 1 つは、\relative f ブロックの中の最初の音符は絶対ピッチ モードで記述された音符と全く同様に解釈されるということです。

参照

音楽用語集: fifth, interval, Pitch names

記譜法リファレンス: オクターブ チェック

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: RelativeOctaveMusic

\relative に対して startpitch が指定されていない場合、c' であると見なされます。しかしながら、これは使用を推奨されなくなったオプションであり、将来のバージョンでは無くなるかもしれないので、startpitch を指定しないことはお勧めできません。


臨時記号

Note: LilyPond を始めたばかりのユーザはしばしば臨時記号と調号のことで混乱します。LilyPond では、音符名は未加工の入力です – 調号と音部記号がこの未加工の入力をどのように表示するかを決定します。c のような変更を加えられていない音符は、調号や音部記号とは無関係に、‘C ナチュラル’ を意味します。更なる情報は、 Accidentals and key signatures を参照してください。

シャープのピッチは音符名に is を付け加えることによって作られ、フラットのピッチは es を付け加えることによって作られます。予想しているかもしれませんが、ダブル シャープダブル フラットisis または eses を付け加えることによって作られます。この構文はオランダ語の音符命名規約から派生しました。臨時記号に他の名前を使うには、他の言語での音符名 を参照してください。

ais1 aes aisis aeses

[image of music]

ナチュラルは臨時記号や調号の効果をキャンセルします。しかしながら、ナチュラルは接尾辞として音符名構文にエンコードされてはいません。そのため、ナチュラルのピッチは単に音符名で入力されます:

a4 aes a2

[image of music]

4 分音が付け加えられるかもしれません。以下の一連の C は左から順にピッチが増えていっています:

ceseh1 ces ceh c cih cis cisih

[image of music]

通常、臨時記号は自動的に譜刻されますが、手動で譜刻する場合もあるかもしれません。親切の臨時記号はピッチの後にエクスクラメーション記号 ! を付け加えることによって譜刻することができます。忠告の臨時記号 (つまり、括弧で囲まれた臨時記号) はピッチの後にクエスチョン記号 ? を付け加えることによって譜刻することができます。これら追加の臨時記号を使ってナチュラル記号を作り出すこともできます。

cis cis cis! cis? c c c! c?

[image of music]

タイで結ばれた音符に付ける臨時記号は新しいシステム (訳者: 譜 1 行分のこと) の開始点でのみ譜刻されます:

cis1 ~ cis ~
\break
cis

[image of music]

Selected Snippets

Hiding accidentals on tied notes at the start of a new system

This shows how to hide accidentals on tied notes at the start of a new system.

\relative c'' {
  \override Accidental.hide-tied-accidental-after-break = ##t
  cis1~ cis~
  \break
  cis
}

[image of music]

Preventing extra naturals from being automatically added

In accordance with traditional typesetting rules, a natural sign is printed before a sharp or flat if a previous double sharp or flat on the same note is canceled. To change this behavior to contemporary practice, set the extraNatural property to f in the Staff context.

\relative c'' {
  aeses4 aes ais a
  \set Staff.extraNatural = ##f
  aeses4 aes ais a
}

[image of music]

参照

音楽用語集: sharp, flat, double sharp, double flat, Pitch names, quarter tone

学習マニュアル: Accidentals and key signatures

記譜法リファレンス: 自動臨時記号, Annotational accidentals (musica ficta), 他の言語での音符名

コード断片集: ピッチ.

内部リファレンス: Accidental_engraver, Accidental, AccidentalCautionary, accidental-interface

既知の問題と警告

4 分音臨時記号の表記の仕方で広く認められた標準はないため、LilyPond の記号はいかなる標準にも準拠しません。


他の言語での音符名

他のさまざまな言語での音符名と臨時記号名のセットが定義されています。通常、音符名の言語の選択はファイルの先頭で行います。 以下の例はイタリア語の音符名を使用します:

\language "italiano"

\relative do' {
  do re mi sib
}

[image of music]

利用可能な言語ファイルとそれらが定義している音符名を挙げます:

言語

音符名

nederlands

c d e f g a bes b

catalan

do re mi fa sol la sib si

deutsch

c d e f g a b h

english

c d e f g a bf b

espanol または español

do re mi fa sol la sib si

italiano または français

do re mi fa sol la sib si

norsk

c d e f g a b h

portugues

do re mi fa sol la sib si

suomi

c d e f g a b h

svenska

c d e f g a b h

vlaams

do re mi fa sol la sib si

音符名に加えて、臨時記号の接尾辞も言語によって異なる場合があります:

言語

シャープ

フラット

ダブル シャープ

ダブル フラット

nederlands

-is

-es

-isis

-eses

catalan

-d/-s

-b

-dd/-ss

-bb

deutsch

-is

-es

-isis

-eses

english

-s/-sharp

-f/-flat

-ss/-x/-sharpsharp

-ff/-flatflat

espanol または español

-s

-b

-ss/-x

-bb

italiano または français

-d

-b

-dd

-bb

norsk

-iss/-is

-ess/-es

-ississ/-isis

-essess/-eses

portugues

-s

-b

-ss

-bb

suomi

-is

-es

-isis

-eses

svenska

-iss

-ess

-ississ

-essess

vlaams

-k

-b

-kk

-bb

オランダ語では、aes は縮めて as となりますが、LilyPond ではどちらの形式も認められます。同様に、esees の両方が認められます。これはさらに、aeses / aseseeses / eses にも適用されます。他の言語ファイルでは短縮名だけが定義されている場合があります。

a2 as e es a ases e eses

[image of music]

音楽の中には ‘通常の’ シャープやフラットの音の変化をさらに細かく分けた微分音を使用するものがあります。さまざまな言語 (ファイル) での 4 分音 (訳者: シャープやフラットの半分の音の変化。4 分音符ではありません) の音符名を以下の表で挙げます。接頭辞 半-1.5- はそれぞれ ‘半分’ と ‘1 つ半’ を意味します。表に無い言語では、まだ微分音の名前は定義されていません。

元号

半-シャープ

半-フラット

1.5-シャープ

1.5-フラット

nederlands

-ih

-eh

-isih

-eseh

deutsch

-ih

-eh

-isih

-eseh

english

-qs

-qf

-tqs

-tqf

espanol または español

-cs

-cb

-tcs

-tcb

italiano または français

-sd

-sb

-dsd

-bsb

portugues

-sqt

-bqt

-stqt

-btqt

ここに示されている大半の言語は西洋クラシック音楽 – Common Practice Period: 西暦1600年から1900年頃のバロック音楽、クラシック音楽、ロマン派音楽とも言えます – に関係があります。しかしながら、他のピッチやチューニング方法もサポートされています: 非西洋音楽の一般的な記譜法 を参照してください。

参照

音楽用語集: Pitch names, Common Practice Period.

記譜法リファレンス: 非西洋音楽の一般的な記譜法

あらかじめイストールされているファイル: ‘scm/define-note-names.scm

コード断片集: ピッチ


1.1.2 複数のピッチを変更する

このセクションではピッチを変更する方法について議論します。


オクターブ チェック

相対モードでは、オクターブ変更記号を付け忘れることが容易に起こり得ます。オクターブ チェックは、予期しないオクターブの音符を見つけた場合に警告を表示してオクターブを修正することによって、そのようなエラーを見つけ出すことをより容易にします。

音符のオクターブをチェックするには、= の後に絶対オクターブを指定します。以下の例は、2 番目の音符の絶対オクターブがオクターブ チェックによって示される d' ではなく d'' であるため、警告を発し (そしてピッチを変更し) ます。

\relative c'' {
  c2 d='4 d
  e2 f
}

[image of music]

音符のオクターブは \octaveCheck controlpitch コマンドでもチェックすることができます。controlpitch は絶対モードで指定されます。これは前の音符と controlpitch との間の音程が 4 度以内であるかどうかをチェックします (つまり、通常の相対モードでの算出方法と同じです)。このチェックが失敗した場合、警告が表示されますが、このチェックの前にある音符は変更されません。その後に続く音符は controlpitch から算出されます。

\relative c'' {
  c2 d
  \octaveCheck c'
  e2 f
}

[image of music]

以下の 2 小節を見てください。1 番目と 3 番目の \octaveCheck は失敗していますが、2 番目のチェックは失敗していません。

\relative c'' {
  c4 f g f

  c4
  \octaveCheck c'
  f
  \octaveCheck c'
  g
  \octaveCheck c'
  f
}

[image of music]

参照

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: RelativeOctaveCheck.


移調

音楽表記は \transpose で移調させることができます。構文は以下の通りです:

\transpose frompitch topitch musicexpr

これは musicexprfrompitch から topitch に移調されるということを意味します: frompitch のピッチの音符はすべて topitch に変更され、他の音符もすべて同じ音程で移調されます。frompitchtopitch のピッチはどちらも絶対モードで指定されます。

Note: \transpose ブロックの中にある音符は、そのブロックの中に \relative が無い限り、絶対モードになります。

D-メジャーの調で書かれた楽曲を思い浮かべてください。この楽曲を E-メジャーに移調することができます。調号も自動的に移調されることに注意してください。

\transpose d e {
  \relative c' {
    \key d \major
    d4 fis a d
  }
}

[image of music]

C (通常の コンサート ピッチ) で書かれたパートを A のクラリネットで演奏する (そのため、A は C として表記され、演奏は表記されたものよりも 3 度低くなります) 場合、そのパート譜は以下のように作り出されます:

\transpose a c' {
  \relative c' {
    \key c \major
    c4 d e g
  }
}

[image of music]

\key c \major を明示的に指定しているということに注意してください。調号を指定しなかった場合、音符は移調されますが、調号は譜刻されません。

\transpose は同音異名のピッチを区別します: \transpose c cis\transpose c des はどちらも半音上に移調します。1 番目の移調はシャープを譜刻し、音符の五線譜上での位置は変わりません。2 番目の移調はフラットを譜刻し、音符の五線譜上での位置は上に上がります。

music = \relative c' { c d e f }
\new Staff {
  \transpose c cis { \music }
  \transpose c des { \music }
}

[image of music]

\transpose は上記とは異なる方法で用いることもでき、それによって移調楽器のために書かれた音符を入力することができます。前の例では C (またはコンサート ピッチ) でピッチを入力して、それらを移調楽器のために譜刻する方法を示しましたが、それとは正反対のことも可能です – 例えば、移調楽器のパート譜から指揮譜を譜刻することです。例えば、E で始まる B-フラットのトランペットの音楽 (コンサート ピッチでは D で始まる音楽) を入力している場合に、指揮譜を作り出すには以下のように記述します:

musicInBflat = { e4 … }
\transpose c bes, \musicInBflat

この音楽を F で譜刻する (例えば、フレンチ ホルンの楽譜にアレンジし直すために) には、既存の音楽をもう 1 つの \transpose で包み込みます:

musicInBflat = { e4 … }
\transpose f c' { \transpose c bes, \musicInBflat }

移調楽器についての更なる情報は、楽器の移調 を参照してください。

Selected Snippets

Transposing pitches with minimum accidentals ("Smart" transpose)

This example uses some Scheme code to enforce enharmonic modifications for notes in order to have the minimum number of accidentals. In this case, the following rules apply:

Double accidentals should be removed

B sharp -> C

E sharp -> F

C flat -> B

F flat -> E

In this manner, the most natural enharmonic notes are chosen.

#(define (naturalize-pitch p)
   (let ((o (ly:pitch-octave p))
         (a (* 4 (ly:pitch-alteration p)))
         ;; alteration, a, in quarter tone steps,
         ;; for historical reasons
         (n (ly:pitch-notename p)))
     (cond
      ((and (> a 1) (or (eq? n 6) (eq? n 2)))
       (set! a (- a 2))
       (set! n (+ n 1)))
      ((and (< a -1) (or (eq? n 0) (eq? n 3)))
       (set! a (+ a 2))
       (set! n (- n 1))))
     (cond
      ((> a 2) (set! a (- a 4)) (set! n (+ n 1)))
      ((< a -2) (set! a (+ a 4)) (set! n (- n 1))))
     (if (< n 0) (begin (set! o (- o 1)) (set! n (+ n 7))))
     (if (> n 6) (begin (set! o (+ o 1)) (set! n (- n 7))))
     (ly:make-pitch o n (/ a 4))))

#(define (naturalize music)
   (let ((es (ly:music-property music 'elements))
         (e (ly:music-property music 'element))
         (p (ly:music-property music 'pitch)))
     (if (pair? es)
         (ly:music-set-property!
          music 'elements
          (map (lambda (x) (naturalize x)) es)))
     (if (ly:music? e)
         (ly:music-set-property!
          music 'element
          (naturalize e)))
     (if (ly:pitch? p)
         (begin
           (set! p (naturalize-pitch p))
           (ly:music-set-property! music 'pitch p)))
     music))

naturalizeMusic =
#(define-music-function (parser location m)
   (ly:music?)
   (naturalize m))

music = \relative c' { c4 d e g }

\score {
  \new Staff {
    \transpose c ais { \music }
    \naturalizeMusic \transpose c ais { \music }
    \transpose c deses { \music }
    \naturalizeMusic \transpose c deses { \music }
  }
  \layout { }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 楽器の移調, 反転, 様式的な変形, 相対オクターブ入力, 逆行

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: TransposedMusic

既知の問題と警告

相対変換コマンドはその引数の中にある \transpose, \chordmode, あるいは \relative セクションには影響を及ぼしません。移調された音楽の中で相対モードを使用するには、\transpose の中に \relative を置く必要があります。

\transpose を使用している場合、3 重の臨時記号は表示されません。代わりに ‘異名等価の’ ピッチが表示されます (例えば e の 3 重フラットの代わりに d フラットが表示されます)。


反転

単一の操作で音楽表記を反転して、移調することができます:

\inversion around-pitch to-pitch musicexpr

The musicexpr の音程は around-pitch を中心に反転され、さらに around-pitchto-pitch にマッピングされるように移調されます。

music = \relative c' { c d e f }
\new Staff {
  \music
  \inversion d' d' \music
  \inversion d' ees' \music
}

[image of music]

Note: 反転されるモチーフは絶対オクターブ形式で記述するか、最初に絶対オクターブ形式に変換されるよう relative ブロックで囲む必要があります。

参照

記譜法リファレンス: 様式的な変形, 逆行, 移調


逆行

音楽表記を後ろから前に演奏する逆行を作り出すことができます:

music = \relative c' { c8. ees16( fis8. a16 b8.) gis16 f8. d16 }

\new Staff {
  \music
  \retrograde \music
}

[image of music]

既知の問題と警告

\retrograde の中にある手動のタイは壊れて警告を発します。自動音符分割 を有効にすることによって自動的に生成させられるタイもあります。

参照

記譜法リファレンス: 反転, 様式的な変形, 移調


様式的な変形

音階に基づく作曲では、モチーフはさまざまなやり方で頻繁に移調されます。これは、モチーフの開始の音程を変えるために 移調 する場合や、旋回点で 反転 する場合があります。 逆行 するために後戻りする場合もあります– 逆行 を参照してください。

Note: 与えられた音階の中に無い音符は、移調されません。

様式的な移調

以下により、与えられた音階でモチーフを移調させることができます:

\modalTranspose from-pitch to-pitch scale motif

motif の音符は scale 内を to-pitchfrom-pitch 間の音程の度数の分だけシフトされます:

diatonicScale = \relative c' { c d e f g a b }
motif = \relative c' { c8 d e f g a b c }

\new Staff {
  \motif
  \modalTranspose c f \diatonicScale \motif
  \modalTranspose c b, \diatonicScale \motif
}

[image of music]

上昇する音階の長さは任意であり、指定する音程も任意です:

pentatonicScale = \relative c' { ges aes bes des ees }
motif = \relative c' { ees8 des ges,4 <ges' bes,> <ges bes,> }

\new Staff {
  \motif
  \modalTranspose ges ees' \pentatonicScale \motif
}

[image of music]

半音階の音階を持つ \modalTranspose を使った時の効果は \transpose と同じですが、使われる音符の名前を特定することが できます:

chromaticScale = \relative c' { c cis d dis e f fis g gis a ais b }
motif = \relative c' { c8 d e f g a b c }

\new Staff {
  \motif
  \transpose c f \motif
  \modalTranspose c f \chromaticScale \motif
}

[image of music]

様式的な反転

モチーフを与えられた音階に従って与えられた旋回点 (音符) で反転させて、 移調させることを 1 つの操作でできます:

\modalInversion around-pitch to-pitch scale motif

motif の音符は scale 内を to-pitchfrom-pitch 間の音程の度数の分だけシフトされます:

motif の音符は scale 内を around-pitch から元の音符までと同じ度数の分だけ逆向きに進んだ位置に配置され、それからその結果は scale 内を to-pitcharound-pitch 間の音程の度数分だけシフトされます。

そのため、単純に音階をある音符で反転させる場合は、around-pitchto-pitch で同じ値を使用します:

octatonicScale = \relative c' { ees f fis gis a b c d }
motif = \relative c' { c8. ees16 fis8. a16 b8. gis16 f8. d16 }

\new Staff {
  \motif
  \modalInversion fis' fis' \octatonicScale \motif
}

[image of music]

音階の中にある 2 つの音符の中間にある旋回点で反転させるには、2 つの音符の 1 つを旋回点として反転させて、音階の 1 度数分だけ移調させます。指定された 2 つの音符が旋回点を囲んでいると解釈することができます:

scale = \relative c' { c g' }
motive = \relative c' { c c g' c, }

\new Staff {
  \motive
  \modalInversion c' g' \scale \motive
}

[image of music]

反転と逆行の操作を組み合わせると逆行-反転になります:

octatonicScale = \relative c' { ees f fis gis a b c d }
motif = \relative c' { c8. ees16 fis8. a16 b8. gis16 f8. d16 }

\new Staff {
  \motif
  \retrograde \modalInversion c' c' \octatonicScale \motif
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 反転, 逆行, 移調


1.1.3 ピッチを表示する

このセクションではピッチの出力を変更する方法について議論します。


音部記号

音部記号を変えることができます。以下のそれぞれの例の中にある音符はすべてミドル C です。例の中にある音部名をダブル クォートで囲むことができます (必須ではありません)。

\clef treble
c2 c
\clef alto
c2 c
\clef tenor
c2 c
\clef bass
c2 c

[image of music]

他の音部記号もあります:

\clef french
c2 c
\clef soprano
c2 c
\clef mezzosoprano
c2 c
\clef baritone
c2 c

\break

\clef varbaritone
c2 c
\clef subbass
c2 c
\clef percussion
c2 c

\break

\clef G   % treble と同義です
c2 c
\clef F   % bass と同義です
c2 c
\clef C   % alto と同義です
c2 c

[image of music]

音部名に _8 または ^8 を付け加えることによって、音部はそれぞれ 1 オクターブ下/上に移調され、_15 または ^15 によって 2 オクターブ移調されます。音部名にアルファベット以外の文字が含まれる場合、音部名をダブル クォートで囲む必要があります。

\clef treble
c2 c
\clef "treble_8"
c2 c
\clef "bass^15"
c2 c
\clef "alto_2"
c2 c
\clef "G_8"
c2 c
\clef "F^5"
c2 c

[image of music]

数字の引数を括弧や角括弧で囲むことで、オプションのオクターブを表示させることができます:

\clef "treble_(8)"
c2 c
\clef "bass^[15]"
c2 c

[image of music]

ピッチは数字の引数が括弧で囲まれていない場合と同じです。

特殊な音部記号については Mensural clefs, Gregorian clefs, デフォルトのタブ譜, それに カスタム タブ譜 で説明します。楽譜の中で合図音符を使用するときに音部記号を変更する場合は、合図音符をフォーマットする\cueClef 関数と \cueDuringWithClef 関数を参照してください。

Selected Snippets

Tweaking clef properties

The command \clef "treble_8" is equivalent to setting clefGlyph, clefPosition (which controls the vertical position of the clef), middleCPosition and clefTransposition. A clef is printed when any of the properties except middleCPosition are changed.

Note that changing the glyph, the position of the clef, or the octavation does not in itself change the position of subsequent notes on the staff: the position of middle C must also be specified to do this. In order to get key signatures on the correct staff lines, middleCClefPosition must also be set. The positional parameters are relative to the staff center line, positive numbers displacing upwards, counting one for each line and space. The clefTransposition value would normally be set to 7, -7, 15 or -15, but other values are valid.

When a clef change takes place at a line break the new clef symbol is printed at both the end of the previous line and the beginning of the new line by default. If the warning clef at the end of the previous line is not required it can be suppressed by setting the Staff property explicitClefVisibility to the value end-of-line-invisible. The default behavior can be recovered with \unset Staff.explicitClefVisibility.

The following examples show the possibilities when setting these properties manually. On the first line, the manual changes preserve the standard relative positioning of clefs and notes, whereas on the second line, they do not.

\layout { ragged-right = ##t }
{
  % The default treble clef
  \key f \major
  c'1
  % The standard bass clef
  \set Staff.clefGlyph = #"clefs.F"
  \set Staff.clefPosition = #2
  \set Staff.middleCPosition = #6
  \set Staff.middleCClefPosition = #6
  \key g \major
  c'1
  % The baritone clef
  \set Staff.clefGlyph = #"clefs.C"
  \set Staff.clefPosition = #4
  \set Staff.middleCPosition = #4
  \set Staff.middleCClefPosition = #4
  \key f \major
  c'1
  % The standard choral tenor clef
  \set Staff.clefGlyph = #"clefs.G"
  \set Staff.clefPosition = #-2
  \set Staff.clefTransposition = #-7
  \set Staff.middleCPosition = #1
  \set Staff.middleCClefPosition = #1
  \key f \major
  c'1
  % A non-standard clef
  \set Staff.clefPosition = #0
  \set Staff.clefTransposition = #0
  \set Staff.middleCPosition = #-4
  \set Staff.middleCClefPosition = #-4
  \key g \major
  c'1 \break

  % The following clef changes do not preserve
  % the normal relationship between notes, key signatures
  % and clefs:

  \set Staff.clefGlyph = #"clefs.F"
  \set Staff.clefPosition = #2
  c'1
  \set Staff.clefGlyph = #"clefs.G"
  c'1
  \set Staff.clefGlyph = #"clefs.C"
  c'1
  \set Staff.clefTransposition = #7
  c'1
  \set Staff.clefTransposition = #0
  \set Staff.clefPosition = #0
  c'1

  % Return to the normal clef:

  \set Staff.middleCPosition = #0
  c'1
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: Mensural clefs, Gregorian clefs, デフォルトのタブ譜, カスタム タブ譜, 合図音符をフォーマットする

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: Clef_engraver, Clef, ClefModifier, clef-interface

既知の問題と警告

音部記号に付けるオクターブ移動の数字は、個別のグラフィカル オブジェクトとして扱われます。このため、Clef に適用される \override は、別の \overrideClefModifier グラフィカル オブジェクトに適用する必要があります。

[image of music]


調号

Note: LilyPond を始めたばかりのユーザはしばしば臨時記号と調号のことで混乱します。LilyPond では、音符名は未加工の入力です。調号と音部記号がこの未加工の入力をどのように表示するかを決定します。c のような変更を加えられていない音符は、調号や音部記号とは無関係に、‘C ナチュラル’ を意味します。更なる情報は、 Accidentals and key signatures を参照してください。

調号は楽曲を演奏すべき調性を示します。調号は譜の先頭で変更記号 (フラットやシャープ) のセットによって示されます。調号は変更されることがあります:

\key pitch mode

調号を pitch-メジャーや pitch-マイナーにするには、mode をそれぞれ \major または \minor にします。さらに標準のモード名 – チャーチ モード とも呼ばれます – を使うこともできます: \ionian, \dorian, \phrygian, \lydian, \mixolydian, \aeolian それに \locrian です。

\key g \major
fis1
f
fis

[image of music]

新たにモードを定義することができます – モードが C で始まる場合、C で始まる音階の各ステップに対する変更記号をリスト アップします。

freygish = #`((0 . ,NATURAL) (1 . ,FLAT) (2 . ,NATURAL)
    (3 . ,NATURAL) (4 . ,NATURAL) (5 . ,FLAT) (6 . ,FLAT))

\relative c' {
  \key c\freygish c4 des e f
  \bar "||" \key d\freygish d es fis g
}

[image of music]

KeySignature のプロパティ flat-positionssharp-positions を用いて、調号の臨時記号を通常とは異なるオクターブに表示させたり、複数のオクターブに表示させることができます。これらのプロパティに渡される値は、臨時記号を表示させる譜ポジションの範囲を指定します。1 つの値だけを渡した場合、その譜ポジションで終了するオクターブの範囲に臨時記号が配置されます。

\override Staff.KeySignature.flat-positions = #'((-5 . 5))
\override Staff.KeyCancellation.flat-positions = #'((-5 . 5))
\clef bass \key es\major es g bes d
\clef treble \bar "||" \key es\major es g bes d

\override Staff.KeySignature.sharp-positions = #'(2)
\bar "||" \key b\major b fis b2

[image of music]

Selected Snippets

Preventing natural signs from being printed when the key signature changes

When the key signature changes, natural signs are automatically printed to cancel any accidentals from previous key signatures. This may be prevented by setting to f the printKeyCancellation property in the Staff context.

\relative c' {
  \key d \major
  a4 b cis d
  \key g \minor
  a4 bes c d
  \set Staff.printKeyCancellation = ##f
  \key d \major
  a4 b cis d
  \key g \minor
  a4 bes c d
}

[image of music]

Non-traditional key signatures

The commonly used \key command sets the keySignature property, in the Staff context.

To create non-standard key signatures, set this property directly. The format of this command is a list:

\set Staff.keySignature = #`(((octave . step) . alter) ((octave . step) . alter) ...) where, for each element in the list, octave specifies the octave (0 being the octave from middle C to the B above), step specifies the note within the octave (0 means C and 6 means B), and alter is ,SHARP ,FLAT ,DOUBLE-SHARP etc. (Note the leading comma.) The accidentals in the key signature will appear in the reverse order to that in which they are specified.

Alternatively, for each item in the list, using the more concise format (step . alter) specifies that the same alteration should hold in all octaves.

For microtonal scales where a “sharp” is not 100 cents, alter refers to the alteration as a proportion of a 200-cent whole tone.

Here is an example of a possible key signature for generating a whole-tone scale:

\relative c' {
  \set Staff.keySignature = #`(((0 . 6) . ,FLAT)
                               ((0 . 5) . ,FLAT)
                               ((0 . 3) . ,SHARP))
  c4 d e fis
  aes4 bes c2
}

[image of music]

参照

音楽用語集: church mode, scordatura

学習マニュアル: Accidentals and key signatures

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: KeyChangeEvent, Key_engraver, Key_performer, KeyCancellation, KeySignature, key-signature-interface


オッターバ囲み

オッターバ囲み は譜をオクターブ単位で移調します:

a2 b
\ottava #-2
a2 b
\ottava #-1
a2 b
\ottava #0
a2 b
\ottava #1
a2 b
\ottava #2
a2 b

[image of music]

Selected Snippets

Ottava text

Internally, \ottava sets the properties ottavation (for example, to 8va or 8vb) and middleCPosition. To override the text of the bracket, set ottavation after invoking \ottava.

{
  \ottava #1
  \set Staff.ottavation = #"8"
  c''1
  \ottava #0
  c'1
  \ottava #1
  \set Staff.ottavation = #"Text"
  c''1
}

[image of music]

参照

音楽用語集: octavation

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: Ottava_spanner_engraver, OttavaBracket, ottava-bracket-interface


楽器の移調

楽器の移調を含む楽器を譜刻するとき、いくつかのパートはコンサート ピッチ とは異なるピッチで譜刻される可能性があります。このような場合、移調楽器 の調を指定すべきです。指定しなければ MIDI 出力や他のパートの出だしのピッチは誤ったものになります。引用についての更なる情報は 他のボイスを引用する を参照してください。

\transposition pitch

\transposition で使用するピッチは、譜に書かれた c' をその移調楽器で演奏したときに聴こえる実際の音に対応したものであるべきです。このピッチは絶対モードで入力します。ですから、楽譜よりも 1 度高い音を出す楽器は \transposition d' を使うべきです。\transposition は、ピッチがコンサート ピッチでは ない ピッチで入力されている場合に のみ 使用すべきです。

バイオリンと B-フラットのクラリネットのための音符をいくつか挙げます。それぞれのパートは、それぞれが指揮譜に刻譜されるときに使用される音符と調を使って入力されています。2 つの楽器は斉奏で演奏しています。

\new GrandStaff <<
  \new Staff = "violin" {
    \relative c'' {
      \set Staff.instrumentName = #"Vln"
      \set Staff.midiInstrument = #"violin"
      % not strictly necessary, but a good reminder
      \transposition c'

      \key c \major
      g4( c8) r c r c4
    }
  }
  \new Staff = "clarinet" {
    \relative c'' {
      \set Staff.instrumentName = \markup { Cl (B\flat) }
      \set Staff.midiInstrument = #"clarinet"
      \transposition bes

      \key d \major
      a4( d8) r d r d4
    }
  }
>>

[image of music]

\transposition は楽曲の途中で変更されることもあります。例えば、クラリネット奏者は A のクラリネットから B-フラットのクラリネットに持ち替えることがあります。

\set Staff.instrumentName = #"Cl (A)"
\key a \major
\transposition a
c d e f
\textLengthOn
<>^\markup { Switch to B\flat clarinet }
R1

\key bes \major
\transposition bes
c2 g

[image of music]

参照

音楽用語集: concert pitch, transposing instrument

記譜法リファレンス: 他のボイスを引用する, 移調

コード断片集: ピッチ


自動臨時記号

臨時記号の譜刻の仕方には多くの異なる規約があります。LilyPond はどの臨時記号スタイルを使用するのかを指定するための関数を提供します。この関数は以下のように呼び出されます:

\new Staff <<
  \accidentalStyle voice
  { … }
>>

指定された臨時記号スタイルは、デフォルトでは、カレントの Staff に適用されます (スタイル pianopiano-cautionary は例外です。これらは以下で説明します)。オプションとして、この関数は 2 つ目の引数をとることができ、それによってスタイルを変更すべき範囲 (スコープ) を指定できます。例えば、カレントの StaffGroup のすべての譜で同じスタイルを使うには、以下のようにします:

\accidentalStyle StaffGroup.voice

サポートされる臨時記号スタイルを以下で示します。それぞれのスタイルを実際に示すために、以下の例を使用します:

musicA = {
  <<
    \relative c' {
      cis'8 fis, bes4 <a cis>8 f bis4 |
      cis2. <c, g'>4 |
    }
    \\
    \relative c' {
      ais'2 cis, |
      fis8 b a4 cis2 |
    }
  >>
}

musicB = {
  \clef bass
  \new Voice {
    \voiceTwo \relative c' {
      <fis, a cis>8[ <fis a cis>
      \change Staff = up
      cis' cis
      \change Staff = down
      <fis, a> <fis a>]
      \showStaffSwitch
      \change Staff = up
      dis'4 |
      \change Staff = down
      <fis, a cis>4 gis <f a d>2 |
    }
  }
}

\new PianoStaff {
  <<
    \context Staff = "up" {
      \accidentalStyle default
      \musicA
    }
    \context Staff = "down" {
      \accidentalStyle default
      \musicB
    }
  >>
}

[image of music]

両方の譜で同じ臨時記号スタイルを使うのなら、この例の最後のブロックを以下で置き換えられます:

\new PianoStaff {
  <<
    \context Staff = "up" {
      %%% 次の行を変更したいスタイルに合わせて変更してください:
      \accidentalStyle Score.default
      \musicA
    }
    \context Staff = "down" {
      \musicB
    }
  >>
}
default

これはデフォルトの譜刻の仕方です。これは 18 世紀の一般的な習慣と一致します: 臨時記号が有効なのは、その臨時記号が発生した小節の終わりまでで、かつ、その臨時記号が発生したオクターブの中だけです。そのため以下の例の中では、第 2 小節の b や最後の c の前にはナチュラル記号は譜刻されていません:

[image of music]

voice

通常の臨時記号の付け方では、臨時記号は Staff レベルで保持されます。しかしながらこのスタイルでは、臨時記号はそれぞれのボイスで別々に譜刻されます。それを除けば、このスタイルの規則は default と同じです。

結果として、あるボイスからの臨時記号は他のボイスでキャンセルされず、これはしばしば望まない結果となります: 以下の例では、2 番目の a をナチュラルで演奏するか、シャープで演奏するかを決定するのは困難です。そのため、voice オプションは、それぞれのボイスが別々の演奏者によって個々に読まれる場合にのみ使用すべきです。譜が 1 人の演奏者によって使用される場合 (例えば、指揮者やピアノ譜の場合)、このスタイルの代わりに modernmodern-cautionary を使用すべきです。

[image of music]

modern

この規則は 20 世紀の一般的な臨時記号の付け方と一致します: この規則はいくつかの余分なナチュラル記号を省略します – 伝統的にダブル シャープの後のシャープに前置されるナチュラル記号と、ダブル フラットの後のフラットに前置されるナチュラル記号を省略します。

modern 規則の臨時記号の付け方は default とほぼ同じですが、あいまいさを避けるための 2 つの規則が追加されます – 一時的な臨時記号が使われると、 その後の小節で (同じオクターブにある音符に対して) キャンセル記号が譜刻され、臨時記号が使われた小節では他のオクターブにある音符にもキャンセル記号が譜刻されます。そのため、上部譜の第 2 小節の中にある bc の前にはナチュラルが付けられています:

[image of music]

modern-cautionary

この規則は modern と似ていますが、忠告的臨時記号として ‘追加の’ 臨時記号が譜刻されます (これは default では譜刻されません)。デフォルトでは、この臨時記号は括弧で囲まれて譜刻されますが、AccidentalSuggestioncautionary-style プロパティを定義することによって小さなサイズで譜刻されることもあり得ます。

[image of music]

modern-voice

この規則はマルチボイス臨時記号として使用されます。演奏家が複数のボイスの中の 1 つのボイスを演奏する場合にも、すべてのボイスを演奏する場合にも使用されます。臨時記号はそれぞれのボイスに対して譜刻されますが、同じ Staff の中であってもボイスをまたいでキャンセルされます。そのため、最後の小節で a がキャンセルされています – なぜなら、前のキャンセルは異なるボイスで行われたからです。さらに下部譜では d がキャンセルされています – その臨時記号は前の小節の異なるボイスで付けられたものだからです:

[image of music]

modern-voice-cautionary

この規則は modern-voice と同じですが、追加の臨時記号 (これは voice では譜刻されません) は忠告として譜刻されます。たとえ default で譜刻されるすべての臨時記号がこの規則でも譜刻されたとしても、それらの臨時記号のいくつかは忠告として譜刻されます。

[image of music]

piano

この規則は 20 世紀のピアノ譜の臨時記号のつけ方を反映しています。このスタイルは modern スタイルと非常によく似ています。しかしながらこのスタイルでは、同じ GrandStaff または PianoStaff の中にある譜をまたがって臨時記号はキャンセルされます。そのため、最後の和音ではすべての音符でキャンセルが行われています。

この臨時記号スタイルは、デフォルトで、GrandStaffPianoStaff に適用されます。

[image of music]

piano-cautionary

この規則は piano と同じですが、追加の臨時記号は忠告として譜刻されます。

[image of music]

neo-modern

この規則は現代音楽での一般的な臨時記号の付け方を再現します: 臨時記号は modern と同じように譜刻されますが、同じ小節の中で臨時記号を付けられた音符と同じ音符が再び現れた場合、その音符にも臨時記号が譜刻されます – ただし、臨時記号を付けられた音符の直後に同じ音符が現れる場合は除きます (訳者: 第 1 小節の下部譜にある 2 つの f には両方とも臨時記号が譜刻されていますが、第 1 小節の上部譜にある 2 つのミドル C は連続しているため、後のミドル C には臨時記号が譜刻されません)。

[image of music]

neo-modern-cautionary

この規則は neo-modern と似ていますが、追加の臨時記号は忠告の臨時記号として譜刻されます。

[image of music]

neo-modern-voice

この規則は、1 つのボイスを演奏する音楽家とすべてのボイスを演奏する音楽家両方のための複数ボイスの臨時記号に使用されます。neo-modern と同様に、臨時記号は各ボイスに譜刻されますが、同じ Staff にあるボイスをまたがるとキャンセルされます。

[image of music]

neo-modern-voice-cautionary

この規則は neo-modern-voice と似ていますが、追加の臨時記号が忠告の臨時記号として譜刻されます。

[image of music]

dodecaphonic

この規則は 20 世紀初頭の作曲家たちによって導入された臨時記号の付け方を反映しています – ナチュラルの音符と非ナチュラルの音符 (訳者: ピアノの白鍵に対応する音符と黒鍵に対応する音符) 間にある上下関係を無効にしようとする試みです。このスタイルでは、すべて の音符にナチュラル記号を含む臨時記号が付けられます。

[image of music]

teaching

この規則は学生向けを意図したものであり、自動的に譜刻される忠告の臨時記号によって容易にスケール譜を作ることを容易にします。臨時記号は modern と同じように譜刻されます。しかしながら、調号によって指定されたすべてのシャープ音、フラット音に対して忠告の臨時記号が譜刻されます – ただし、前の音符の直後にある同じピッチの音符は例外です。

[image of music]

no-reset

この規則は default と同じですが、臨時記号の保持は小節内に限定されず、‘最後まで’ 保持されます:

[image of music]

forget

この規則は no-reset と正反対です: 臨時記号はまったく保持されません – そのため、調号に対応しながら、前にある音楽とは無関係にすべての臨時記号が譜刻されます。

[image of music]

参照

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: Accidental, Accidental_engraver, GrandStaff and PianoStaff, Staff, AccidentalSuggestion, AccidentalPlacement, accidental-suggestion-interface

既知の問題と警告

同時発生する音符はシーケンシャル モードで入力されたものと見なされます。このことが意味するのは、和音の各音符は入力ファイルの中で記述された順に 1 つずつ発生するものとして、和音の臨時記号は譜刻されるということです。これは和音の中の臨時記号が互いに依存関係にある場合に問題となります – この問題はデフォルトの臨時記号スタイルでは発生しません。この問題は、問題となる音符に !? を手動で付け加えることによって解決できます。

臨時記号の忠告的なキャンセルは 1 つ前の小節を見て行われます。しかしながら、\repeat volta N セクションの後にくる \alternative ブロックでは、キャンセルの算出はその前に 譜刻された 小節ではなく、その前に 演奏された 小節を見て行われると演奏者は予想します。以下の例では、2 番目の差し替え小節の中にあるナチュラル c にナチュラル記号は必要ありません。

[image of music]

以下の方法で解決できます: 局部的に臨時記号スタイルを forget に変更する関数を定義します:

forget = #(define-music-function (parser location music) (ly:music?) #{
  \accidentalStyle forget
  #music
  \accidentalStyle modern
#})
{
  \accidentalStyle modern
  \time 2/4
  \repeat volta 2 {
    c'2
  }
  \alternative {
     cis'
     \forget c'
  }
}

[image of music]


音域

用語 音域 (ambitus) は、音楽のある部分の中にあるボイスがとるピッチの範囲を示します。さらに、ある楽器が演奏することができるピッチ範囲を示すこともあるかもしれません。音域をボーカル パートに譜刻することによって、歌い手はそのパートの音域が歌い手の能力と一致するかどうかを容易に見極めることができます。

音域は、楽曲の開始点で、最初の音部記号の近くに記されます。範囲は最低ピッチと最高ピッチを表す 2 つの音符によってグラフィカルに示されます。臨時記号は、その臨時記号が調号の一部でない場合にのみ譜刻されます。

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists "Ambitus_engraver"
  }
}

\relative c'' {
  aes c e2
  cis,1
}

[image of music]

Selected Snippets

Adding ambitus per voice

Ambitus can be added per voice. In this case, the ambitus must be moved manually to prevent collisions.

\new Staff <<
  \new Voice \with {
    \consists "Ambitus_engraver"
  } \relative c'' {
    \override Ambitus.X-offset = #2.0
    \voiceOne
    c4 a d e
    f1
  }
  \new Voice \with {
    \consists "Ambitus_engraver"
  } \relative c' {
    \voiceTwo
    es4 f g as
    b1
  }
>>

[image of music]

Ambitus with multiple voices

Adding the Ambitus_engraver to the Staff context creates a single ambitus per staff, even in the case of staves with multiple voices.

\new Staff \with {
  \consists "Ambitus_engraver"
  }
<<
  \new Voice \relative c'' {
    \voiceOne
    c4 a d e
    f1
  }
  \new Voice \relative c' {
    \voiceTwo
    es4 f g as
    b1
  }
>>

[image of music]

Changing the ambitus gap

It is possible to change the default gap between the ambitus noteheads and the line joining them.

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists "Ambitus_engraver"
  }
}

\new Staff {
  \time 2/4
  % Default setting
  c'4 g''
}

\new Staff {
  \time 2/4
  \override AmbitusLine.gap = #0
  c'4 g''
}

\new Staff {
  \time 2/4
  \override AmbitusLine.gap = #1
  c'4 g''
}

\new Staff {
  \time 2/4
  \override AmbitusLine.gap = #1.5
  c'4 g''
}

[image of music]

参照

音楽用語集: ambitus

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: Ambitus_engraver, Voice, Staff, Ambitus, AmbitusAccidental, AmbitusLine, AmbitusNoteHead, ambitus-interface

既知の問題と警告

複数のボイスがある場合にボイスごとに音域をとることによって生じる音域の衝突を処理するシステムはありません。


1.1.4 符頭

このセクションでは符頭を変更する方法について説明します。


特殊な符頭

符頭を変更することができます:

c4 b
\override NoteHead.style = #'cross
c4 b
\revert NoteHead.style
a b
\override NoteHead.style = #'harmonic
a b
\revert NoteHead.style
c4 d e f

[image of music]

すべての符頭スタイルを調べるには、Note head styles を参照してください。

cross スタイルはさまざまな音楽的意図を表すために使用されます。以下の定義済みコマンドは符頭を譜コンテキストとタブ譜コンテキストで変更し、何らかの音楽的意味を表すために使用することができます:

c4 b
\xNotesOn
 a b c4 b
\xNotesOff
c4 d

[image of music]

この定義済みコマンドの音楽関数は、譜コンテキストやタブ譜コンテキストの和音の内外で使用して、符頭を×の形にすることができます:

c4 b
\xNote { e f }
c b < g \xNote c f > b

[image of music]

\xNote, \xNotesOn それに \xNotesOff の同義語として \deadNote, \deadNotesOn それに \deadNotesOff を使用することができます。dead note という用語はギタリストが一般的に使用します。

また、和音の中でのみ使用できるダイアモンド形のための短縮記法があります:

<c f\harmonic>2 <d a'\harmonic>4 <c g'\harmonic>

[image of music]

定義済みコマンド

\harmonic, \xNotesOn, \xNotesOff, \xNote.

参照

コード断片集: ピッチ

記譜法リファレンス: Note head styles, 和音の音符, ハーモニクスとデッド ノートの指示

内部リファレンス: note-event, Note_heads_engraver, Ledger_line_engraver, NoteHead, LedgerLineSpanner, note-head-interface, ledger-line-spanner-interface


演奏を容易にする記譜法の符頭

‘演奏を容易にする’ 符頭は、符頭の中に音符名を含みます。これは、初心者のための楽譜で使用されます。文字を読みやすくするために、大きなフォント サイズで譜刻すべきです。大きなフォントで譜刻する方法は、譜サイズを設定する を参照してください。

#(set-global-staff-size 26)
\relative c' {
  \easyHeadsOn
  c2 e4 f
  g1
  \easyHeadsOff
  c,1
}

[image of music]

定義済みコマンド

\easyHeadsOn, \easyHeadsOff

Selected Snippets

Numbers as easy note heads

Easy notation note heads use the note-names property of the NoteHead object to determine what appears inside the note head. By overriding this property, it is possible to print numbers representing the scale-degree.

A simple engraver can be created to do this for every note head object it sees.

#(define Ez_numbers_engraver
   (make-engraver
    (acknowledgers
     ((note-head-interface engraver grob source-engraver)
      (let* ((context (ly:translator-context engraver))
	     (tonic-pitch (ly:context-property context 'tonic))
	     (tonic-name (ly:pitch-notename tonic-pitch))
	     (grob-pitch
	      (ly:event-property (event-cause grob) 'pitch))
	     (grob-name (ly:pitch-notename grob-pitch))
	     (delta (modulo (- grob-name tonic-name) 7))
	     (note-names
	      (make-vector 7 (number->string (1+ delta)))))
	(ly:grob-set-property! grob 'note-names note-names))))))

#(set-global-staff-size 26)

\layout {
  ragged-right = ##t
  \context {
    \Voice
    \consists \Ez_numbers_engraver
  }
}

\relative c' {
  \easyHeadsOn
  c4 d e f
  g4 a b c \break

  \key a \major
  a,4 b cis d
  e4 fis gis a \break

  \key d \dorian
  d,4 e f g
  a4 b c d
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 譜サイズを設定する

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: note-event, Note_heads_engraver, NoteHead, note-head-interface


シェイプ符頭

シェイプ ノート記譜法では、符頭の形状は音階の中での音符の位置付けに対応します。この表記は 19 世紀のアメリカの歌集で一般的なものです。シェイプ符頭はセイクリッド ハープ、Southern Harmony、Funk (Harmonica Sacra)、Walker、それに Aiken (Christian Harmony) スタイルで使用されます:

\aikenHeads
c, d e f g2 a b1 c \break
\sacredHarpHeads
c,4 d e f g2 a b1 c \break
\southernHarmonyHeads
c,4 d e f g2 a b1 c \break
\funkHeads
c,4 d e f g2 a b1 c \break
\walkerHeads
c,4 d e f g2 a b1 c \break

[image of music]

符頭の形状は音階の中での位置に対応し、音階のベースは \key コマンドによって決まります。マイナーで記述している場合、符頭の形状を決定する音階ステップはメジャーの場合との相対関係になります:

\key a \minor
\aikenHeads
a b c d e2 f g1 a \break
\aikenHeadsMinor
a,4 b c d e2 f g1 a \break
\sacredHarpHeadsMinor
a,2 b c d \break
\southernHarmonyHeadsMinor
a2 b c d \break
\funkHeadsMinor
a2 b c d \break
\walkerHeadsMinor
a2 b c d \break

[image of music]

定義済みコマンド

\aikenHeads, \aikenHeadsMinor, \funkHeads, \funkHeadsMinor, \sacredHarpHeads, \sacredHarpHeadsMinor, \southernHarmonyHeads, \southernHarmonyHeadsMinor, \walkerHeads, \walkerHeadsMinor

Selected Snippets

Applying note head styles depending on the step of the scale

The shapeNoteStyles property can be used to define various note head styles for each step of the scale (as set by the key signature or the tonic property). This property requires a set of symbols, which can be purely arbitrary (geometrical expressions such as triangle, cross, and xcircle are allowed) or based on old American engraving tradition (some latin note names are also allowed).

That said, to imitate old American song books, there are several predefined note head styles available through shortcut commands such as \aikenHeads or \sacredHarpHeads.

This example shows different ways to obtain shape note heads, and demonstrates the ability to transpose a melody without losing the correspondence between harmonic functions and note head styles.

fragment = {
  \key c \major
  c2 d
  e2 f
  g2 a
  b2 c
}

\new Staff {
  \transpose c d
  \relative c' {
    \set shapeNoteStyles = ##(do re mi fa
                               #f la ti)
    \fragment
  }

  \break

  \relative c' {
    \set shapeNoteStyles = ##(cross triangle fa #f
                               mensural xcircle diamond)
    \fragment
  }
}

[image of music]

すべての符頭スタイルを調べるには、Note head styles を参照してください。

参照

コード断片集: ピッチ

記譜法リファレンス: Note head styles

内部リファレンス: note-event, Note_heads_engraver, NoteHead, note-head-interface


即興

即興はしばしばスラッシュ形の符頭で記されます。そのような表記では、演奏者は好みのピッチを選ぶことができますが、指定されたリズムに従って演奏する必要があります。このような符頭は以下のようにして作成することができます:

\new Voice \with {
  \consists "Pitch_squash_engraver"
} {
  e8 e g a a16( bes) a8 g
  \improvisationOn
  e8 ~
  e2 ~ e8 f4 f8 ~
  f2
  \improvisationOff
  a16( bes) a8 g e
}

[image of music]

定義済みコマンド

\improvisationOn, \improvisationOff

参照

コード断片集: ピッチ

内部リファレンス: Pitch_squash_engraver, Voice, RhythmicStaff


1.2 リズム

[image of music]

このセクションではリズム、休符、演奏時間、連桁、小節について議論します。


1.2.1 リズムを記述する


演奏時間

演奏時間は数とドットで指定されます。演奏時間はその演奏時間の逆数で入力されます。例えば、4 分音符は 4 で入力され (1/4 の音符だから)、半音符は 2 で入力されます (1/2 の音符だから)。全音符よりも長い音符を入力するには、\longa コマンド (全音符の 4 倍) と \breve コマンド (全音符の 2 倍) を使う必要があります。128 分音符のような短い音符を指定することもできます。それよりも短い音価を指定することも可能ですが、必ず連桁付きの音符となります。

\time 8/1
c\longa c\breve c1 c2
c4 c8 c16 c32 c64 c128 c128

[image of music]

同じ例で自動連桁を off にしてみます。

\time 8/1
\autoBeamOff
c\longa c\breve c1 c2
c4 c8 c16 c32 c64 c128 c128

[image of music]

全音符の 8 倍の演奏時間を持つ音符は \maxima を使って入力することができます。しかしながら、これは古代音楽表記でのみサポートされます。詳細は Ancient notation を参照してください。

演奏時間を省略した場合、前に入力された演奏時間にセットされます。最初の音符のデフォルト値は 4 分音符です。

a a a2 a a4 a a1 a

[image of music]

付点音符の演奏時間を得るには、演奏時間の後にドット (.) を置きます。2 重付点音符は 2 つのドットを置き、3 重付点音符は 3 つのドットなどとなります。

a4 b c4. b8 a4. b4.. c8.

[image of music]

演奏時間の中には 2の倍数の演奏時間とドットだけでは表せないものもあります。それらを表すには 2 つかそれ以上の音符をタイでつなげるしかありません。詳細は タイ を参照してください。

歌詞の音節に対して演奏時間を指定する方法、歌詞を音符に揃える方法については 声楽 を参照してください。

オプションとして、音符を音符の演奏時間に厳密に比例させた間隔で配置することができます。このオプションとプロポーショナル表記を制御するその他の設定についての詳細は プロポーショナル ノーテーション を参照してください。

通常、多声でない限り、ドットは譜線を避けるために上に移動させられます。ある特定のドットの移動方向を手動で指定するための定義済みコマンドがあります – 詳細は 向きと配置 を参照してください。

定義済みコマンド

\autoBeamOn, \autoBeamOff, \dotsUp, \dotsDown, \dotsNeutral

Selected Snippets

Alternative breve notes

Breve notes are also available with two vertical lines on each side of the notehead instead of one line and in baroque style.

\relative c'' {
  \time 4/2
  c\breve |
  \override Staff.NoteHead.style = #'altdefault
  b\breve
  \override Staff.NoteHead.style = #'baroque
  b\breve
  \revert Staff.NoteHead.style
  a\breve
}

[image of music]

Changing the number of augmentation dots per note

The number of augmentation dots on a single note can be changed indepently of the dots placed after the note.

\relative c' {
  c4.. a16 r2 |
  \override Dots.dot-count = #4
  c4.. a16 r2 |
  \override Dots.dot-count = #0
  c4.. a16 r2 |
  \revert Dots.dot-count
  c4.. a16 r2 |
}

[image of music]

参照

音楽用語集: breve, longa, maxima, note value, Duration names notes and rests

記譜法リファレンス: 自動連桁, タイ, 符幹, リズムを記述する, 休符を記述する, 声楽, Ancient notation, プロポーショナル ノーテーション

コード断片集: リズム

内部リファレンス: Dots, DotColumn

既知の問題と警告

休符の演奏時間には基本的に限界がありません (最大値としても、最小値としても)。しかしながら、図柄の数には限界があります: 128 分から全音符の 8 倍までの休符を譜刻することができます。


連符

連符はその連符内のすべての音符の演奏時間に分数を掛け合わせる音楽表記によって作られます:

\times fraction { music }

music の演奏時間には分数 fraction が掛け合わされます。分数の分母が音符の上または下に譜刻され、オプションで囲みが付きます。最も一般的な連符は 3 連符であり、3 連符では 3 つの音符が音符 2 つ分の演奏時間を持ちます。そのため、3 連符で指定する分数は 2/3 です。

a2 \tuplet 3/2 { b4 b b }
c4 c \tuplet 3/2 { b4 a g }

[image of music]

連符囲みは手動で譜の上または下に配置することができます – 向きと配置 を参照してください。

連符はネストすることができます:

\autoBeamOff
c4 \tuplet 5/4 { f8 e f \tuplet 3/2 { e[ f g] } } f4

[image of music]

ネストされた連符の演奏開始点が同時である場合に、それらの連符を変更するには \tweak を使う必要があります。

連符囲みを譜刻せずに音符の演奏時間を変更する方法は 演奏時間を変更する を参照してください。

定義済みコマンド

\tupletUp, \tupletDown, \tupletNeutral.

Selected Snippets

Entering several tuplets using only one \tuplet command

The property tupletSpannerDuration sets how long each of the tuplets contained within the brackets after \tuplet should last. Many consecutive tuplets can then be placed within a single \tuplet expression, thus saving typing.

There are several ways to set tupletSpannerDuration. The command \tupletSpan sets it to a given duration, and clears it when instead of a duration \default is specified. Another way is to use an optional argument with \tuplet.

\relative c' {
  \time 2/4
  \tupletSpan 4
  \tuplet 3/2 { c8^"\\tupletSpan 4" c c c c c }
  \tupletSpan \default
  \tuplet 3/2 { c8^"\\tupletSpan \\default" c c c c c }
  \tuplet 3/2 4 { c8^"\\tuplet 3/2 4 {...}" c c c c c }
}

[image of music]

Changing the tuplet number

By default, only the numerator of the tuplet number is printed over the tuplet bracket. Alternatively, num:den of the tuplet number may be printed, or the tuplet number may be suppressed altogether.

\relative c'' {
  \tuplet 3/2 { c8 c c }
  \tuplet 3/2 { c8 c c }
  \override TupletNumber.text = #tuplet-number::calc-fraction-text
  \tuplet 3/2 { c8 c c }
  \omit TupletNumber
  \tuplet 3/2 { c8 c c }
}

[image of music]

Non-default tuplet numbers

LilyPond also provides formatting functions to print tuplet numbers different than the actual fraction, as well as to append a note value to the tuplet number or tuplet fraction.

\relative c'' {
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::non-default-tuplet-denominator-text 7)
  \tuplet 3/2  { c4. c4. c4. c4. }
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::non-default-tuplet-fraction-text 12 7)
  \tuplet 3/2  { c4. c4. c4. c4. }
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::append-note-wrapper
      (tuplet-number::non-default-tuplet-fraction-text 12 7) "8")
  \tuplet 3/2  { c4. c4. c4. c4. }

  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::append-note-wrapper
      tuplet-number::calc-denominator-text "4")
  \tuplet 3/2  { c8 c8 c8 c8 c8 c8 }
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::append-note-wrapper
      tuplet-number::calc-fraction-text "4")
  \tuplet 3/2  { c8 c8 c8 c8 c8 c8 }

  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::fraction-with-notes "4." "8")
  \tuplet 3/2  { c4. c4. c4. c4. }
  \once \override TupletNumber.text =
    #(tuplet-number::non-default-fraction-with-notes 12 "8" 4 "4")
  \tuplet 3/2  { c4. c4. c4. c4. }
}

[image of music]

Controlling tuplet bracket visibility

The default behavior of tuplet-bracket visibility is to print a bracket unless there is a beam of the same length as the tuplet. To control the visibility of tuplet brackets, set the property 'bracket-visibility to either #t (always print a bracket), #f (never print a bracket) or #'if-no-beam (only print a bracket if there is no beam).

music = \relative c'' {
  \tuplet 3/2 { c16[ d e } f8]
  \tuplet 3/2 { c8 d e }
  \tuplet 3/2 { c4 d e }
}

\new Voice {
  \relative c' {
    << \music s4^"default" >>
    \override TupletBracket.bracket-visibility = #'if-no-beam
    << \music s4^"'if-no-beam" >>
    \override TupletBracket.bracket-visibility = ##t
    << \music s4^"#t" >>
    \override TupletBracket.bracket-visibility = ##f
    << \music s4^"#f" >>
  }
}

[image of music]

Permitting line breaks within beamed tuplets

This artificial example shows how both manual and automatic line breaks may be permitted to within a beamed tuplet. Note that such off-beat tuplets have to be beamed manually.

\layout {
  \context {
    \Voice
    % Permit line breaks within tuplets
    \remove "Forbid_line_break_engraver"
    % Allow beams to be broken at line breaks
    \override Beam.breakable = ##t
  }
}
\relative c'' {
  a8
  \repeat unfold 5 { \tuplet 3/2 { c[ b a] } }
  % Insert a manual line break within a tuplet
  \tuplet 3/2 { c[ b \bar "" \break a] }
  \repeat unfold 5 { \tuplet 3/2 { c[ b a] } }
  c8
}

[image of music]

参照

音楽用語集: triplet, tuplet, polymetric

学習マニュアル: Tweaking methods

記譜法リファレンス: 時間管理, 演奏時間を変更する, \tweak コマンド, 多拍子記譜法

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: TupletBracket, TupletNumber, TimeScaledMusic.

既知の問題と警告

譜の先頭に装飾小音符とそれに続く連符を配置する場合でない限り、装飾を連符囲みの中に配置することができます。この特殊な場合では、エラーを避けるためにその装飾小音符を \times コマンドの前に置かなければなりません。

\tempo コマンドを持つ楽曲の先頭で連符を使う場合、 音楽を保持するボイス で説明されているようにその音楽を明示的に \new Voice ブロックの中に入れる必要があります。


演奏時間を変更する

*N/M (または、M が 1 の場合は *N) を演奏時間の後に付け加えることによって、単一の音符、休符、和音の演奏時間を分数 N/M 倍することができます。これは作り出される音符や休符の見た目には影響を与えませんが、変更された演奏時間は小節の中での位置を算出するためと、MIDI 出力での演奏時間を決定するために使用されます。掛け合わせる要素は *L*M/N のように組み合わせることができます。掛け合わせる要素は演奏時間の一部です: 音符の演奏時間が指定されていない場合、前の音符から取ったデフォルトの演奏時間に要素が掛け合わされます。

以下の例では、最初の 3 つの音符で 2 拍ですが、連符囲みは譜刻されていません。

\time 2/4
% 演奏時間を変更して 3 連符にします
a4*2/3 gis a
% 通常の演奏時間
a4 a
% 和音の演奏時間を 2 倍にします
<a d>4*2
% 演奏時間は 4 分音符ですが、見た目は 16 分音符です
b16*4 c4

[image of music]

空白休符の演奏時間も掛け算によって変更できます。これは s1*23 のように多くの小節をスキップする場合に役に立ちます。

同様の方法で分数を使うことで、長く伸びた音楽を圧縮することができます。それによりそれぞれの音符、和音、休符には分数が掛け合わせられたかのようになります。これは楽譜要素の見た目をそのままにして、要素の内部演奏時間に分子/分母を掛け合わせます。ここで、音楽がどのように圧縮され、伸張されるかを示す例を挙げます:

\time 2/4
% 通常の演奏時間
<c a>4 c8 a
% 2/3 を掛けます
\scaleDurations 2/3 {
  <c a f>4. c8 a f
}
% 2 を掛けます
\scaleDurations 2/1 {
  <c' a>4 c8 b
}

[image of music]

このコマンドの応用例の 1 つは多拍子記譜法での使用です。多拍子記譜法 を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: 連符, 不可視の休符, 多拍子記譜法

コード断片集: Rhythms


タイ

タイは同じピッチの隣り合う符頭を結び付けます。タイは音符の演奏時間を伸張する効果があります。

Note: タイを音楽的なフレーズを表す スラーフレージング スラー と混同しないでください。タイは音符の演奏時間を伸ばす働きを持ち、音価を増やすドットに似ています。

タイはチルド記号 ~ を使って入力します:

a2 ~ a

[image of music]

タイは、音符が小節線をまたがる場合か、リズムを表すためにドットを使うことができない場合に使用されます。さらに、以下の例のように音価が小節の区画をまたがる場合にも使用されます (訳者補足: 4/4 拍子では 1 小節は 1/4, 1/4, 1/4, 1/4 の区画に分けられます。下の例の第 2 小節では半音符が区画をまたがっているので良くない書き方であり、第 1 小節のように書くべきです。):

\relative c' {
  r8 c8 ~ c2 r4 |
  r8^"こうすべきではありません" c2 ~ c8 r4
}

[image of music]

小節線をまたいで多くの音符をタイで結び付ける必要がある場合、自動音符分割を使用したほうが簡単かもしれません – 自動音符分割 を参照してください。これは長い音符を自動的に分割して、小節線をまたがる音符をタイで結び付けます。

タイを和音に適用する場合、ピッチが一致する符頭すべてが結ばれます。一致する符頭が無い場合、タイは作成されません。和音の内部にタイを置くことによって、和音の一部だけをタイで結ぶことができます。

<c e g> ~ <c e g>
<c~ e g~ b> <c e g b>

[image of music]

繰り返しの 2 回目の差し替え部分はタイで結ばれた音符で始まっています。そのような繰り返し部分でのタイは以下のように指定する必要があります:

\repeat volta 2 { c g <c e>2 ~ }
\alternative {
  % 1 番目の差し替え部分: 後に続く音符は通常通りタイで結ばれます
  { <c e>2. r4 }
  % 2 番目の差し替え部分: 後に続く音符にはリピート用のタイを付けます
  { <c e>2\repeatTie d4 c } }

[image of music]

L.v. タイ (レセ ヴィブレ: laissez vibrer) は音符を終端で途切れさせないということを示します。ピアノ、ハープ、他の弦楽器、それに打楽器のための楽譜で使用されます。L.v. タイは以下のように入力します:

<c f g>1\laissezVibrer

[image of music]

タイを手動で譜の上または下に配置することができます。 向きと配置 を参照してください。

タイを破線、点線、実線と破線の組み合わせにすることができます。

\tieDotted
c2 ~ c
\tieDashed
c2 ~ c
\tieHalfDashed
c2 ~ c
\tieHalfSolid
c2 ~ c
\tieSolid
c2 ~ c

[image of music]

破線パターンのカスタマイズを指定することができます:

\tieDashPattern #0.3 #0.75
c2 ~ c
\tieDashPattern #0.7 #1.5
c2 ~ c
\tieSolid
c2 ~ c

[image of music]

タイの破線パターン定義の構造は、スラーの破線パターン定義と同じです。複雑な破線パターンについての更なる情報は スラー を参照してください。

譜の中で他のオブジェクトと衝突するタイに対しては、whiteout レイアウト プロパティと layer レイアウト プロパティをオーバライドしてください。

\override Tie.layer = #-2
\override Staff.TimeSignature.layer = #-1
\override Staff.KeySignature.layer = #-1
\override Staff.TimeSignature.whiteout = ##t
\override Staff.KeySignature.whiteout = ##t
b2 b~
\time 3/4
\key a \major
b r4

[image of music]

定義済みコマンド

\tieUp, \tieDown, \tieNeutral, \tieDotted, \tieDashed, \tieDashPattern, \tieHalfDashed, \tieHalfSolid, \tieSolid

Selected Snippets

Using ties with arpeggios

Ties are sometimes used to write out arpeggios. In this case, two tied notes need not be consecutive. This can be achieved by setting the tieWaitForNote property to #t. The same feature is also useful, for example, to tie a tremolo to a chord, but in principle, it can also be used for ordinary consecutive notes.

\relative c' {
  \set tieWaitForNote = ##t
  \grace { c16[ ~ e ~ g] ~ } <c, e g>2
  \repeat tremolo 8 { c32 ~ c' ~ } <c c,>1
  e8 ~ c ~ a ~ f ~ <e' c a f>2
  \tieUp
  c8 ~ a
  \tieDown
  \tieDotted
  g8 ~ c g2
}

[image of music]

Engraving ties manually

Ties may be engraved manually by changing the tie-configuration property of the TieColumn object. The first number indicates the distance from the center of the staff in half staff-spaces, and the second number indicates the direction (1 = up, -1 = down).

\relative c' {
  <c e g>2~ <c e g>
  \override TieColumn.tie-configuration =
    #'((0.0 . 1) (-2.0 . 1) (-4.0 . 1))
  <c e g>2~ <c e g>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: tie, laissez vibrer

記譜法リファレンス: スラー, 自動音符分割

コード断片集: Expressive marks, Rhythms

内部リファレンス: LaissezVibrerTie, LaissezVibrerTieColumn, TieColumn, Tie

既知の問題と警告

タイがアクティブなときに譜を切り換えても斜めのタイは作られません。

タイの最中に音部記号やオクターブを変更することはきちんと定義されていません。そのような場合には、スラーを用いる方が好ましいです。


1.2.2 休符を記述する

休符は音楽表記の中の音楽の一部として入力されます。


休符

休符は音符名 r を持つ音符として入力されます。全休符よりも長い演奏時間を持つ休符には以下に示す定義済みコマンドを使用します:

\new Staff {
  % この 2 本線には意味はありません
  \time 16/1
  \omit Staff.TimeSignature
  % 八全休符を譜刻します。二全休符 4 つと等価です
  r\maxima
  % 四全休符を譜刻します。二全休符 2 つと等価です
  r\longa
  % 二全休符を譜刻します。
  r\breve
  r1 r2 r4 r8 r16 r32 r64 r128
}

[image of music]

全休符 – 小節の中心に置かれます – は複数小節の休符として入力する必要があります。複数小節の休符は多くの小節に対してと同様に単一の小節に対しても使用することができます。詳細は 小節単位の休符 を参照してください。

休符の垂直方向の位置を明示的に指定するには、音符の後に続けて \rest を記述します。その音符が譜上で占める位置に、その音符の演奏時間を持つ休符が配置されます。これは多声部音楽を手動で精密にフォーマットすることを考慮したものです。なぜなら、自動休符フォーマットでは多声部音楽の休符の衝突を回避できないからです。

a4\rest d4\rest

[image of music]

Selected Snippets

Rest styles

Rests may be used in various styles.

\layout {
  indent = 0
  \context {
    \Staff
    \remove "Time_signature_engraver"
  }
}

\new Staff \relative c {
  \cadenzaOn
  \override Staff.Rest.style = #'mensural
  r\maxima^\markup \typewriter { mensural }
  r\longa r\breve r1 r2 r4 r8 r16 s32 s64 s128 s128
  \bar ""

  \override Staff.Rest.style = #'neomensural
  r\maxima^\markup \typewriter { neomensural }
  r\longa r\breve r1 r2 r4 r8 r16 s32 s64 s128 s128
  \bar ""

  \override Staff.Rest.style = #'classical
  r\maxima^\markup \typewriter { classical }
  r\longa r\breve r1 r2 r4 r8 r16 r32 r64 r128 s128
  \bar ""

  \override Staff.Rest.style = #'default
  r\maxima^\markup \typewriter { default }
  r\longa r\breve r1 r2 r4 r8 r16 r32 r64 r128 s128
}

[image of music]

参照

音楽用語集: breve, longa, maxima

記譜法リファレンス: 小節単位の休符

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Rest

既知の問題と警告

休符の演奏時間には基本的に限界がありません (最大値としても、最小値としても)。しかしながら、図柄の数には限界があります: 128 分から全音符の 8 倍までの休符を譜刻することができます。


不可視の休符

不可視の休符 (‘空白休符’ とも呼ばれます) は音符名 s を持つ音符として入力することができます:

c4 c s c
s2 c

[image of music]

空白休符は音符モードと和音モードでのみ利用可能です。他のモードでは、例えば歌詞を入力している場合、音楽モーメントをスキップするには \skip を使用します。\skip は明示的な演奏時間を必要としますが、\addlyrics\lyricsto を使っていて、歌詞が関係するメロディーの音符から演奏時間を得ている場合は無視されます。

<<
  {
    a2 \skip2 a2 a2
  }
  \new Lyrics {
    \lyricmode {
      foo2 \skip 1 bla2
    }
  }
>>

[image of music]

\skip はコマンドであるため、s とは異なり後に続く音符のデフォルト演奏時間には影響を与えません。

<<
  {
    \repeat unfold 8 { a4 }
  }
  {
    a4 \skip 2 a |
    s2 a
  }
>>

[image of music]

空白休符は、音符や休符と同様に、StaffVoice が存在しない場合に、それらを暗黙的に作成します:

s1 s s

[image of music]

\skip はただ音楽的な時間をスキップするだけです。これはいかなる種類の出力も作成しません。

% これは有効な入力ですが、何もしません
\skip 1 \skip1 \skip 1

[image of music]

参照

学習マニュアル: Visibility and color of objects

記譜法リファレンス: 隠された音符, オブジェクトの可視性

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: SkipMusic


小節単位の休符

1 つまたは複数の小節に対する休符は音符名として大文字の R を持つ音符として入力します:

% 休みの小節は 1 つの小節にまとめられます
\compressFullBarRests
R1*4
R1*24
R1*4
b2^"Tutti" b4 a4

[image of music]

小節単位の休符の演奏時間は、音符に対する演奏時間と同じ表記を使います。複数小節にまたがる休符の演奏時間は常に小節の長さの整数倍になります。そのため、しばしばドットや分数を使う必要があります:

\compressFullBarRests
\time 2/4
R1 | R2 |
\time 3/4
R2. | R2.*2 |
\time 13/8
R1*13/8 | R1*13/8*12 |
\time 10/8
R4*5*4 |

[image of music]

1 小節分の休符は、拍子次第で全休符または二全休符のどちらかとして、小節の中央に譜刻されます。

\time 4/4
R1 |
\time 6/4
R1*3/2 |
\time 8/4
R1*2 |

[image of music]

デフォルトでは、複数小節にまたがる休符は休みの小節すべてを明示的に示すように譜刻される楽譜に展開されます。そうする代わりに、複数小節にまたがる休符を複数小節の休符記号を持つ単一の小節として譜刻することもできます – 休みの小節数がその小節の上に譜刻されます。

% デフォルトの振る舞い
\time 3/4 r2. | R2.*2 |
\time 2/4 R2 |
\time 4/4
% 休みの小節を 1 つの小節にまとめます
\compressFullBarRests
r1 | R1*17 | R1*4 |
% 休みの小節を展開します
\expandFullBarRests
\time 3/4
R2.*2 |

[image of music]

マークアップを複数小節にまたがる休符に付け加えることができます。フェルマータを付け加えるための定義済みコマンドとして \fermataMarkup が提供されています。

\compressFullBarRests
\time 3/4
R2.*10^\markup { \italic "ad lib." }
R2.^\fermataMarkup

[image of music]

Note: 複数小節にまたがる休符に付け加えられるマークアップはタイプ MultiMeasureRestText のオブジェクトであり、TextScript ではありません。オーバライドは正しいオブジェクトに対して行わなければなりません。さもないと無視されます。以下の例を見てください。

% この例は誤ったオブジェクト名を指定しているため失敗します
\override TextScript.padding = #5
R1^"wrong"
% この例は正しいオブジェクト名が指定されています
\override MultiMeasureRestText.padding = #5
R1^"right"

[image of music]

複数小節にまたがる休符が \partial 設定の直後にある場合、小節チェックの警告が表示されないかもしれません。

定義済みコマンド

\textLengthOn, \textLengthOff, \fermataMarkup, \compressFullBarRests, \expandFullBarRests

Selected Snippets

Changing form of multi-measure rests

If there are ten or fewer measures of rests, a series of longa and breve rests (called in German “Kirchenpausen” - church rests) is printed within the staff; otherwise a simple line is shown. This default number of ten may be changed by overriding the expand-limit property.

\relative c'' {
  \compressFullBarRests
  R1*2 | R1*5 | R1*9
  \override MultiMeasureRest.expand-limit = #3
  R1*2 | R1*5 | R1*9
}

[image of music]

Positioning multi-measure rests

Unlike ordinary rests, there is no predefined command to change the staff position of a multi-measure rest symbol of either form by attaching it to a note. However, in polyphonic music multi-measure rests in odd-numbered and even-numbered voices are vertically separated. The positioning of multi-measure rests can be controlled as follows:

\relative c'' {
  % Multi-measure rests by default are set under the fourth line
  R1
  % They can be moved using an override
  \override MultiMeasureRest.staff-position = #-2
  R1
  \override MultiMeasureRest.staff-position = #0
  R1
  \override MultiMeasureRest.staff-position = #2
  R1
  \override MultiMeasureRest.staff-position = #3
  R1
  \override MultiMeasureRest.staff-position = #6
  R1
  \revert MultiMeasureRest.staff-position
  \break

  % In two Voices, odd-numbered voices are under the top line
  << { R1 } \\ { a1 } >>
  % Even-numbered voices are under the bottom line
  << { a1 } \\ { R1 } >>
  % Multi-measure rests in both voices remain separate
  << { R1 } \\ { R1 } >>

  % Separating multi-measure rests in more than two voices
  % requires an override
  << { R1 } \\ { R1 } \\
     \once \override MultiMeasureRest.staff-position = #0
     { R1 }
  >>

  % Using compressed bars in multiple voices requires another override
  % in all voices to avoid multiple instances being printed
  \compressFullBarRests
  <<
   \revert MultiMeasureRest.direction
    { R1*3 }
    \\
   \revert MultiMeasureRest.direction
    { R1*3 }
  >>
}

[image of music]

Multi-measure rest markup

Markups attached to a multi-measure rest will be centered above or below it. Long markups attached to multi-measure rests do not cause the measure to expand. To expand a multi-measure rest to fit the markup, use an empty chord with an attached markup before the multi-measure rest.

Text attached to a spacer rest in this way is left-aligned to the position where the note would be placed in the measure, but if the measure length is determined by the length of the text, the text will appear to be centered.

\relative c' {
  \compressFullBarRests
  \textLengthOn
  <>^\markup { [MAJOR GENERAL] }
  R1*19
  <>_\markup { \italic { Cue: ... it is yours } }
  <>^\markup { A }
  R1*30^\markup { [MABEL] }
  \textLengthOff
  c4^\markup { CHORUS } d f c
}

[image of music]

参照

音楽用語集: multi-measure rest

記譜法リファレンス: 演奏時間, テキスト, テキストをフォーマットする, テキスト スクリプト

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: MultiMeasureRest, MultiMeasureRestNumber, MultiMeasureRestText

既知の問題と警告

複数小節にまたがる休符の上に運指記号を配置すると (例えば、R1*10-4)、運指の数字が休みの小節数と衝突する可能性があります。

複数の通常の休符を自動的に単一の複数小節休符にまとめる方法はありません。

複数小節にまたがる休符が休符の衝突を引き起こすことはありません。


1.2.3 リズムを表示する


拍子

拍子は以下のようにセットします:

\time 2/4 c2
\time 3/4 c2.

[image of music]

拍子は楽曲の始まりと拍子が変更されたときに譜刻されます。行の終わりで変更が起こる場合、警告の拍子が行の終わりに譜刻されます。デフォルトの振る舞いを変更することができます。オブジェクトの可視性 を参照してください。

\time 2/4
c2 c
\break
c c
\break
\time 4/4
c c c c

[image of music]

2/2 や 4/4 で使用される拍子は数字を使用するスタイルに変更することができます:

% デフォルトのスタイル
\time 4/4 c1
\time 2/2 c1
% 数字を使うスタイルに変更します
\numericTimeSignature
\time 4/4 c1
\time 2/2 c1
% デフォルトのスタイルに戻します
\defaultTimeSignature
\time 4/4 c1
\time 2/2 c1

[image of music]

定量拍子については Mensural time signatures でカバーされています。

定義済みコマンド

\numericTimeSignature, \defaultTimeSignature

譜刻される拍子を設定することに加えて、\time コマンドは拍子に基づくプロパティ baseMoment, beatStructure, それに beamExceptions のデフォルト値も設定します。これらのプロパティにあらかじめ定義されているデフォルト値は ‘scm/time-signature-settings.scm’ で見つかります。既存のデフォルト値を変更したり、新しいデフォルト値を変更したりすることができます:

\score {
  \new Staff {
    \relative c' {
      \overrideTimeSignatureSettings
        4/4        % timeSignatureFraction
        1/4        % baseMomentFraction
        #'(3 1)    % beatStructure
        #'()       % beamExceptions
      \time 4/4
      \repeat unfold 8 { c8 } |
    }
  }
}

[image of music]

\overrideTimeSignatureSettings は 4 つの引数をとります:

  1. timeSignatureFraction, 拍子を示す分数。
  2. baseMomentFraction, 拍子の基本タイミングの単位となる分子と分母を保持する分数。
  3. beatStructure, 小節の拍構造を示す Scheme リスト。基本タイミングを単位とします。
  4. beamExceptions, 指定された拍子でそれぞれの拍で終了しない連桁の規則を保持する配列リスト。自動連桁の振る舞いを設定する に説明があります。

\overrideTimeSignatureSettings を保持するコンテキストは、その \overrideTimeSignatureSettings 呼び出しが実行される前にインスタンス化されている必要があります。このことは、そのようなコンテキストは明示的にインスタンス化するか、そのコンテキスト内で \overrideTimeSignatureSettings の前に音楽を置いておく必要があるということを意味します:

\score {
  \relative c' {
    % コンテキストがまだインスタンス化されていないため、この呼び出しは失敗します
    \overrideTimeSignatureSettings
      4/4        % timeSignatureFraction
      1/4        % baseMomentFraction
      #'(3 1)    % beatStructure
      #'()       % beamExceptions
    \time 4/4
    c8^\markup {"Beamed (2 2)"}
    \repeat unfold 7 { c8 } |
    % この呼び出しは成功します
    \overrideTimeSignatureSettings
      4/4        % timeSignatureFraction
      1/4        % baseMomentFraction
      #'(3 1)    % beatStructure
      #'()       % beamExceptions
    \time 4/4
    c8^\markup {"Beamed (3 1)"}
    \repeat unfold 7 { c8 } |
  }
}

[image of music]

デフォルトの拍子プロパティ値の変更を元の値に戻すことができます:

\score{
  \relative c' {
    \repeat unfold 8 { c8 } |
    \overrideTimeSignatureSettings
      4/4        % timeSignatureFraction
      1/4        % baseMomentFraction
      #'(3 1)    % beatStructure
      #'()       % beamExceptions
    \time 4/4
    \repeat unfold 8 { c8 } |
    \revertTimeSignatureSettings 4/4
    \time 4/4
    \repeat unfold 8 { c8 } |
  }
}

[image of music]

Timing_translatorDefault_bar_line_engraverScore コンテキストから Staff コンテキストに移動させることにより、異なる譜に対して異なる値のデフォルト拍子プロパティを割り当てることができます。

\score {
  \new StaffGroup <<
     \new Staff {
        \overrideTimeSignatureSettings
          4/4        % timeSignatureFraction
          1/4        % baseMomentFraction
          #'(3 1)    % beatStructure
          #'()       % beamExceptions
        \time 4/4
        \repeat unfold 8 {c''8}
     }
     \new Staff {
        \overrideTimeSignatureSettings
          4/4        % timeSignatureFraction
          1/4        % baseMomentFraction
          #'(1 3)    % beatStructure
          #'()       % beamExceptions
        \time 4/4
        \repeat unfold 8 {c''8}
     }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      \remove "Timing_translator"
      \remove "Default_bar_line_engraver"
    }
    \context {
      \Staff
      \consists "Timing_translator"
      \consists "Default_bar_line_engraver"
    }
  }
}

[image of music]

定義済みコマンド

\numericTimeSignature, \defaultTimeSignature

Selected Snippets

Time signature printing only the numerator as a number (instead of the fraction)

Sometimes, a time signature should not print the whole fraction (e.g. 7/4), but only the numerator (7 in this case). This can be easily done by using \override Staff.TimeSignature.style = #'single-digit to change the style permanently. By using \revert Staff.TimeSignature.style, this setting can be reversed. To apply the single-digit style to only one time signature, use the \override command and prefix it with a \once.

\relative c'' {
  \time 3/4
  c4 c c
  % Change the style permanently
  \override Staff.TimeSignature.style = #'single-digit
  \time 2/4
  c4 c
  \time 3/4
  c4 c c
  % Revert to default style:
  \revert Staff.TimeSignature.style
  \time 2/4
  c4 c
  % single-digit style only for the next time signature
  \once \override Staff.TimeSignature.style = #'single-digit
  \time 5/4
  c4 c c c c
  \time 2/4
  c4 c
}

[image of music]

参照

音楽用語集: time signature

記譜法リファレンス: Mensural time signatures, 時間管理

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: TimeSignature, Timing_translator


メトロノーム記号

基本的なメトロノーム記号は単純に以下のように記述します:

\tempo 4 = 120
c2 d
e4. d8 c2

[image of music]

メトロノーム記号を 2 つの数の範囲として譜刻することもできます:

\tempo 4 = 40 - 46
c4. e8 a4 g
b,2 d4 r

[image of music]

テキストを持つテンポ指示にすこともできます:

\tempo "Allegretto"
c4 e d c
b4. a16 b c4 r4

[image of music]

メトロノーム記号とテキストを組み合わせると、メトロノーム記号は自動的に括弧で囲まれます:

\tempo "Allegro" 4 = 160
g4 c d e
d4 b g2

[image of music]

一般に、テキストを任意のマークアップ オブジェクトにすることができます:

\tempo \markup { \italic Faster } 4 = 132
a8-. r8 b-. r gis-. r a-. r

[image of music]

テキストを伴わないメトロノーム記号を括弧で囲むには、空の文字列を含めて記述します:

\tempo "" 8 = 96
d4 g e c

[image of music]

Selected Snippets

Printing metronome and rehearsal marks below the staff

By default, metronome and rehearsal marks are printed above the staff. To place them below the staff simply set the direction property of MetronomeMark or RehearsalMark appropriately.

\layout { ragged-right = ##f }

{
  % Metronome marks below the staff
  \override Score.MetronomeMark.direction = #DOWN
  \tempo 8. = 120
  c''1

  % Rehearsal marks below the staff
  \override Score.RehearsalMark.direction = #DOWN
  \mark \default
  c''1
}

[image of music]

Changing the tempo without a metronome mark

To change the tempo in MIDI output without printing anything, make the metronome mark invisible.

\score {
  \new Staff \relative c' {
    \tempo 4 = 160
    c4 e g b
    c4 b d c
    \set Score.tempoHideNote = ##t
    \tempo 4 = 96
    d,4 fis a cis
    d4 cis e d
  }
  \layout { }
  \midi { }
}

[image of music]

Creating metronome marks in markup mode

New metronome marks can be created in markup mode, but they will not change the tempo in MIDI output.

\relative c' {
  \tempo \markup {
    \concat {
      (
      \smaller \general-align #Y #DOWN \note #"16." #1
      " = "
      \smaller \general-align #Y #DOWN \note #"8" #1
      )
    }
  }
  c1
  c4 c' c,2
}

[image of music]

詳細は テキストをフォーマットする を参照してください。

参照

音楽用語集: metronome, metronomic indication, tempo indication, metronome mark

記譜法リファレンス: テキストをフォーマットする, MIDI 出力

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: MetronomeMark


上拍

弱拍上拍 などのような部分小節またはピックアップ小節は、\partial コマンドを使って入力します:

\partial duration

duration は、最初の完全な長さを持つ小節の前に置かれる小節の長さです:

\time 3/4
\partial 8
e8 | a4 c8 b c4 |

[image of music]

duration は、完全な長さを持つ小節より短い演奏時間であれば、任意の値を取ることができます:

\time 3/4
\partial 4.
r4 e8 | a4 c8 b c4 |

[image of music]

\partial duration を以下のように記述することもできます:

\set Timing.measurePosition -duration

この場合、\partial 8 は以下のようになります:

\time 3/4
\set Timing.measurePosition = #(ly:make-moment -1/8)
e8 | a4 c8 b c4 |

[image of music]

プロパティ measurePosition は、ある時点でその小節はどれくらい演奏済みになっているかを示す有理数を保持します。このプロパティは \partial によって負の数にセットされるということに注意してください: すなわち、\partial 4 は内部的に -4 に翻訳され、“その小節には 4 分音符が残っている” という意味になります。

参照

音楽用語集: anacrusis

記譜法リファレンス: 装飾小音符

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Timing_translator

既知の問題と警告

\partial コマンドは楽曲の開始時でのみ使用すべきです。楽曲の途中でこのコマンドを使用した場合、警告や問題が発生する可能性があります。曲の途中では \partial の代わりに \set Timing.measurePosition を使用してください。

\time 6/8
\partial 8
e8 | a4 c8 b[ c b] |
\set Timing.measurePosition = #(ly:make-moment -1/4)
r8 e,8 | a4 c8 b[ c b] |

[image of music]


無韻律の音楽

韻律のある音楽では、自動的に小節線が挿入され、小節番号が算出されます。無韻律の音楽 (例えばカデンツァ) では、これは望ましくなく、コマンド \cadenzaOn を用いて ‘スイッチ off’ することができます。‘スイッチ on’ に戻すには、適切な場所で \cadenzaOff を用います。

c4 d e d
\cadenzaOn
c4 c d8[ d d] f4 g4.
\cadenzaOff
\bar "|"
d4 e d c

[image of music]

カデンツァが終わると、小節番号が再開されます。

% すべての小節番号を表示します
\override Score.BarNumber.break-visibility = #all-visible
c4 d e d
\cadenzaOn
c4 c d8[ d d] f4 g4.
\cadenzaOff
\bar "|"
d4 e d c

[image of music]

カデンツァの中に \bar コマンドを挿入したとしても、新しい小節が始まることはありません。そのため、注意喚起のための臨時記号は手動で挿入する必要があります。臨時記号 を参照してください。

自動連桁は \cadenzaOn で off になり、\cadenzaOff で on になります。このため、カデンツァ内の連桁はすべて手動で入力する必要があります (手動連桁)。

c4 d e d
\cadenzaOn
cis4 d cis d
\bar "|"
cis4 d cis! d
\cadenzaOff
\bar "|"

[image of music]

自動連桁は \cadenzaOn によって off になります。そのため、カデンツァの中に連桁を挿入するには手動で行う必要があります。手動連桁 を参照してください。

\repeat unfold 8 { c8 }
\cadenzaOn
cis8 c c c c
\bar"|"
c8 c c
\cadenzaOff
\repeat unfold 8 { c8 }

[image of music]

+These predefined commands affect all staves in the score, even when +placed in just one Voice context. To change this, move the +Timing_translator from the Score context to the +Staff context. See 多拍子記譜法. これらの定義済みコマンドは、たとえ Voice コンテキストの 1 つの中に配置したとしても、楽譜の中にあるすべての譜に影響を与えます。これを変更するには、Timing_translatorScore コンテキストから Staff コンテキストに移動させます。多拍子記譜法 を参照してください。

定義済みコマンド

\cadenzaOn, \cadenzaOff

参照

音楽用語集: cadenza

記譜法リファレンス: オブジェクトの可視性, 多拍子記譜法, 手動連桁, 臨時記号

コード断片集: Rhythms

既知の問題と警告

自動の改行と改ページが挿入されるのは小節線のある場所だけです。そのため、長い無韻律の音楽で改行や改ページを行うには手動で ‘不可視の’ 小節線を挿入する必要があります:

\bar ""

\cadenzaOn で楽曲を始める場合、Voice コンテキストを明示的に作成すべきです。さもないと、予期しないエラーが発生する可能性があります。

\new Voice {
  \relative c' {
    \cadenzaOn
    c16[^"Solo Free Time" d e f] g2.
    \bar "||"
    \cadenzaOff
  }
}

多拍子記譜法

多拍子記譜法がサポートされます。 複合拍子記譜法がサポートされます。明示的な複合拍子と、拍子指定を変更して音符の演奏時間を伸縮することによる複合拍子のどちらもです。

それぞれの譜は異なる拍子を持ち、小節の長さは等価である場合

各譜共通の拍子記号をセットして、timeSignatureFraction にお望みの分数をセットします。それから、\scaleDurations 関数を用いて共通の拍子記号に対する 各譜の音符の演奏時間を伸縮させます。

以下の例では、拍子記号 3/4, 9/8, それに 10/8 の音楽が並列しています。2 番目の譜では示された演奏時間に 2/3 が掛けられ (なぜなら、2/3 * 9/8 = 3/4 だからです)、3 番目の譜では示された演奏時間に 3/5 が掛けられます (なぜなら、3/5 * 10/8 = 3/4 だからです)。演奏時間の伸縮は自動連桁の規則に影響を与えるため、手動で連桁を付ける必要があるかもしれません。

\relative c' <<
  \new Staff {
    \time 3/4
    c4 c c |
    c4 c c |
  }
  \new Staff {
    \time 3/4
    \set Staff.timeSignatureFraction = 9/8
    \scaleDurations 2/3
      \repeat unfold 6 { c8[ c c] }
  }
  \new Staff {
    \time 3/4
    \set Staff.timeSignatureFraction = 10/8
    \scaleDurations 3/5 {
      \repeat unfold 2 { c8[ c c] }
      \repeat unfold 2 { c8[ c] } |
      c4. c \tuplet 3/2 { c8[ c c] } c4
    }
  }
>>

[image of music]

それぞれの譜は異なる拍子を持ち、小節の長さは等価ではない場合

Timing_translatorDefault_bar_line_engraverStaff コンテキストに移すことによって、それぞれの譜に独立した拍子を与えることができます。

\layout {
  \context {
    \Score
    \remove "Timing_translator"
    \remove "Default_bar_line_engraver"
  }
  \context {
    \Staff
    \consists "Timing_translator"
    \consists "Default_bar_line_engraver"
  }
}

% 以上で、各譜はそれぞれに拍子を持つようになります

\relative c' <<
  \new Staff {
    \time 3/4
    c4 c c |
    c4 c c |
  }
  \new Staff {
    \time 2/4
    c4 c |
    c4 c |
    c4 c |
  }
  \new Staff {
    \time 3/8
    c4. |
    c8 c c |
    c4. |
    c8 c c |
  }
>>

[image of music]

複合拍子記号

複合拍子記号は \compoundMeter を用いて作成します。構文は以下の通りです:

\compoundMeter #'(list of lists)

最も簡単な構成は単一のリストであり、リストの 最後の 数字が拍子記号の分母になります。

\relative c' {
  \compoundMeter #'((2 2 2 8))
  \repeat unfold 6 c8 \repeat unfold 12 c16
}

[image of music]

リストを追加することでより複雑な拍子を構築することができます。また、この関数で指定された値に基づいて自動連桁の設定は調節されます。

\relative c' {
  \compoundMeter #'((1 4) (3 8))
  \repeat unfold 5 c8 \repeat unfold 10 c16
}

\relative c' {
  \compoundMeter #'((1 2 3 8) (3 4))
  \repeat unfold 12 c8
}

[image of music]

参照

音楽用語集: polymetric, polymetric time signature, meter

記譜法リファレンス: 自動連桁, 手動連桁, 拍子, 演奏時間を変更する

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: TimeSignature, Timing_translator, Default_bar_line_engraver, Staff

既知の問題と警告

異なる拍子を持つ譜が並列に並べられている場合、同時に起こる音符の水平方向の位置は同じになります。しかしながら、それぞれの譜の小節線により、音符の間隔は通常の異なる拍子が無い場合よりも不規則になります。


自動音符分割

小節線をまたがる長い音符を自動的にタイで結ばれた音符に変換することができます。これを行うには、Note_heads_engraverCompletion_heads_engraver で置き換えます。同様に、小節線をまたがる長い休符を自動的に分割することができます。 これを行うには、Rest_engraverCompletion_rest_engraver で置き換えます。以下の例では、小節線をまたがる音符と休符は分割され、音符はされにタイで結ばれています。

\new Voice \with {
  \remove "Note_heads_engraver"
  \consists "Completion_heads_engraver"
  \remove "Rest_engraver"
  \consists "Completion_rest_engraver"
}

{ c2. c8 d4 e f g a b c8 c2 b4 a g16 f4 e d c8. c2 r1*2 }

[image of music]

これらのエングラーバは進行中の音符と休符をすべて小節線のところで分割して、音符に対してはタイを挿入します。これらのエングラーバの用途の 1 つに複雑な楽譜のデバッグがあります: 何小節かで音符がきちんと満たされていない場合、このエングラーバで挿入されたタイが、それぞれの小節の狂いを示します。

参照

音楽用語集: tie

学習マニュアル: Engravers explained, Adding and removing engravers

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Note_heads_engraver, Completion_heads_engraver, Rest_engraver, Completion_rest_engraver, Forbid_line_break_engraver

既知の問題と警告

すべての演奏時間を通常の音符と付点で正確に表すことはできません (特に、連符を含んでいる場合) が、Completion_heads_engraver が連符を挿入することはありません。

Completion_heads_engraver は音符にだけ作用します。休符を分割することはありません。


旋律のリズムを示す

しばしば旋律のリズムだけを示したいことがあります。これはリズム譜を使うことで達成できます。そのような譜上にある音符のピッチはすべて破棄され、その譜自体は 1 本の線を持ちます:

<<
  \new RhythmicStaff {
    \new Voice = "myRhythm" {
      \time 4/4
      c4 e8 f g2
      r4 g g f
      g1
    }
  }
  \new Lyrics {
    \lyricsto "myRhythm" {
      This is my song
      I like to sing
    }
  }
>>

[image of music]

ギター コード表はしばしばつま弾き (ストラム) のリズムを示します。これは Pitch_squash_engraver\improvisationOn を使うことで達成できます。

<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 f g c
    }
  }
  \new Voice \with {
    \consists "Pitch_squash_engraver"
  } \relative c'' {
    \improvisationOn
    c4 c8 c c4 c8 c
    f4 f8 f f4 f8 f
    g4 g8 g g4 g8 g
    c4 c8 c c4 c8 c
  }
>>

[image of music]

定義済みコマンド

\improvisationOn, \improvisationOff

Selected Snippets

Guitar strum rhythms

For guitar music, it is possible to show strum rhythms, along with melody notes, chord names and fret diagrams.

\include "predefined-guitar-fretboards.ly"
<<
  \new ChordNames {
    \chordmode {
      c1 | f | g | c
    }
  }
  \new FretBoards {
    \chordmode {
      c1 | f | g | c
    }
  }
  \new Voice \with {
    \consists "Pitch_squash_engraver"
  } {
    \relative c'' {
      \improvisationOn
      c4 c8 c c4 c8 c
      f4 f8 f f4 f8 f
      g4 g8 g g4 g8 g
      c4 c8 c c4 c8 c
    }
  }
  \new Voice = "melody" {
    \relative c'' {
      c2 e4 e4
      f2. r4
      g2. a4
      e4 c2.
    }
  }
  \new Lyrics {
    \lyricsto "melody" {
      This is my song.
      I like to sing.
    }
  }
>>

[image of music]

参照

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: RhythmicStaff, Pitch_squash_engraver


1.2.4 連桁


自動連桁

デフォルトでは、連桁は自動的に挿入されます:

\time 2/4 c8 c c c
\time 6/8 c8 c c c8. c16 c8

[image of music]

自動的に決定される連桁が満足いかないものである場合、明示的に連桁を挿入することが可能です – 手動連桁 を参照してください。連桁を休符の上まで伸ばそうと意図しているのなら、連桁を手動で挿入する 必要があります

自動連桁を必要としない場合、\autoBeamOff で off にすることができ、\autoBeamOn で on にすることができます:

c4 c8 c8. c16 c8. c16 c8
\autoBeamOff
c4 c8 c8. c16 c8.
\autoBeamOn
c16 c8

[image of music]

Note: 歌曲の中でメリスマを表すために連桁を使用する場合、autoBeamOff で自動連桁を off にして、手動で連桁を示すべきです。\partcombine\autoBeamOff と一緒に用いると予期しない結果になる可能性があります。詳細はコード断片集を参照してください。

自動的に挿入されるデフォルトの連桁とは異なるパターンの連桁を作成することができます – 自動連桁の振る舞いを設定する を参照してください。

定義済みコマンド

\autoBeamOff, \autoBeamOn

Selected Snippets

Beams across line breaks

Line breaks are normally forbidden when beams cross bar lines. This behavior can be changed as shown:

\relative c'' {
  \override Beam.breakable = ##t
  c8 c[ c] c[ c] c[ c] c[ \break
  c8] c[ c] c[ c] c[ c] c
}

[image of music]

Changing beam knee gap

Kneed beams are inserted automatically when a large gap is detected between the note heads. This behavior can be tuned through the auto-knee-gap property. A kneed beam is drawn if the gap is larger than the value of auto-knee-gap plus the width of the beam object (which depends on the duration of the notes and the slope of the beam). By default auto-knee-gap is set to 5.5 staff spaces.

{
  f8 f''8 f8 f''8
  \override Beam.auto-knee-gap = #6
  f8 f''8 f8 f''8
}

[image of music]

Partcombine and autoBeamOff

The function of \autoBeamOff when used with \partcombine can be difficult to understand.

It may be preferable to use

\set Staff.autoBeaming = ##f

instead, to ensure that autobeaming will be turned off for the entire staff.

\partcombine apparently works with 3 voices – stem up single, stem down single, stem up combined.

An \autoBeamOff call in the first argument to partcombine will apply to the voice that is active at the time the call is processed, either stem up single or stem up combined. An \autoBeamOff call in the second argument will apply to the voice that is stem down single.

In order to use \autoBeamOff to stop all autobeaming when used with \partcombine, it will be necessary to use three calls to \autoBeamOff.

{
  %\set Staff.autoBeaming = ##f % turns off all autobeaming
  \partcombine
  {
    \autoBeamOff % applies to split up stems
    \repeat unfold 4 a'16
    %\autoBeamOff % applies to combined up stems
    \repeat unfold 4 a'8
    \repeat unfold 4 a'16
  }
  {
    \autoBeamOff % applies to down stems
    \repeat unfold 4 f'8
    \repeat unfold 8 f'16 |
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 手動連桁, 自動連桁の振る舞いを設定する.

インストールされているファイル: ‘scm/auto-beam.scm

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Auto_beam_engraver, Beam_engraver, Beam, BeamEvent, BeamForbidEvent, beam-interface, unbreakable-spanner-interface

既知の問題と警告

連桁のプロパティは連桁構築の開始時に決定され、その後から連桁の完了までの間に追加された連桁プロパティの変更は 次の 連桁から影響を与えます。


自動連桁の振る舞いを設定する

たいていの場合、自動連桁は拍の終わりで終了します。拍の終了点はコンテキスト プロパティ baseMomentbeatStructure によって決定されます。beatStructurebaseMoment を単位とする小節の各拍の長さを定義する Scheme リストです。デフォルトでは、baseMoment は ‘1/拍子の分母’ です。デフォルトでは、各拍の長さは baseMoment です。

\time 5/16
c16^"default" c c c c |
\set Timing.beatStructure = #'(2 3)
c16^"(2+3)" c c c c |
\set Timing.beatStructure = #'(3 2)
c16^"(3+2)" c c c c |

[image of music]

連桁の設定変更をある特定のテキストに限定することができます。下位コンテキストに連桁の設定が含まれない場合、そのコンテキストを囲んでいる上位コンテキストの設定が適用されます。

\new Staff {
  \time 7/8
  \set Staff.beatStructure = #'(2 3 2)
  <<
    \new Voice = one {
      \relative c'' {
        a8 a a a a a a
      }
    }
    \new Voice = two {
      \relative c' {
        \voiceTwo
        \set Voice.beatStructure = #'(1 3 3)
        f8 f f f f f f
      }
    }
  >>
}

[image of music]

譜で複数のボイスが使用されている場合に連桁設定を譜のすべてのボイスに適用するには、Staff コンテキストで設定を行う必要があります:

\time 7/8
% リズム 3-1-1-2
% デフォルトで連桁設定の変更は Voice に適用され、うまくいきません
% なぜなら、自動生成されるボイスで、すべての拍は baseMoment (1 . 8) だからです
\set beatStructure = #'(3 1 1 2)
<< {a8 a a a16 a a a a8 a} \\ {f4. f8 f f f} >>

% コンテキスト Staff を指定するとうまくいきます
\set Staff.beatStructure = #'(3 1 1 2)
<< {a8 a a a16 a a a a8 a} \\ {f4. f8 f f f} >>

[image of music]

baseMoment の値を調整することで、連桁の振る舞いを変更することができます。baseMoment の値を変更した場合、beatStructure に新しい baseMoment と矛盾しない値を設定する必要があります。

\time 5/8
\set Timing.baseMoment = #(ly:make-moment 1/16)
\set Timing.beatStructure = #'(7 3)
\repeat unfold 10 { a16 }

[image of music]

beatLengthmoment – 演奏時間の単位 – です。タイプ momento の量は Scheme 関数 ly:make-moment によって作り出されます。この関数についての更なる情報は 時間管理 を参照してください。

デフォルトでは、baseMoment には「1/拍子の分母」がセットされています。このデフォルトの例外は ‘scm/time-signature-settings.scm’ で見つかります。

特殊な自動連桁規則 (連桁の終わりが拍に従わないもの) はプロパティ beamExceptions に定義します。

\time 3/16
\set Timing.beatStructure = #'(2 1)
\set Timing.beamExceptions =
  #'(                         ;start of alist
     (end .                   ;entry for end of beams
      (                       ;start of alist of end points
       ((1 . 32) . (2 2 2))   ;rule for 1/32 beams -- end each 1/16
      )))                     %close all entries
c16 c c |
\repeat unfold 6 { c32 } |

[image of music]

beamExceptions は規則タイプのキーと連桁規則の値を持つ配列リストです。

現時点で、利用可能な唯一の規則タイプの値は、連桁の終わりのための 'end です。

連桁規則は、連桁タイプとその連桁タイプの最短演奏時間の音符を保持する連桁に適用されるグループ化の仕方を示す Scheme 配列リスト (あるいはペアのリスト) です。

#'((beam-type1 . grouping-1)
   (beam-type2 . grouping-2)
   (beam-type3 . grouping-3))

連桁タイプは、その連桁の演奏時間を示す Scheme ペアであり、例えば (1 . 16) です。

Note: beamExceptions の値は 完全な 例外リストである必要があります。つまり、その設定には適用されるべき例外がすべて含まれている必要があります。例外の 1 つだけを追加、削除、変更することはできません。このことは扱い難いように思えるかもしれませんが、新しい連桁パターンを指定する際に現在の連桁設定を知る必要がないということを意味します。

拍子が変更されると、Timing.baseMoment, Timing.beatStructure, それに Timing.beamExceptions のデフォルト値が設定されます。拍子を設定すると、その Timing コンテキストの自動連桁設定はデフォルトの振る舞いにリセットされます。

\time 6/8
\repeat unfold 6 { a8 }
% (4 + 2) にグループ化します
\set Timing.beatStructure = #'(4 2)
\repeat unfold 6 { a8 }
% デフォルトの振る舞いに戻ります
\time 6/8
\repeat unfold 6 { a8 }

[image of music]

ある拍子に対するデフォルトの自動連桁設定は ‘scm/beam-settings.scm’ の中で決定されます。ある拍子に対する自動連桁のデフォルト設定を変更する方法は 拍子 で説明しています。

ある拍子に対する自動連桁設定の多くには beamExceptions が登録されています。例えば、4/4 拍子は 16 分音符しかない小節を 2 つの連桁で囲もうとします。beamExceptions がリセットされていなければ、beamExceptions 規則は beatStructure 設定をオーバライドすることができます。

\time 4/4
\set Timing.baseMoment = #(ly:make-moment 1/8)
\set Timing.beatStructure = #'(3 3 2)
% 以下は beamExceptions のため、(3 3 2) の連桁にはなりません
\repeat unfold 8 {c8} |
% 以下は beamExceptions をクリアするため、(3 3 2) の連桁になります
\set Timing.beamExceptions = #'()
\repeat unfold 8 {c8}

[image of music]

同様に、3/4 拍子はデフォルトで 8 分音符しかない小節を 1 つの連桁で囲みます。3/4 拍子の 8 分音符に拍毎の連桁を付けるには、beamExceptions をリセットします。

\time 3/4
% beamExceptions により、デフォルトで (6) の連桁を付けます
\repeat unfold 6 {a8} |
% beatLength により、これは (1 1 1) の連桁を付けます
\set Timing.beamExceptions = #'()
\repeat unfold 6 {a8}

[image of music]

ロマン派や古典派時代の譜刻では、3/4 拍子の小節の途中から連桁が始まることがありますが、誤った 6/8 拍子の印象を与えるため現代の習慣では用いません (Gould の 153 ページを参照してください)。3/8 拍子でも同様の状況が発生します。この振る舞いはコンテキスト プロパティ beamHalfMeasure によって制御されます – これは分子が 3 の拍子記号の場合にのみ効果を持ちます:

\time 3/4
r4. a8 a a |
\set Timing.beamHalfMeasure = ##f
r4. a8 a a |

[image of music]

自動連桁はどのように機能するのか

自動連桁が有効である場合、自動連桁の配置はコンテキスト プロパティ baseMoment, beatStructure, それに beamExceptions によって決定されます。

連桁の配置を決定する際、以下の規則が並び順の優先度で適用されます:

上記の規則で、連桁タイプ は連桁でグループ化された音符の最短演奏時間です。

デフォルトの連桁規則は ‘scm/time-signature-settings.scm’ の中にあります。

Selected Snippets

Subdividing beams

The beams of consecutive 16th (or shorter) notes are, by default, not subdivided. That is, the three (or more) beams stretch unbroken over entire groups of notes. This behavior can be modified to subdivide the beams into sub-groups by setting the property subdivideBeams. When set, multiple beams will be subdivided at intervals defined by the current value of baseMoment by reducing the multiple beams to just one beam between the sub-groups. Note that baseMoment defaults to one over the denominator of the current time signature if not set explicitly. It must be set to a fraction giving the duration of the beam sub-group using the ly:make-moment function, as shown in this snippet. Also, when baseMoment is changed, beatStructure should also be changed to match the new baseMoment:

\relative c'' {
  c32[ c c c c c c c]
  \set subdivideBeams = ##t
  c32[ c c c c c c c]

  % Set beam sub-group length to an eighth note
  \set baseMoment = #(ly:make-moment 1/8)
  \set beatStructure = #'(2 2 2 2)
  c32[ c c c c c c c]

  % Set beam sub-group length to a sixteenth note
  \set baseMoment = #(ly:make-moment 1/16)
  \set beatStructure = #'(4 4 4 4)
  c32[ c c c c c c c]
}

[image of music]

Strict beat beaming

Beamlets can be set to point in the direction of the beat to which they belong. The first beam avoids sticking out flags (the default); the second beam strictly follows the beat.

\relative c'' {
  \time 6/8
  a8. a16 a a
  \set strictBeatBeaming = ##t
  a8. a16 a a
}

[image of music]

Conducting signs measure grouping signs

Beat grouping within a measure is controlled by the context property beatStructure. Values of beatStructure are established for many time signatures in ‘scm/time-signature-settings.scm’. Values of beatStructure can be changed or set with \set. Alternatively, \time can be used to both set the time signature and establish the beat structure. For this, you specify the internal grouping of beats in a measure as a list of numbers (in Scheme syntax) before the time signature.

\time applies to the Timing context, so it will not reset values of beatStructure or baseMoment that are set in other lower-level contexts, such as Voice.

If the Measure_grouping_engraver is included in one of the display contexts, measure grouping signs will be created. Such signs ease reading rhythmically complex modern music. In the example, the 9/8 measure is grouped in two different patterns using the two different methods, while the 5/8 measure is grouped according to the default setting in ‘scm/time-signature-settings.scm’:

\score {
  \new Voice \relative c'' {
    \time 9/8
    g8 g d d g g a( bes g) |
    \set Timing.beatStructure = #'(2 2 2 3)
    g8 g d d g g a( bes g) |
    \time #'(4 5) 9/8
    g8 g d d g g a( bes g) |
    \time 5/8
    a4. g4 |
  }
  \layout {
    \context {
      \Staff
      \consists "Measure_grouping_engraver"
    }
  }
}

[image of music]

Beam endings in Score context

Beam-ending rules specified in the Score context apply to all staves, but can be modified at both Staff and Voice levels:

\relative c'' {
  \time 5/4
  % Set default beaming for all staves
  \set Score.baseMoment = #(ly:make-moment 1/8)
  \set Score.beatStructure = #'(3 4 3)
  <<
    \new Staff {
      c8 c c c c c c c c c
    }
    \new Staff {
      % Modify beaming for just this staff
      \set Staff.beatStructure = #'(6 4)
      c8 c c c c c c c c c
    }
    \new Staff {
      % Inherit beaming from Score context
      <<
        {
          \voiceOne
          c8 c c c c c c c c c
        }
        % Modify beaming for this voice only
        \new Voice {
          \voiceTwo
          \set Voice.beatStructure = #'(6 4)
          a8 a a a a a a a a a
        }
      >>
    }
  >>
}

[image of music]

参照

インストールされているファイル: ‘scm/beam-settings.scm

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Auto_beam_engraver, Beam, BeamForbidEvent, beam-interface

既知の問題と警告

自動連桁が終了しておらず、まだ音符を受け付けている最中に楽譜が終了する場合、その最後の連桁はまったく譜刻されません。<< … \\ … >> で入力される多声ボイスでも同様です。自動連桁がまだ音符を受け付けている最中に多声ボイスが終了する場合、その最後の連桁はまったく譜刻されません。ボイスや楽譜の最後の連桁には手動で連桁を付けることにより、これらの問題を回避できます。

デフォルトでは、Timing コンテキストは Score コンテキストにエイリアスされています。このことは、ある譜で拍子の設定を行うと、他の譜での連桁の付け方にも影響を与えると言うことを意味します。このため、後で出てくる譜で拍子の設定を行うと、前にある譜でセットしたカスタム連桁はリセットされます。この問題を回避する方法の 1 つは、拍子の設定は 1 つの譜でしか行わないことです。

<<
  \new Staff {
    \time 3/4
    \set Timing.baseMoment = #(ly:make-moment 1/8)
    \set Timing.beatStructure = #'(1 5)
    \repeat unfold 6 { a8 }
  }
  \new Staff {
    \repeat unfold 6 { a8 }
  }
>>

[image of music]

拍子に対するデフォルトの連桁設定を変更することで、常にお望みの連桁を使うこともできます。ある拍子に対する自動連桁設定を変更する方法は 拍子 で説明しています。

<<
  \new Staff {
    \overrideTimeSignatureSettings
      3/4               % timeSignatureFraction
      1/8               % baseMomentFraction
      #'(1 5)           % beatStructure
      #'()		% beamExceptions
    \time 3/4
    \repeat unfold 6 { a8 }
  }
  \new Staff {
    \time 3/4
    \repeat unfold 6 { a8 }
  }
>>

[image of music]


手動連桁

自動連桁アルゴリズムをオーバライドする必要がある場合もあります。例えば、自動連桁は休符や小節線を越えて連桁を配置することはなく、合唱譜では連桁はしばしば音符ではなく歌詞の韻律に従って配置されます。そのような連桁は [] で開始点と終了点を記すことによって手動で指定することができます:

r4 r8[ g' a r] r g[ | a] r

[image of music]

方向指示子を用いることで、連桁の向きを手動で設定することができます:

c8^[ d e] c,_[ d e f g]

[image of music]

連桁でつながれないようにするために、個々の音符には \noBeam が記されるかもしれません:

\time 2/4
c8 c\noBeam c c

[image of music]

装飾小音符の連桁と通常の音符の連桁は同時進行で発生します。通常の音符の連桁の途中に、連桁でつながれない装飾小音符は配置されません。

c4 d8[
\grace { e32 d c d }
e8] e[ e
\grace { f16 }
e8 e]

[image of music]

プロパティ stemLeftBeamCountstemRightBeamCount をセットすることによって連桁をさらに厳密に手動制御することが可能です。これらの値はそれぞれ、次の音符の左側と右側に描く連桁の本数を指定します。どちらかのプロパティがセットされている場合、その値は 1 度だけ使用され、それから消去されます。以下の例では、最後の f は左側に連桁を 1 本だけ持って – すなわち、グループ全体をつなげている 8 分音符の連桁を持って – 譜刻されています。

a8[ r16 f g a]
a8[ r16
\set stemLeftBeamCount = #2
\set stemRightBeamCount = #1
f16
\set stemLeftBeamCount = #1
g16 a]

[image of music]

定義済みコマンド

\noBeam

Selected Snippets

Flat flags and beam nibs

Flat flags on lone notes and beam nibs at the ends of beamed figures are both possible with a combination of stemLeftBeamCount, stemRightBeamCount and paired [] beam indicators.

For right-pointing flat flags on lone notes, use paired [] beam indicators and set stemLeftBeamCount to zero (see Example 1).

For left-pointing flat flags, set stemRightBeamCount instead (Example 2).

For right-pointing nibs at the end of a run of beamed notes, set stemRightBeamCount to a positive value. And for left-pointing nibs at the start of a run of beamed notes, set stemLeftBeamCount instead (Example 3).

Sometimes it may make sense for a lone note surrounded by rests to carry both a left- and right-pointing flat flag. Do this with paired [] beam indicators alone (Example 4).

(Note that \set stemLeftBeamCount is always equivalent to \once \set. In other words, the beam count settings are not “sticky”, so the pair of flat flags attached to the lone c'16[] in the last example have nothing to do with the \set two notes prior.)

\score {
  <<
    % Example 1
    \new RhythmicStaff {
      \set stemLeftBeamCount = #0
      c16[]
      r8.
    }
    % Example 2
    \new RhythmicStaff {
      r8.
      \set stemRightBeamCount = #0
      c16[]
    }
    % Example 3
    \new RhythmicStaff {
      c16 c
      \set stemRightBeamCount = #2
      c16 r r
      \set stemLeftBeamCount = #2
      c16 c c
    }
    % Example 4
    \new RhythmicStaff {
      c16 c
      \set stemRightBeamCount = #2
      c16 r
      c16[]
      r16
      \set stemLeftBeamCount = #2
      c16 c
    }
  >>
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 向きと配置, 装飾小音符

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Beam, BeamEvent, Beam_engraver, beam-interface, Stem_engraver


羽状の連桁

羽状の連桁は、楽曲全体のテンポを変えることなく、音符の小さなグループをテンポを上げながら (あるいは下げながら) 演奏すべきであることを示すために使用されます。羽状連桁の範囲は [] を使って手動で指定する必要があり、連桁の羽は Beam のプロパティ grow-direction に向きを指定することによって調整することができます。

音符の配置と MIDI 出力での音が羽状連桁によって指示された ritardando (徐々に緩やかに) や accelerando (次第に速く) を反映すべきであるのなら、音符は波括弧で区切られた音楽表記としてグループ化される必要があり、さらに、そのグループの最初の音符と最後の音符の演奏時間の比率を指定する featheredDurations コマンドを前に置く必要があります。

角括弧は連桁の範囲を示し、波括弧は演奏時間を変更される音符はどれなのかを示します。通常これら 2 つは同じ音符のグループを囲みますが、同じであることは必須ではありません: 2 つのコマンドは独立しています。

以下の例では、8 つの 16 分音符は 2 分音符とまったく同じ時間を占めますが、最初の音符の長さは最後の音符の長さの半分であり、中間の音符は徐々に長くなります。最初の 4 つの 32 分音符は徐々にスピード アップしますが、最後の 4 つの 32 分音符は一定のテンポです。

\override Beam.grow-direction = #LEFT
\featherDurations #(ly:make-moment 2/1)
{ c16[ c c c c c c c] }
\override Beam.grow-direction = #RIGHT
\featherDurations #(ly:make-moment 2/3)
{ c32[ d e f] }
% revert to non-feathered beams
\override Beam.grow-direction = #'()
{ g32[ a b c] }

[image of music]

譜刻される音符の間隔は音符の演奏時間を近似的に表しているだけですが、MIDI 出力での演奏時間は正確です。

定義済みコマンド

\featherDurations

参照

コード断片集: Rhythms

既知の問題と警告

\featherDurations は非常に短い音楽コード断片に対してだけ、そして分数の数が小さいときにだけ機能します。


1.2.5 小節


小節線

小節線は小節を区切り、繰り返しを示すためにも使用されます。通常、単線の小節線が拍子に基づいて出力に自動的に挿入されます。

自動的に挿入される単線の小節線は \bar コマンドで他のタイプに変更することができます。例えば、通常、2 重線の閉じの小節線が楽曲の最後に配置されます:

e4 d c2 \bar "|."

[image of music]

ある小節の最後の音符が、自動的に挿入される小節線の所で終わっていなくても無効ではありません: その音符は次の小節に持ち越されるものと見なされます。しかしながら、そのような持ち越しのある小節がいくつも続く場合、その音楽は圧縮されて表示される可能性があり、ページからはみ出す可能性さえあります。これは、自動改行は完全な小節 – つまり、小節の終端ですべての音符が終わっている小節 – の終わりでのみ発生するからです。

Note: 誤った演奏時間の指定は改行を抑制し、結果として非常に圧縮された楽譜やページからはみ出す楽譜の原因となります。

手動で挿入された小節線のところでも – たとえ、その小節が不完全であっても – 改行することができます。小節線を譜刻せずに改行を可能にするには、以下を使用します:

\bar ""

これは不可視の小節線を挿入し、そこで改行が発生することを可能にします (強制はしません)。小節番号カウンタは増加しません。強制的に改行を行うには、改行 を参照してください。

不可視の小節線と他の特殊な小節線は任意の位置に手動で挿入することができます。それらの小節線の位置がある小節の終わりと一致する場合、それらの小節線はそこに自動で挿入されるはずだった単線の小節線に取って代わります。小節の終わりと一致しない場合、指定された小節線がその位置に挿入されます。

手動の小節線は純粋に視覚的なものです。それらは通常の小節線が影響を与えるプロパティ – 小節番号、臨時記号、改行など – には何の影響も与えません。手動の小節線はその後に続く自動小節線の算出や配置に影響を与えません。自動小節線がすでに存在する場所に手動小節線が配置されても、自動小節線の効果は変更されません。

手動で挿入できる小節線として、単線の小節線は 2 種類あり、2 重線の小節線は 5 種類あります:

f1 \bar "|"
f1 \bar "."
g1 \bar "||"
a1 \bar ".|"
b1 \bar ".."
c1 \bar "|.|"
d1 \bar "|."
e1

[image of music]

さらに、点線と破線の小節線があります:

f1 \bar ";"
g1 \bar "!"
a1

[image of music]

さらに、繰り返しの小節線が 5 種類あります:

f1 \bar ".|:"
g1 \bar ":..:"
a1 \bar ":|.|:"
b1 \bar ":|.:"
c1 \bar ":|."
e1

[image of music]

Additionally, a bar line can be printed as a simple tick:

f1 \bar "'"

[image of music]

However, as such ticks are typically used in Gregorian chant, it is preferable to use \divisioMinima there instead, described in the section Divisiones in Gregorian chant.

行内のセーニョ記号として、3 タイプの小節線があり、改行での振る舞いがそれぞれ異なります:

c4 c c c
\bar "S"
c4 c c c \break
\bar "S"
c4 c c c
\bar "S-|"
c4 c c c \break
\bar "S-|"
c4 c c c
\bar "S-S"
c4 c c c \break
\bar "S-S"
c1

[image of music]

繰り返しを表す小節線は手動で挿入される場合がありますが、それらの小節線自体は LilyPond に繰り返されるセクションを認識させることはしません。そのような繰り返されるセクションはさまざまな繰り返しのコマンドを使って入力した方が良いです (繰り返し を参照してください)。繰り返しのコマンドは自動的に適切な小節線を譜刻します。

さらに、"||:" を使用することができます。これは "|:" と等価ですが、例外として改行位置では、この小節線は行の終わりに 2 重線の小節線を置き、次の行の始めに繰り返し開始の小節線を置きます。

c4 c c c
\bar ".|:-||"
c4 c c c \break
\bar ".|:-||"
c4 c c c

[image of music]

繰り返しとセーニョ記号の組み合わせは 6 種類あります:

c4 c c c
\bar ":|.S"
c4 c c c \break
\bar ":|.S"
c4 c c c
\bar ":|.S-S"
c4 c c c \break
\bar ":|.S-S"
c4 c c c
\bar "S.|:-S"
c4 c c c \break
\bar "S.|:-S"
c4 c c c
\bar "S.|:"
c4 c c c \break
\bar "S.|:"
c4 c c c
\bar ":|.S.|:"
c4 c c c \break
\bar ":|.S.|:"
c4 c c c
\bar ":|.S.|:-S"
c4 c c c \break
\bar ":|.S.|:-S"
c1

[image of music]

さらに、\inStaffSegno コマンドがあります。これは、セーニョ小節線を作り出し、\repeat volta コマンドと連携します。

多くの譜を持つ楽譜では、ある譜の \bar コマンドは自動的にすべての譜に適用されます。結果として、StaffGroup, PianoStaff, あるいは GrandStaff では、小節線は譜をまたがって 1 本に接続されます。

<<
  \new StaffGroup <<
    \new Staff {
      e4 d
      \bar "||"
      f4 e
    }
    \new Staff { \clef bass c4 g e g }
  >>
  \new Staff { \clef bass c2 c2 }
>>

[image of music]

Selected Snippets

コマンド \bar bartype は ‘\set Timing.whichBar = bartype’ の短縮記法です。whichBar プロパティがセットされるといつでも小節線が作成されます。

自動的に挿入される小節線に使用されるデフォルトの小節線タイプは "|" です。これは ‘\set Timing.defaultBarType = bartype’ でいつでも変更することができます。

参照

記譜法リファレンス: 改行, 繰り返し, 譜をグループ化する

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: BarLine ( Staff の階層で作成されます), SpanBar (譜をまたぎます), Timing_translator (Timing プロパティ用です)


小節番号

小節番号は、デフォルトでは、最初の行を除く各行の開始点で譜刻されます。番号自体は currentBarNumber プロパティに保存されていて、通常は各小節で自動的に更新されます。小節番号を手動で設定することも可能です:

c1 c c c
\break
\set Score.currentBarNumber = #50
c1 c c c

[image of music]

小節番号は、各行の開始点に配置する代わりに、規則的な間隔で譜刻することができます。このようにするには、小節番号を行の開始点以外の位置に譜刻できるよう、デフォルトの振る舞いをオーバライドする必要があります。これは BarNumberbreak-visibility プロパティによって制御されます。これは 3 つの値をとります – 3 つの値は、対応する小節番号を可視にするかしないかを指定するために、#t または #f にセットされます。3 つの値の順番は、end of line visible, middle of line visible, beginning of line visible (行の終了点での可視性、行の途中での可視性、行の開始点での可視性) です。以下の例では、譜刻可能な場所すべてに小節番号を譜刻しています:

\override Score.BarNumber.break-visibility = #'#(#t #t #t)
\set Score.currentBarNumber = #11
% Permit first bar number to be printed
\bar ""
c1 | c | c | c
\break
c1 | c | c | c

[image of music]

Selected Snippets

Printing the bar number for the first measure

By default, the first bar number in a score is suppressed if it is less than or equal to ‘1’. By setting barNumberVisibility to all-bar-numbers-visible, any bar number can be printed for the first measure and all subsequent measures. Note that an empty bar line must be inserted before the first note for this to work.

\relative c' {
  \set Score.barNumberVisibility = #all-bar-numbers-visible
  \bar ""
  c1 | d | e | f \break
  g1 | e | d | c
}

[image of music]

Printing bar numbers at regular intervals

Bar numbers can be printed at regular intervals by setting the property barNumberVisibility. Here the bar numbers are printed every two measures except at the end of the line.

\relative c' {
  \override Score.BarNumber.break-visibility = #end-of-line-invisible
  \set Score.currentBarNumber = #11
  % Permit first bar number to be printed
  \bar ""
  % Print a bar number every second measure
  \set Score.barNumberVisibility = #(every-nth-bar-number-visible 2)
  c1 | c | c | c | c
  \break
  c1 | c | c | c | c
}

[image of music]

Printing bar numbers inside boxes or circles

Bar numbers can also be printed inside boxes or circles.

\relative c' {
  % Prevent bar numbers at the end of a line and permit them elsewhere
  \override Score.BarNumber.break-visibility = #end-of-line-invisible
  \set Score.barNumberVisibility = #(every-nth-bar-number-visible 4)

  % Increase the size of the bar number by 2
  \override Score.BarNumber.font-size = #2

  % Draw a box round the following bar number(s)
  \override Score.BarNumber.stencil
    = #(make-stencil-boxer 0.1 0.25 ly:text-interface::print)
  \repeat unfold 5 { c1 }

  % Draw a circle round the following bar number(s)
  \override Score.BarNumber.stencil
    = #(make-stencil-circler 0.1 0.25 ly:text-interface::print)
  \repeat unfold 4 { c1 } \bar "|."
}

[image of music]

Alternative bar numbering

Two alternative methods for bar numbering can be set, especially for when using repeated music.

\relative c'{
  \set Score.alternativeNumberingStyle = #'numbers
  \repeat volta 3 { c4 d e f | }
    \alternative {
      { c4 d e f | c2 d \break }
      { f4 g a b | f4 g a b | f2 a | \break }
      { c4 d e f | c2 d }
    }
  c1 \break
  \set Score.alternativeNumberingStyle = #'numbers-with-letters
  \repeat volta 3 { c,4 d e f | }
    \alternative {
      { c4 d e f | c2 d \break }
      { f4 g a b | f4 g a b | f2 a | \break }
      { c4 d e f | c2 d }
    }
  c1
}

[image of music]

Aligning bar numbers

Bar numbers by default are right-aligned to their parent object. This is usually the left edge of a line or, if numbers are printed within a line, the left hand side of a bar line. The numbers may also be positioned directly over the bar line or left-aligned to the bar line.

\relative c' {
  \set Score.currentBarNumber = #111
  \override Score.BarNumber.break-visibility = #all-visible
  % Increase the size of the bar number by 2
  \override Score.BarNumber.font-size = #2
  % Print a bar number every second measure
  \set Score.barNumberVisibility = #(every-nth-bar-number-visible 2)
  c1 | c1
  % Center-align bar numbers
  \override Score.BarNumber.self-alignment-X = #CENTER
  c1 | c1
  % Left-align bar numbers
  \override Score.BarNumber.self-alignment-X = #LEFT
  c1 | c1
}

[image of music]

Removing bar numbers from a score

Bar numbers can be removed entirely by removing the Bar_number_engraver from the Score context.

\layout {
  \context {
    \Score
    \remove "Bar_number_engraver"
  }
}

\relative c'' {
  c4 c c c \break
  c4 c c c
}

[image of music]

参照

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: BarNumber, Bar_number_engraver

既知の問題と警告

小節番号は StaffGroup の左括弧の上端と衝突する可能性があります。これを解決するには、BarNumberpadding プロパティを使って小節番号を適切な位置に配置します。詳細は StaffGroup BarNumber を参照してください。


小節と小節番号のチェック

小節チェックは入力された演奏時間の誤りを検出する手助けをします。小節チェックは、小節線が書き込まれると予想される場所ならどこにでも、小節記号 | を使うことで挿入できます。他の場所で小節チェックの線に遭遇した場合、警告のリストがログ ファイルに書き込まれ、小節チェックに失敗した行番号と行を示します。次の例では、2 番目の小節チェックがエラーを発します。

\time 3/4 c2 e4 | g2 |

歌詞でも小節チェックを使用することができます。以下に例を挙げます:

\lyricmode {
  \time 2/4
  Twin -- kle | Twin -- kle |
}

正しくない演奏時間は滅茶苦茶な楽譜を生成する可能性があります – 特にその楽譜が多声である場合はそうなる可能性があります。入力を修正するには、まずざっと見て失敗した小節チェックと演奏時間の誤りを探すと良いでしょう。

連続する小節チェックは同じ音楽的間隔で off になり、最初の警告メッセージだけが表示されます。これにより、警告の焦点がタイミング エラーの発生源に絞られます。

入力の中で小節チェックあるいはパイプ記号 | に遭遇した場合にとられるアクションを再定義することも可能です。これにより、小節チェック以外のことを行うことができます。再定義は音楽表記を "|" に代入することによって行います。以下の例では、| は小節の終わりをチェックするのではなく、それが現れた場所に 2 重線の小節線を挿入するようセットされています。

"|" = \bar "||"
{
  c'2 c' |
  c'2 c'
  c'2 | c'
  c'2 c'
}

[image of music]

大きな楽曲をコピーしている場合、LilyPond の小節番号とコピー元のオリジナルの小節番号の対応をチェックすると役に立ちます。この対応は \barNumberCheck によってチェックすることができます。例えば、

\barNumberCheck #123

を使用すると、currentBarNumber が処理された時に 123 でなければ、警告が表示されます。

参照

コード断片集: Rhythms


リハーサル記号

リハーサル記号を譜刻するには、\mark コマンドを使用します:

c1 \mark \default
c1 \mark \default
c1 \mark \default
c1 \mark \default

[image of music]

\mark \default を使用するとリハーサル記号は自動的に +1 されますが、手動で整数をリハーサル記号にセットすることもできます。セットした値は rehearsalMark に保存されます。

c1 \mark \default
c1 \mark \default
c1 \mark #8
c1 \mark \default
c1 \mark \default

[image of music]

文字 ‘I’ は、譜刻の慣習に従って、スキップされます。文字 ‘I’ を含めたければ、リハーサル記号のスタイル (文字のみ、四角で囲まれた文字、丸で囲まれた文字) に合わせて以下のコマンドの 1 つを使用します:

\set Score.markFormatter = #format-mark-alphabet
\set Score.markFormatter = #format-mark-box-alphabet
\set Score.markFormatter = #format-mark-circle-alphabet
\set Score.markFormatter = #format-mark-box-alphabet
c1 \mark \default
c1 \mark \default
c1 \mark #8
c1 \mark \default
c1 \mark \default

[image of music]

スタイルはプロパティ markFormatter によって定義されます。これは引数としてカレントの記号 (整数) とカレントのコンテキストをとる関数です。この関数はマークアップ オブジェクトを返します。以下の例では、markFormatter には定義済みの手続きがセットされています。数小節後では、四角で囲まれた番号を作り出す手続きがセットされています。

\set Score.markFormatter = #format-mark-numbers
c1 \mark \default
c1 \mark \default
\set Score.markFormatter = #format-mark-box-numbers
c1 \mark \default
\set Score.markFormatter = #format-mark-circle-numbers
c1 \mark \default
\set Score.markFormatter = #format-mark-circle-letters
c1

[image of music]

ファイル ‘scm/translation-functions.scm’ は format-mark-numbers (デフォルトのフォーマット), format-mark-box-numbers, format-mark-letters それに format-mark-box-letters の定義を保持しています。これらを参考にして他のフォーマット関数を作り出すこともできます。

加算された数字や文字の代わりに小節番号を取得するために format-mark-barnumbers, format-mark-box-barnumbers, それに format-mark-circle-barnumbers を使うことがあります。

リハーサル記号の他のスタイルを手動で指定することができます:

\mark "A1"

Score.markFormatter はこの方法で指定された記号に影響を与えません。しかしながら、文字列として \markup 使用することができます。

\mark \markup{ \box A1 }

音楽的図柄 (セーニョ記号など) を \mark の中に譜刻することができます:

c1 \mark \markup { \musicglyph #"scripts.segno" }
c1 \mark \markup { \musicglyph #"scripts.coda" }
c1 \mark \markup { \musicglyph #"scripts.ufermata" }
c1

[image of music]

\musicglyph を使用して譜刻できる記号のリストは、The Feta font を参照してください。

リハーサル記号の配置の一般的な調整については、テキストをフォーマットする を参照してください。更に細かな制御を行う場合は、オブジェクトを揃えるbreak-alignable-interface を参照してください。

ファイル ‘scm/translation-functions.scm’ は format-mark-numbersformat-mark-letters の定義を保持しています。ここにある定義を参考にして他のフォーマット関数を作り出すことができます。

参照

記譜法リファレンス: The Feta font, テキストをフォーマットする, オブジェクトを揃える

インストールされているファイル: ‘scm/translation-functions.scm

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: MarkEvent, Mark_engraver, RehearsalMark


1.2.6 特殊なリズム関連事項


装飾小音符

装飾小音符は装飾の音であり、小さなフォントで表示され、論理的には演奏時間を持ちません。

c4 \grace b16 a4(
\grace { b16 c16 } a2)

[image of music]

装飾音符には他にも 3 つのタイプがあります。acciaccatura (長さを持たない装飾小音符で、スラーでつなげられるスラッシュ付きの符幹を持つ音符) と、 appoggiatura (一定の比率で主音符から演奏時間を取り、スラッシュを持たない音符) スラーで結ばれた主音符の間に装飾小音符を配置するために、\slashedGrace 関数を用いて、 acciaccatura のようにスラッシュ付きの符幹を持つがスラーは付かない装飾小音符を譜刻することもできます。

Lilypond はさらに 2 つ特殊なタイプの装飾小音符をサポートします: acciaccatura (長さを持たない装飾小音符で、スラッシュ付きの符幹を持つスラーでつなげられる小さな音符) と appoggiatura (一定の比率で主音符から演奏時間をとり、スラッシュを持たない小さな音符で譜刻されます) です。

\acciaccatura d8 c4
\appoggiatura e8 d4
\acciaccatura { g16 f } e2
\slashedGrace a,8 g4
\slashedGrace b16 a4(
\slashedGrace b8 a2)

[image of music]

装飾小音符の配置は他の譜と同期されます。以下の例では、8 分の装飾小音符 1 つに対して 2 つの 16 分装飾小音符が割り当てられています:

<<
  \new Staff { e2 \grace { c16 d e f } e2 }
  \new Staff { c2 \grace { g8 b } c2 }
>>

[image of music]

装飾小音符で記譜を終えたいのならば、\afterGrace コマンドを使用します。このコマンドは 2 つの引数をとります: 主音符と主音符の後に続く装飾小音符です。

c1 \afterGrace d1 { c16[ d] } c1

[image of music]

これは主音符の長さの 3/4 のスペースをとった後に装飾小音符を配置しています。デフォルトの分数 3/4 は afterGraceFraction を設定することにより変更することができます。以下の例では、スペースをデフォルト、主音符の 15/16、最後は 1/2 に設定した結果を示しています。

<<
  \new Staff {
    c1 \afterGrace d1 { c16[ d] } c1
  }
  \new Staff {
    #(define afterGraceFraction (cons 15 16))
    c1 \afterGrace d1 { c16[ d] } c1
  }
  \new Staff {
    #(define afterGraceFraction (cons 1 2))
    c1 \afterGrace d1 { c16[ d] } c1
  }
>>

[image of music]

主音符と装飾小音符の間のスペースは空白音符を使って指定することもできます。以下の例では、主音符の長さの 7/8 のスペースをとった後に装飾小音符を配置しています。

\new Voice {
  <<
    { d1^\trill_( }
    { s2 s4. \grace { c16 d } }
  >>
  c1)
}

[image of music]

\grace 音楽表記は特殊な譜刻設定を導入します – 例えば、小さなフォントを作り出し、向きを設定するためです。それゆえ、装飾小音符の特殊な設定をオーバライドするためにレイアウトの調整を行う場合、調整は装飾小音符の表記の中に置くべきです。さらに、そのオーバライドは装飾小音符の表記の中で元に戻しておくべきです。以下の例では、装飾小音符の符幹のデフォルトの向きがオーバライドされ、それから元に戻されています。

\new Voice {
  \acciaccatura {
    \stemDown
    f16->
    \stemNeutral
  }
  g4 e c2
}

[image of music]

Selected Snippets

Using grace note slashes with normal heads

The slash through the stem found in acciaccaturas can be applied in other situations.

\relative c'' {
  \override Flag.stroke-style = #"grace"
  c8( d2) e8( f4)
}

[image of music]

Tweaking grace layout within music

The layout of grace expressions can be changed throughout the music using the functions add-grace-property and remove-grace-property. The following example undefines the Stem direction for this grace, so that stems do not always point up, and changes the default note heads to crosses.

\relative c'' {
  \new Staff {
    $(remove-grace-property 'Voice 'Stem 'direction)
    $(add-grace-property 'Voice 'NoteHead 'style 'cross)
    \new Voice {
       \acciaccatura { f16 } g4
       \grace { d16 e } f4
       \appoggiatura { f,32 g a } e2
    }
  }
}

[image of music]

Redefining grace note global defaults

The global defaults for grace notes are stored in the identifiers startGraceMusic, stopGraceMusic, startAcciaccaturaMusic, stopAcciaccaturaMusic, startAppoggiaturaMusic and stopAppoggiaturaMusic, which are defined in the file ly/grace-init.ly. By redefining them other effects may be obtained.

startAcciaccaturaMusic = {
  <>(
  \override Flag.stroke-style = #"grace"
  \slurDashed
}

stopAcciaccaturaMusic = {
  \revert Flag.stroke-style
  \slurSolid
  <>)
}

\relative c'' {
  \acciaccatura d8 c1
}

[image of music]

Positioning grace notes with floating space

Setting the property 'strict-grace-spacing makes the musical columns for grace notes ’floating’, i.e., decoupled from the non-grace notes: first the normal notes are spaced, then the (musical columns of the) graces are put left of the musical columns for the main notes.

\relative c'' {
  <<
    \override Score.SpacingSpanner.strict-grace-spacing = ##t
    \new Staff \new Voice {
      \afterGrace c4 { c16[ c8 c16] }
      c8[ \grace { b16 d } c8]
      c4 r
    }
    \new Staff {
      c16 c c c c c c c c4 r
    }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: grace notes, acciaccatura, appoggiatura

記譜法リファレンス: 演奏時間を変更する, 手動連桁

インストールされているファイル: ‘ly/grace-init.ly

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: GraceMusic, Grace_beam_engraver, Grace_engraver, Grace_spacing_engraver

既知の問題と警告

複数の音符を連桁でつないだ アッチャカトゥーラ にはスラッシュは付けられず、複数の音符を連桁でつないだ アッポジャトゥーラ とまったく同じに見えます。

装飾小音符の同期は予期しない結果を引き起こす可能性があります。譜の記譜要素 – 拍子、小節線など – も同期をとられます。装飾小音符を持つ譜と持たない譜を混在させる場合は気をつけて下さい。例えば:

<<
  \new Staff { e4 \bar ".|:" \grace c16 d2. }
  \new Staff { c4 \bar ".|:" d2. }
>>

[image of music]

これは、他の譜にある装飾小音符の演奏時間に対応した空白の装飾小音符を挿入することによって修正することができます。上の例を以下のように修正します:

<<
  \new Staff { e4 \bar ".|:" \grace c16 d2. }
  \new Staff { c4 \bar ".|:" \grace s16 d2. }
>>

[image of music]

ボイス コンテキストの中で装飾送音符を記述すると、ボイスの譜刻に混乱を招きます。これを克服するには、装飾小音符のセクションを変数に入れます。

accMusic = {
  \acciaccatura { f8 } e8 r8 \acciaccatura { f8 } e8 r4
}

\new Staff {
  <<
    \new Voice {
      \relative c'' {
        r8 r8 \voiceOne \accMusic \oneVoice r8 |
        r8 \voiceOne r8 \accMusic \oneVoice r8 |
      }
    }
    \new Voice {
      \relative c' {
        s8 s8 \voiceTwo \accMusic \oneVoice s8 |
        s8 \voiceTwo r8 \accMusic \oneVoice s8 |
      }
    }
  >>
}

[image of music]

装飾小音符セクションはシーケンシャルな音楽表記の中でのみ使用すべきです。装飾小音符セクションのネスト、並置はサポートされておらず、クラッシュや他のエラーを引き起こすかもしれません。

MIDI 出力において装飾小音符はそれぞれ 1/4 の実演奏時間を持ちます。一連の装飾小音符の演奏時間が前の音符の演奏時間よりも長い場合、“Going back in MIDI time” エラーになります。エラーを避けるには、装飾小音符の演奏時間を短くします。例えば:

\acciaccatura { c'8[ d' e' f' g'] }

を以下のようにします:

\acciaccatura { c'16[ d' e' f' g'] }

あるいは、明示的に演奏時間を変更します:

\acciaccatura { \scaleDurations 1/2 { c'8[ d' e' f' g'] } }

演奏時間を変更する を参照してください。


カデンツァに揃える

オーケストラのコンテキストにおいて、カデンツァは特殊な問題を提起します: 楽譜の構成に演奏時間を持つカデンツァや他のソロ パッセージが含まれる場合、他のすべての楽器は、そのカデンツァの演奏時間の分だけスキップする必要があります。さもなければ、他の楽器はカデンツァの終わりよりも早すぎる (あるいは遅すぎる) タイミングで始まってしまいます。

この問題の解決方法の一つは、関数 mmrest-of-lengthskip-of-length を使用することです。これらの Scheme 関数は、引数として定義済みの音楽表記をとり、その音楽表記と同じ長さの複数小節休符または \skip を生成します。

MyCadenza = \relative c' {
  c4 d8 e f g g4
  f2 g4 g
}

\new GrandStaff <<
  \new Staff {
    \MyCadenza c'1
    \MyCadenza c'1
  }
  \new Staff {
    #(mmrest-of-length MyCadenza)
    c'1
    #(skip-of-length MyCadenza)
    c'1
  }
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: cadenza

コード断片集: Rhythms


時間管理

時間は Timing_translator – これは、デフォルトでは、Socre コンテキストの中にあります – によって管理されます。エイリアス TimingTiming_translator が配置されているコンテキストに付け加えられます。 エイリアス Timing が利用可能であることを保証するため、コンテキスト (VoiceStaff など) を明示的にインスタンス化する必要があるかもしれません。

以下の Timing のプロパティは、楽譜内でのタイミングの経過を追うために使用されます。

currentBarNumber

カレントの小節番号。このプロパティの使用例は、小節番号 を参照してください。

measureLength

カレントの拍子での小節の長さ。4/4 拍子では 1 であり、6/8 拍子では 3/4 です。この値は小節線を挿入するタイミングと自動連桁の生成の仕方を決定します。

measurePosition

カレントで処理している小節内での位置。この値は、measureLength に到達するか超過したときに、この値から measureLength を減算されることによって、リセットされます。リセットが起こるときに、currentBarNumber が +1 されます。

timing

真にセットされている場合、各タイム ステップごとに上記の変数は更新されます。偽にセットされている場合、エングラーバはカレントの小節に永久に留まります。

タイミングは、上記の値のいずれかを明示的に設定することによって、変更することができます。次の例では、デフォルトの 4/4 拍子が譜刻されていますが、measureLength は 5/4 にセットされています。第 3 小節の 4/8 の位置で、measurePositoin は 1/8 進められて 5/8 になり、それによりその小節は 1/8 短くされます。次の小節線は 5/4 ではなく 9/8 の位置で引かれます。

\new Voice \relative c' {
  \set Timing.measureLength = #(ly:make-moment 5/4)
  c1 c4 |
  c1 c4 |
  c4 c
  \set Timing.measurePosition = #(ly:make-moment 5/8)
  b4 b b8 |
  c4 c1 |
}

[image of music]

この例が示すように、ly:make-moment n m は全音符の n/m の長さの演奏時間を構成します。例えば、ly:make-moment 1 8 は 1 個の 8 分音符の演奏時間であり、ly:make-moment 7 16 は 7 個の 16 分音符の演奏時間です。

参照

記譜法リファレンス: 小節番号, 無韻律の音楽

コード断片集: Rhythms

内部リファレンス: Timing_translator, Score


1.3 発想記号

[image of music]

このセクションでは楽譜の中で作成可能なさまざまな発想記号をリストアップします。


1.3.1 音符に付けられる発想記号

このセクションでは、音符に添付される発想記号を作成する方法について説明します。音符に添付される発想記号には以下のものがあります: アーティキュレーション、装飾、強弱記号。新たに強弱記号を作成する方法についても議論します。


アーティキュレーションと装飾

アーティキュレーション、装飾音それに他の演奏指示を表すさまざまな記号は以下の構文を用いて音符に付けることができます:

note\name

name に対してとり得る値は List of articulations でリストアップしています。例えば:

c4\staccato c\mordent b2\turn
c1\fermata

[image of music]

これらのアーティキュレーションのいくつかはより容易に入力できるよう短縮記法を持っています。短縮記法は音符名の後ろに付けられ、ダッシュ - とそれに続くアーティキュレーションを表す記号から成ります。あらかじめ定義されている短縮記法は以下のアーティキュレーションです: marcato, stopped, tenuto, staccatissimo, accent, staccato それに portato。これらの出力は以下のように表示されます:

c4-^  c-+  c--  c-!
c4->  c-.  c2-_

[image of music]

アーティキュレーションのデフォルトの配置規則はファイル ‘scm/script.scm’ で定義されています。アーティキュレーションと装飾は手動で譜の上または下に配置されることもあります – 向きと配置 を参照してください。

アーティキュレーションは Script オブジェクトです。これらのプロパティについて Script に説明があります。

アーティキュレーションは音符と同様に休符に付けることもできますが、複数小節の休符に付けることはできません。特殊な定義済みコマンド \fermataMarkup は複数小節の休符に付けることができます (複数小節の休符にだけ付けることができます)。このコマンドは MultiMeasureRestText オブジェクトを作成します。

\override Script.color = #red
\override MultiMeasureRestText.color = #blue
a2\fermata r\fermata
R1\fermataMarkup

[image of music]

アーティキュレーションに加えて、テキストとマークアップを音符に付けることができます。テキスト スクリプト を参照してください。

音符につけられる Script と TextScript の配置順序についての更なる情報は、 オブジェクトの配置 を参照してください。

Selected Snippets

Modifying default values for articulation shorthand notation

The shorthands are defined in ‘ly/script-init.ly’, where the variables dashHat, dashPlus, dashDash, dashBang, dashLarger, dashDot, and dashUnderscore are assigned default values. The default values for the shorthands can be modified. For example, to associate the -+ (dashPlus) shorthand with the trill symbol instead of the default + symbol, assign the value trill to the variable dashPlus:

\relative c'' { c1-+ }

dashPlus = "trill"

\relative c'' { c1-+ }

[image of music]

Controlling the vertical ordering of scripts

The vertical ordering of scripts is controlled with the 'script-priority property. The lower this number, the closer it will be put to the note. In this example, the TextScript (the sharp symbol) first has the lowest priority, so it is put lowest in the first example. In the second, the prall trill (the Script) has the lowest, so it is on the inside. When two objects have the same priority, the order in which they are entered determines which one comes first.

\relative c''' {
  \once \override TextScript.script-priority = #-100
  a2^\prall^\markup { \sharp }

  \once \override Script.script-priority = #-100
  a2^\prall^\markup { \sharp }
}

[image of music]

Creating a delayed turn

Creating a delayed turn, where the lower note of the turn uses the accidental, requires several overrides. The outside-staff-priority property must be set to #f, as otherwise this would take precedence over the avoid-slur property. Changing the fractions 2/3 and 1/3 adjusts the horizontal position.

\relative c'' {
  c2*2/3 ( s2*1/3\turn d4) r
  <<
    { c4.( d8) }
    { s4 s\turn }
  >>
  \transpose c d \relative c'' <<
    { c4.( d8) }
    {
      s4
      \once \set suggestAccidentals = ##t
      \once \override AccidentalSuggestion #'outside-staff-priority = ##f
      \once \override AccidentalSuggestion #'avoid-slur = #'inside
      \once \override AccidentalSuggestion #'font-size = #-3
      \once \override AccidentalSuggestion #'script-priority = #-1
      \single \hideNotes
      b8-\turn \noBeam
      s8
    }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: tenuto, accent, staccato, portato

記譜法リファレンス: 向きと配置, List of articulations, トリル

インストールされているファイル: ‘scm/script.scm

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: Script, TextScript


強弱記号

絶対強弱記号は音符の後にコマンドを用いて – c4\ff などのように – 指定します。 利用可能な強弱記号は \ppppp, \pppp, \ppp, \pp, \p, \mp, \mf, \f, \ff, \fff, \ffff, \fffff, \fp, \sf, \sff, \sp, \spp, \sfz, それに \rfz です。 強弱記号を手動で譜の上または下に配置することもできます – 向きと配置 を参照してください。

c2\ppp c\mp
c2\rfz c^\mf
c2_\spp c^\ff

[image of music]

クレッシェンド 記号は \< で始まり、\!、絶対強弱記号あるいは追加のクレッシェンド記号またはデクレッシェンド記号で終わります。デクレッシェンド 記号は \> で始まり、\!、絶対強弱記号あるいは次のクレッシェンド記号またはデクレッシェンド記号で終わります。\cr\decr\<\> の代わりに用いる場合もあります。この記譜法を用いるとデフォルトでは ヘアピン が譜刻されます。

c2\< c\!
d2\< d\f
e2\< e\>
f2\> f\!
e2\> e\mp
d2\> d\>
c1\!

[image of music]

\! で終了するヘアピンは、\! が割り当てられた音符の右端で終了します。次の クレッシェンド または デクレッシェンド 記号の開始によってヘアピンが終了する場合、そのヘアピンは次の \< または \> が割り当てられた音符の中央で終了します。次のへアピンは、通常通りに音符の左端で始まる代わりに、右端から始まります。

c1\< | c4 a c\< a | c4 a c\! a\< | c4 a c a\!

[image of music]

\! の代わりに絶対強弱記号で終了するヘアピも同じように譜刻されます。しかしながら、絶対強弱記号の幅によってヘアピンの終了点は変わります。

c1\< | c4 a c\mf a | c1\< | c4 a c\ffff a

[image of music]

1 つの音符に複数の記号を譜刻するには、空白休符を用いる必要があります。これは特に、同じ音符に クレッシェンドデクレッシェンド を付ける場合に有用です。

c4\< c\! d\> e\!
<< f1 { s4 s4\< s4\> s4\! } >>

[image of music]

\espressivo コマンドを用いて、同じ音符にクレッシェンドとデクレッシェンドを付けることができます。しかしながら、これは強弱記号ではなくアーティキュレーションとして実装されているということに注意してください。

c2 b4 a
g1\espressivo

[image of music]

テキストのクレッシェンド記号は \cresc で開始します。テキストのデクレッシェンド記号は \decresc または \dim で開始します。必要に応じて延長線が譜刻されます。

g8\cresc a b c b c d e\mf |
f8\decresc e d c e\> d c b |
a1\dim ~ |
a2. r4\! |

[image of music]

強弱のテキスト符号の変更でヘアピンを置換することもできます:

\crescTextCresc
c4\< d e f\! |
\dimTextDecresc
g4\> e d c\! |
\dimTextDecr
e4\> d c b\! |
\dimTextDim
d4\> c b a\! |
\crescHairpin
\dimHairpin
c4\< d\! e\> d\! |

[image of music]

新たに絶対強弱記号や強弱に対応させるテキストを作成するには、新たな強弱記号 を参照してください。

強弱記号の垂直方向の位置は DynamicLineSpanner によって処理されます。

Dynamics を用いて水平線上に強弱記号を譜刻することができます。タイミングを示すために空白休符を使用します。(Dynamics コンテキスト内の音符は音楽的時間を取りますが、譜刻されません。)Dynamics コンテキストはテキスト スクリプト、テキスト スパナ、ピアノ ペダル記号などを保持することができ、有用です。

<<
  \new Staff \relative c' {
    c2 d4 e |
    c4 e e,2 |
    g'4 a g a |
    c1 |
  }
  \new Dynamics {
    s1\< |
    s1\f |
    s2\dim s2-"rit." |
    s1\p |
  }
>>

[image of music]

定義済みコマンド

\dynamicUp, \dynamicDown, \dynamicNeutral, \crescTextCresc, \dimTextDim, \dimTextDecr, \dimTextDecresc, \crescHairpin, \dimHairpin

Selected Snippets

Setting hairpin behavior at bar lines

If the note which ends a hairpin falls on a downbeat, the hairpin stops at the bar line immediately preceding. This behavior can be controlled by overriding the 'to-barline property.

\relative c'' {
  e4\< e2.
  e1\!
  \override Hairpin.to-barline = ##f
  e4\< e2.
  e1\!
}

[image of music]

Setting the minimum length of hairpins

If hairpins are too short, they can be lengthened by modifying the minimum-length property of the Hairpin object.

\relative c'' {
  c4\< c\! d\> e\!
  \override Hairpin.minimum-length = #5
  << f1 { s4 s\< s\> s\! } >>
}

[image of music]

Printing hairpins using al niente notation

Hairpin dynamics may be printed with a circled tip (“al niente” notation) by setting the circled-tip property of the Hairpin object to #t.

\relative c'' {
  \override Hairpin.circled-tip = ##t
  c2\< c\!
  c4\> c\< c2\!
}

[image of music]

Vertically aligned dynamics and textscripts

All DynamicLineSpanner objects (hairpins and dynamic texts) are placed with their reference line at least 'staff-padding from the staff, unless other notation forces them to be farther. Setting 'staff-padding to a sufficiently large value aligns the dynamics.

The same idea, together with \textLengthOn, is used to align the text scripts along their baseline.

\markup \vspace #1 %avoid LSR-bug

music = \relative c' {
  a'2\p b\f
  e4\p f\f\> g, b\p
  c2^\markup { \huge gorgeous } c^\markup { \huge fantastic }
}

{
  \music
  \break
  \override DynamicLineSpanner.staff-padding = #3
  \textLengthOn
  \override TextScript.staff-padding = #1
  \music
}

[image of music]

Hiding the extender line for text dynamics

Text style dynamic changes (such as cresc. and dim.) are printed with a dashed line showing their extent. This line can be suppressed in the following way:

\relative c'' {
  \override DynamicTextSpanner.style = #'none
  \crescTextCresc
  c1\< | d | b | c\!
}

[image of music]

Changing text and spanner styles for text dynamics

The text used for crescendos and decrescendos can be changed by modifying the context properties crescendoText and decrescendoText.

The style of the spanner line can be changed by modifying the 'style property of DynamicTextSpanner. The default value is 'dashed-line, and other possible values include 'line, 'dotted-line and 'none.

\relative c'' {
  \set crescendoText = \markup { \italic { cresc. poco } }
  \set crescendoSpanner = #'text
  \override DynamicTextSpanner.style = #'dotted-line
  a2\< a
  a2 a
  a2 a
  a2 a\mf
}

[image of music]

参照

音楽用語集: al niente, crescendo, decrescendo, hairpin

学習マニュアル: アーティキュレーションと強弱記号

記譜法リファレンス: 向きと配置, 新たな強弱記号, 何が MIDI に出力されるのか?, MIDI での音の強弱を制御する

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: DynamicText, Hairpin, DynamicLineSpanner, Dynamics


新たな強弱記号

強弱記号を作成する最も容易な方法は、\markup オブジェクトを使用することです。

moltoF = \markup { molto \dynamic f }

\relative c' {
  <d e>16_\moltoF <d e>
  <d e>2..
}

[image of music]

マークアップ モードでは、注釈の強弱記号 (括弧や角括弧で囲まれます) を作成することができます。マークアップ モードの構文は テキストをフォーマットする で記述されています。

roundF = \markup {
    \center-align \concat { \bold { \italic ( }
           \dynamic f \bold { \italic ) } } }
boxF = \markup { \bracket { \dynamic f } }
\relative c' {
  c1_\roundF
  c1_\boxF
}

[image of music]

単純に中央揃えの強弱記号は make-dynamic-script 関数を用いて簡単に作成できます。

sfzp = #(make-dynamic-script "sfzp")
\relative c' {
  c4 c c\sfzp c
}

[image of music]

一般に、make-dynamic-script は引数として何らかのマークアップ オブジェクトをとります。強弱記号のフォントに含まれる文字は f,m,p,r,s それに z だけです。このため、テキストや句読点を含む強弱記号を必要とする場合、フォント ファミリとフォント エンコーディングを通常のテキストに戻すためのマークアップ コマンド – 例えば \normal-text – を用いる必要があります。通常のマークアップの代わりに make-dynamic-script を用いる利点は、同じ符頭に付けられるマークアップ オブジェクトとヘアピンが垂直方向に揃うことを保証されている点にあります。

roundF = \markup { \center-align \concat {
           \normal-text { \bold { \italic ( } }
           \dynamic f
           \normal-text { \bold { \italic ) } } } }
boxF = \markup { \bracket { \dynamic f } }
mfEspress = \markup { \center-align \line {
              \hspace #3.7 mf \normal-text \italic espress. } }
roundFdynamic = #(make-dynamic-script roundF)
boxFdynamic = #(make-dynamic-script boxF)
mfEspressDynamic = #(make-dynamic-script mfEspress)
\relative c' {
  c4_\roundFdynamic\< d e f
  g,1~_\boxFdynamic\>
  g1
  g'1~\mfEspressDynamic
  g1
}

[image of music]

Scheme 形式のマークアップ モードを用いることもできます。マークアップ Scheme の構文は Markup construction in Scheme で説明されています。

moltoF = #(make-dynamic-script
            (markup #:normal-text "molto"
                    #:dynamic "f"))
\relative c' {
  <d e>16 <d e>
  <d e>2..\moltoF
}

[image of music]

強弱記号を音符に中央揃えさせるのではなく、左揃えさせるには、\tweak を使います:

moltoF = \tweak DynamicText.self-alignment-X #LEFT
         #(make-dynamic-script
            (markup #:normal-text "molto"
                    #:dynamic "f"))
\relative c' {
  <d e>16 <d e>
  <d e>2..\moltoF <d e>1
}

[image of music]

マークアップ モードでのフォント設定は フォントとフォント サイズを選択する で記述されています。

参照

記譜法リファレンス: テキストをフォーマットする, フォントとフォント サイズを選択する, 何が MIDI に出力されるのか?, MIDI での音の強弱を制御する

LilyPond の拡張: Markup construction in Scheme

コード断片集: 発想記号


1.3.2 曲線の発想記号

このセクションでは曲線を持つさまざまな発想記号 – 通常のスラー、フレージング スラー、ブレス記号、Fall それに Doit – を作成する方法について説明します。


スラー

スラー は括弧を用いて入力します:

Note: 多声音楽では、スラーが始まったボイスでそのスラーを終わらせる必要があります。

f4( g a) a8 b(
a4 g2 f4)
<c e>2( <b d>2)

[image of music]

スラーを手動で音符の上または下に配置することができます。向きと配置 を参照してください。

同時進行または重なり合うスラーは許可されません。しかしながら、フレージング スラーはスラーと重なり合うことができます。これにより、2 つのスラーを同時に譜刻することができます。詳細は フレージング スラー を参照してください。

スラーは実線、点線あるいは破線のどれかになります。実線がスラーのデフォルト スタイルです:

c4( e g2)
\slurDashed
g4( e c2)
\slurDotted
c4( e g2)
\slurSolid
g4( e c2)

[image of music]

スラーの半分を破線 (前半を破線、後半を実線) にする、あるいは、半分を実線 (前半を実線、後半を破線) にすることもできます:

c4( e g2)
\slurHalfDashed
g4( e c2)
\slurHalfSolid
c4( e g2)
\slurSolid
g4( e c2)

[image of music]

スラーの破線パターンを定義することができます:

c4( e g2)
\slurDashPattern #0.7 #0.75
g4( e c2)
\slurDashPattern #0.5 #2.0
c4( e g2)
\slurSolid
g4( e c2)

[image of music]

定義済みコマンド

\slurUp, \slurDown, \slurNeutral, \slurDashed, \slurDotted, \slurHalfDashed, \slurHalfSolid, \slurDashPattern, \slurSolid

Selected Snippets

Using double slurs for legato chords

Some composers write two slurs when they want legato chords. This can be achieved by setting doubleSlurs.

\relative c' {
  \set doubleSlurs = ##t
  <c e>4( <d f> <c e> <d f>)
}

[image of music]

Positioning text markups inside slurs

Text markups need to have the outside-staff-priority property set to false in order to be printed inside slurs.

\relative c'' {
  \override TextScript.avoid-slur = #'inside
  \override TextScript.outside-staff-priority = ##f
  c2(^\markup { \halign #-10 \natural } d4.) c8
}

[image of music]

Making slurs with complex dash structure

Slurs can be made with complex dash patterns by defining the dash-definition property. dash-definition is a list of dash-elements. A dash-element is a list of parameters defining the dash behavior for a segment of the slur.

The slur is defined in terms of the bezier parameter t which ranges from 0 at the left end of the slur to 1 at the right end of the slur. dash-element is a list (start-t stop-t dash-fraction dash-period). The region of the slur from start-t to stop-t will have a fraction dash-fraction of each dash-period black. dash-period is defined in terms of staff spaces. dash-fraction is set to 1 for a solid slur.

\relative c' {
  \once \override
    Slur.dash-definition = #'((0 0.3 0.1 0.75)
                                (0.3 0.6 1 1)
                                (0.65 1.0 0.4 0.75))
  c4( d e f)
  \once \override
    Slur.dash-definition = #'((0 0.25 1 1)
                                (0.3 0.7 0.4 0.75)
                                (0.75 1.0 1 1))
  c4( d e f)
}

[image of music]

参照

音楽用語集: slur

学習マニュアル: ネストされない括弧とタイ

記譜法リファレンス: 向きと配置, フレージング スラー

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: Slur


フレージング スラー

音楽センテンスを示す フレージング スラー (またはフレーズ記号) はコマンド \(\) を用いて記述します:

c4\( d( e) f(
e2) d\)

[image of music]

印刷の上では、フレージング スラーは通常のスラーとほとんど同じです。しかしながら、それぞれ異なるオブジェクトとして取り扱われます。\slurUp はフレージング スラーには影響を与えません。フレージング スラーを手動で音符の上または下に配置することができます。向きと配置 を参照してください。

同時進行あるいは重なり合うフレージング スラーは許可されません。

フレージング スラーを実線、点線あるいは破線にすることができます。実線がフレージング スラーのデフォルト スタイルです:

c4\( e g2\)
\phrasingSlurDashed
g4\( e c2\)
\phrasingSlurDotted
c4\( e g2\)
\phrasingSlurSolid
g4\( e c2\)

[image of music]

フレージング スラーの半分を破線 (前半を破線、後半を実線) にする、あるいは、半分を実線 (前半を実線、後半を破線) にすることもできます:

c4\( e g2\)
\phrasingSlurHalfDashed
g4\( e c2\)
\phrasingSlurHalfSolid
c4\( e g2\)
\phrasingSlurSolid
g4\( e c2\)

[image of music]

フレージング スラーの破線パターンを定義することができます:

c4\( e g2\)
\phrasingSlurDashPattern #0.7 #0.75
g4\( e c2\)
\phrasingSlurDashPattern #0.5 #2.0
c4\( e g2\)
\phrasingSlurSolid
g4\( e c2\)

[image of music]

フレージング スラーに対する破線パターンの定義は、スラーに対する破線パターンの定義と同じ構造をとります。複雑な破線パターンについての更なる情報は、スラー のコード断片集を参照してください。

定義済みコマンド

\phrasingSlurUp, \phrasingSlurDown, \phrasingSlurNeutral, \phrasingSlurDashed, \phrasingSlurDotted, \phrasingSlurHalfDashed, \phrasingSlurHalfSolid, \phrasingSlurDashPattern, \phrasingSlurSolid

参照

学習マニュアル: ネストされない括弧とタイ

記譜法リファレンス: 向きと配置, スラー

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: PhrasingSlur


ブレス記号

ブレス記号は \breathe を用いて入力します:

c2. \breathe d4

[image of music]

ブレス記号は自動連桁を終わらせます。この振る舞いをオーバライドする方法は、手動連桁 を参照してください。

c8 \breathe d e f g2

[image of music]

古代記譜法でのブレス記号の音楽指示子 – divisiones (ディビジョン: 区切り) がサポートされています。詳細は Divisiones を参照してください。

Selected Snippets

Changing the breath mark symbol

The glyph of the breath mark can be tuned by overriding the text property of the BreathingSign layout object with any markup text.

\relative c'' {
  c2
  \override BreathingSign.text =
    \markup { \musicglyph #"scripts.rvarcomma" }
  \breathe
  d2
}

[image of music]

Using a tick as the breath mark symbol

Vocal and wind music frequently uses a tick mark as a breathing sign. This indicates a breath that subtracts a little time from the previous note rather than causing a short pause, which is indicated by the comma breath mark. The mark can be moved up a little to take it away from the stave.

\relative c'' {
  c2
  \breathe
  d2
  \override BreathingSign.Y-offset = #2.6
  \override BreathingSign.text =
    \markup { \musicglyph #"scripts.tickmark" }
  c2
  \breathe
  d2
}

[image of music]

Inserting a caesura

Caesura marks can be created by overriding the 'text property of the BreathingSign object. A curved caesura mark is also available.

\relative c'' {
  \override BreathingSign.text = \markup {
    \musicglyph #"scripts.caesura.straight"
  }
  c8 e4. \breathe g8. e16 c4

  \override BreathingSign.text = \markup {
    \musicglyph #"scripts.caesura.curved"
  }
  g8 e'4. \breathe g8. e16 c4
}

[image of music]

参照

音楽用語集: caesura

記譜法リファレンス: Divisiones

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: BreathingEvent, BreathingSign, Breathing_sign_engraver


Fall と Doit

\bendAfter コマンドを用いて、FallDoit 音符にを付け加えることができます。Fall あるいは Doit の向きはプラスあるいはマイナス (上あるいは下) で示します。指示の数は Fall あるいは Doit の主音符を展開させるピッチの幅を示します。

c2\bendAfter #+4
c2\bendAfter #-4
c2\bendAfter #+6.5
c2\bendAfter #-6.5
c2\bendAfter #+8
c2\bendAfter #-8

[image of music]

Selected Snippets

Adjusting the shape of falls and doits

The shortest-duration-space property may be tweaked to adjust the shape of falls and doits.

\relative c'' {
  \override Score.SpacingSpanner.shortest-duration-space = #4.0
  c2-\bendAfter #5
  c2-\bendAfter #-4.75
  c2-\bendAfter #8.5
  c2-\bendAfter #-6
}

[image of music]

参照

音楽用語集: fall, doit

コード断片集: 発想記号


1.3.3 直線の発想記号

このセクションでは直線的な軌道をとるさまざまな発想記号 – グリッサンド、アルペジオそれにトリル – を作成する方法について説明します。


グリッサンド

グリッサンド は音符の後に \glissando を付けることによって作成されます:

g2\glissando g'
c2\glissando c,
\afterGrace f,1\glissando f'16

[image of music]

グリッサンドは譜を跨いで音符を結ぶことができます:

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "right" {
    e'''2\glissando
    \change Staff = "left"
    a,,4\glissando
    \change Staff = "right"
    b''8 r |
  }
  \new Staff = "left" {
    \clef bass
    s1
  }
>>

[image of music]

グリッサンドは和音の中にある音符を結ぶことができます。2 つの和音の音符を平行に 1 対 1 で結ぶのではない場合、 \glissandoMap を設定することで、結び方を定義する必要があります。和音の音符は入力ファイル ‘.ly’ で出現する順に 0, 1, … と番号が付きます。

<c, e>1\glissando g' |
<c, e>1\glissando |
<g' b> |
\break
\set glissandoMap = #'((0 . 1) (1 . 0))
<c, g'>1\glissando |
<d a'> |
\set glissandoMap = #'((0 . 0) (0 . 1) (0 . 2))
c1\glissando |
<d f a> |
\set glissandoMap = #'((2 . 0) (1 . 0) (0 . 1))
<f d a'>1\glissando |
<c c'> |

[image of music]

異なるスタイルのグリッサンドを作成することもできます。詳細は ライン スタイル を参照してください。

Selected Snippets

Contemporary glissando

A contemporary glissando without a final note can be typeset using a hidden note and cadenza timing.

\relative c'' {
  \time 3/4
  \override Glissando.style = #'zigzag
  c4 c
  \cadenzaOn
  c4\glissando
  \hideNotes
  c,,4
  \unHideNotes
  \cadenzaOff
  \bar "|"
}

[image of music]

Adding timing marks to long glissandi

Skipped beats in very long glissandi are sometimes indicated by timing marks, often consisting of stems without noteheads. Such stems can also be used to carry intermediate expression markings.

If the stems do not align well with the glissando, they may need to be repositioned slightly.

glissandoSkipOn = {
  \override NoteColumn.glissando-skip = ##t
  \hide NoteHead
  \override NoteHead.no-ledgers = ##t
}

glissandoSkipOff = {
  \revert NoteColumn.glissando-skip
  \undo \hide NoteHead
  \revert NoteHead.no-ledgers
}

\relative c'' {
  r8 f8\glissando
  \glissandoSkipOn
  f4 g a a8\noBeam
  \glissandoSkipOff
  a8

  r8 f8\glissando
  \glissandoSkipOn
  g4 a8
  \glissandoSkipOff
  a8 |

  r4 f\glissando \<
  \glissandoSkipOn
  a4\f \>
  \glissandoSkipOff
  b8\! r |
}

[image of music]

Making glissandi breakable

Setting the breakable property to #t in combination with after-line-breaking allows a glissando to break if it occurs at a line break:

glissandoSkipOn = {
  \override NoteColumn.glissando-skip = ##t
  \hide NoteHead
  \override NoteHead.no-ledgers = ##t
}

\relative c'' {
  \override Glissando.breakable = ##t
  \override Glissando.after-line-breaking = ##t
  f1\glissando |
  \break
  a4 r2. |
  f1\glissando
  \once \glissandoSkipOn
  \break
  a2 a4 r4 |
}

[image of music]

Extending glissandi across repeats

A glissando which extends into several \alternative blocks can be simulated by adding a hidden grace note with a glissando at the start of each \alternative block. The grace note should be at the same pitch as the note which starts the initial glissando. This is implemented here with a music function which takes the pitch of the grace note as its argument.

Note that in polyphonic music the grace note must be matched with corresponding grace notes in all other voices.

repeatGliss = #(define-music-function (parser location grace)
  (ly:pitch?)
  #{
    % the next two lines ensure the glissando is long enough
    % to be visible
    \once \override Glissando.springs-and-rods
      = #ly:spanner::set-spacing-rods
    \once \override Glissando.minimum-length = #3.5
    \once \hideNotes
    \grace $grace \glissando
  #})

\score {
  \relative c'' {
    \repeat volta 3 { c4 d e f\glissando }
    \alternative {
      { g2 d }
      { \repeatGliss f g2 e }
      { \repeatGliss f e2 d }
    }
  }
}

music =  \relative c' {
  \voiceOne
  \repeat volta 2 {
    g a b c\glissando
  }
  \alternative {
    { d1 }
    { \repeatGliss c e1 }
  }
}

\score {
  \new StaffGroup <<
    \new Staff <<
      \context Voice { \clef "G_8" \music }
    >>
    \new TabStaff  <<
      \context TabVoice { \clef "moderntab" \music }
    >>
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: glissando

記譜法リファレンス: ライン スタイル

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: Glissando

既知の問題と警告

線の上にテキストを譜刻する (グリッサンド など) ことはサポートされていません。


アルペジオ

和音の アルペジオ (変則和音とも呼ばれます) は和音構造の後に \arpeggio を付けることによって記述されます:

<c e g c>1\arpeggio

[image of music]

異なるタイプのアルペジオを描くこともできます。\arpeggioNormal は通常のアルペジオに戻します:

<c e g c>2\arpeggio

\arpeggioArrowUp
<c e g c>2\arpeggio

\arpeggioArrowDown
<c e g c>2\arpeggio

\arpeggioNormal
<c e g c>2\arpeggio

[image of music]

特殊な 括弧スタイル のアルペジオ シンボルを作成することができます:

<c e g c>2

\arpeggioBracket
<c e g c>2\arpeggio

\arpeggioParenthesis
<c e g c>2\arpeggio

\arpeggioParenthesisDashed
<c e g c>2\arpeggio

\arpeggioNormal
<c e g c>2\arpeggio

[image of music]

括弧スタイルのアルペジオの破線プロパティは 'dash-details プロパティで制御します。'dash-details プロパティについては スラー で説明しています。

アルペジオをタイを用いて明示的に描き出すことができます。詳細は タイ を参照してください。

定義済みコマンド

\arpeggio, \arpeggioArrowUp, \arpeggioArrowDown, \arpeggioNormal, \arpeggioBracket, \arpeggioParenthesis \arpeggioParenthesisDashed

Selected Snippets

Creating cross-staff arpeggios in a piano staff

In a PianoStaff, it is possible to let an arpeggio cross between the staves by setting the property PianoStaff.connectArpeggios.

\new PianoStaff \relative c'' <<
  \set PianoStaff.connectArpeggios = ##t
  \new Staff {
    <c e g c>4\arpeggio
    <g c e g>4\arpeggio
    <e g c e>4\arpeggio
    <c e g c>4\arpeggio
  }
  \new Staff {
    \clef bass
    \repeat unfold 4 {
      <c,, e g c>4\arpeggio
    }
  }
>>

[image of music]

Creating cross-staff arpeggios in other contexts

Cross-staff arpeggios can be created in contexts other than GrandStaff, PianoStaff and StaffGroup if the Span_arpeggio_engraver is included in the Score context.

\score {
  \new ChoirStaff {
    \set Score.connectArpeggios = ##t
    <<
      \new Voice \relative c' {
        <c e>2\arpeggio
        <d f>2\arpeggio
        <c e>1\arpeggio
      }
      \new Voice \relative c {
        \clef bass
        <c g'>2\arpeggio
        <b g'>2\arpeggio
        <c g'>1\arpeggio
      }
    >>
  }
  \layout {
    \context {
      \Score
      \consists "Span_arpeggio_engraver"
    }
  }
}

[image of music]

Creating arpeggios across notes in different voices

An arpeggio can be drawn across notes in different voices on the same staff if the Span_arpeggio_engraver is added to the Staff context:

\new Staff \with {
  \consists "Span_arpeggio_engraver"
}
\relative c' {
  \set Staff.connectArpeggios = ##t
  <<
    { <e' g>4\arpeggio <d f> <d f>2 }
    \\
    { <d, f>2\arpeggio <g b>2 }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: arpeggio

記譜法リファレンス: スラー, タイ

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: Arpeggio, Slur, PianoStaff

既知の問題と警告

ある PianoStaff の中の同時点で譜を跨ぐアルペジオと跨がないアルペジオを混在させることはできません。

譜を跨ぐアルペジオに括弧スタイルのアルペジオを適用することはできません。


トリル

延長線を持たない短い トリル\trill で譜刻されます。アーティキュレーションと装飾 を参照してください。

延長線を持つ長いトリルは \startTrillSpan\stopTrillSpan で作成されます:

d1\startTrillSpan
d1
c2\stopTrillSpan
r2

[image of music]

改行を跨ぐトリルは、次行の最初の音符の上から再開されます。

d1\startTrillSpan
\break
d1
c2\stopTrillSpan
r2

[image of music]

連続したトリルには、明示的な \stopTrillSpan コマンドは必要ありません。なぜなら、自動的に次のトリルが前のトリルの右端となるからです。

d1\startTrillSpan
d1
b1\startTrillSpan
d2\stopTrillSpan
r2

[image of music]

トリルを装飾小音符と組み合わせることもできます。この組み合わせの構文と装飾小音符を正確に配置する方法については、装飾小音符 で説明しています。

d1~\afterGrace
d1\startTrillSpan { c32[ d]\stopTrillSpan }
c2 r2

[image of music]

明示的なピッチを持つ予備の音符を必要とするトリルは \pitchedTrill コマンドを用いて譜刻することができます。最初の引数は主音符です。2 番目の引数は トリル の音符であり、括弧で囲まれた符幹を持たない符頭として譜刻されます。

\pitchedTrill
d2\startTrillSpan fis
d2
c2\stopTrillSpan
r2

[image of music]

同じ小節内で、同一音符のためデフォルトでは譜刻されない臨時記号を譜刻するには手動で譜刻を指定する必要があります。最初の小節では、最初のピッチを持つトリルだけに臨時記号が譜刻されています。

\pitchedTrill
eis4\startTrillSpan fis
eis4\stopTrillSpan

\pitchedTrill
eis4\startTrillSpan fis
eis4\stopTrillSpan

\pitchedTrill
eis4\startTrillSpan fis
eis4\stopTrillSpan

\pitchedTrill
eis4\startTrillSpan fis!
eis4\stopTrillSpan

[image of music]

定義済みコマンド

\startTrillSpan, \stopTrillSpan

参照

音楽用語集: trill

記譜法リファレンス: アーティキュレーションと装飾, 装飾小音符

コード断片集: 発想記号

内部リファレンス: TrillSpanner


1.4 繰り返し

[image of music]

繰り返しは音楽の主要なコンセプトであり、繰り返しのために複数の記譜法が存在します。LilyPond は以下の種類の繰り返しをサポートします:

volta

繰り返される音楽は描き出されませんが、繰り返しの小節線で囲まれます。繰り返しが楽曲の先頭にある場合、繰り返しの小節線は繰り返しの終端にのみ譜刻されます。繰り返し時に入れ替えて演奏される部分 (volte) は囲みの右側に譜刻されます。これは入れ替えがある繰り返しの標準的な記譜法です。

unfold

繰り返される音楽は、repeatcount によって指定された回数だけ、描き出されます。これは反復の多い音楽を入力するときに有用です。

percent

これには拍の繰り返しや小節の繰り返しがあります。スラッシュまたはパーセント記号のような外見をしています。

tremolo

これはトレモロの連桁を描くために使用されます。


1.4.1 長い繰り返し

このセクションでは長い (通常は複数の小節) 繰り返しを入力する方法について議論します。繰り返しには 2 つの形式があります: 繰り返し記号によって囲まれる繰り返しと、描き出される繰り返し – これは反復の多い音楽を入力するために使用されます – です。繰り返し記号を手動で制御することもできます。


通常の繰り返し

通常の繰り返しの構文は以下の通りです。

\repeat volta repeatcount musicexpr

ここで、musicexpr は音楽表記です。

入れ替えを持たない 1 回の繰り返しは以下のようになります:

\repeat volta 2 { c4 d e f }
c2 d
\repeat volta 2 { d4 e f g }

[image of music]

繰り返し時に入れ替えて演奏する部分は \alternative を用いて作り出すことができます。入れ替えの各グループを波括弧で囲んで、このブロックの中に配置します。

\repeat volta repeatcount musicexpr
\alternative {
  { musicexpr }
}

ここで、musicexpr は音楽表記です。

繰り返し回数が入れ替え部分の数よりも多い場合、始めの方の繰り返しには最初の入れ替え部分が使用されます。

繰り返しが 1 回で、入れ替えも 1 つの場合は以下のようになります:

\repeat volta 2 { c4 d e f | }
\alternative {
  { c2 e | }
  { f2 g | }
}
c1

[image of music]

複数の入れ替え部分を 1 回ずつ演奏する繰り返しは以下のようになります:

\repeat volta 4 { c4 d e f | }
\alternative {
  { c2 e | }
  { f2 g | }
}
c1

[image of music]

繰り返し部分を複数回繰り返す場合は以下のようになります:

\repeat volta 3 { c4 d e f | }
\alternative {
  { c2 e | }
  { f2 g | }
  { a2 g | }
}
c1

[image of music]

Note: 入れ替えが複数ある場合、入れ替えの閉じ波括弧と次の入れ替えの開始の波括弧の間に何かを置くべきではありません。さもないと、予期せぬ数の入れ替えが発生します。

Note: Voice コンテキストを明示的にインスタンス化せずに\relative\repeat の中に配置すると、余計な譜が表示されます。 余計な譜が表示される を参照してください。

繰り返しが小節の途中から始まり、入れ替え部分が無い場合、風通は繰り返しの終わりも小節の途中になります。そのため、1 つ小節に 2 つの終わりが加えられます。そのような場合、繰り返し記号は本来の小節線とは異なります。繰り返し記号を譜刻する場所で \partila コマンドや小節チェックを使わないで下さい:

% ここで \partial を使わないで下さい
c4 e g  % ここで小節チェックを行わないで下さい
% ここで \partial を使わないで下さい
\repeat volta 4 {
  e4 |
  c2 e |
  % ここで \partial を使わないで下さい
  g4 g g  % ここで小節チェックを行わないで下さい
}
% ここで \partial を使わないで下さい
g4 |
a2 a |
g1 |

[image of music]

同様に、繰り返しが楽譜の先頭の部分小節から始まり、入れ替え部分を持たない場合、楽譜の先頭で \partial コマンドを配置する必要があることを除いて、上の例と同じ条件が適用されます:

\partial 4  % \partial が必要です
\repeat volta 4 {
  e4 |
  c2 e |
  % ここで \partial を使わないで下さい
  g4 g g  % ここで小節チェックを行わないで下さい
}
% ここで \partial を使わないで下さい
g4 |
a2 a |
g1 |

[image of music]

完全な長さを持たない小節で始まる小節に入れ替え部分を付け加える場合、以下の場所で Timing.measureLength コンテキスト プロパティを手動で設定する必要があります:

\partial 4
\repeat volta 2 { e4 | c2 e | }
\alternative {
  {
    f2 d |
    \set Timing.measureLength = #(ly:make-moment 3/4)
    g4 g g  % optional bar check is allowed here
  }
  {
    \set Timing.measureLength = #(ly:make-moment 4/4)
    a2 a |
  }
}
g1 |

[image of music]

measureLength プロパティについての説明は 時間管理 にあります。

\inStaffSegno コマンドを用いて、セーニョ記号を配置して \repeat volta コマンドと連携させることができます。差し替えの小節線記号は Score コンテキストの中でプロパティ segnoType, startRepeatSegnoType, endRepeatSegnoType あるいは doubleRepeatSegnoType を必要に応じてオーバライドすることにより設定することができます。

e1
\repeat volta 2 {
  \inStaffSegno
  f2 g a b
}
c1_"D.S." \bar "|."

[image of music]

繰り返しの 2 回目の部分にタイを付け加えることもできます:

c1
\repeat volta 2 { c4 d e f~ }
\alternative {
  { f2 d }
  { f2\repeatTie f, }
}

[image of music]

Selected Snippets

Shortening volta brackets

By default, the volta brackets will be drawn over all of the alternative music, but it is possible to shorten them by setting voltaSpannerDuration. In the next example, the bracket only lasts one measure, which is a duration of 3/4.

\relative c'' {
  \time 3/4
  c4 c c
  \set Score.voltaSpannerDuration = #(ly:make-moment 3/4)
  \repeat volta 5 { d4 d d }
  \alternative {
    {
      e4 e e
      f4 f f
    }
    { g4 g g }
  }
}

[image of music]

Adding volta brackets to additional staves

The Volta_engraver by default resides in the Score context, and brackets for the repeat are thus normally only printed over the topmost staff. This can be adjusted by adding the Volta_engraver to the Staff context where the brackets should appear; see also the “Volta multi staff” snippet.

<<
  \new Staff { \repeat volta 2 { c'1 } \alternative { c' } }
  \new Staff { \repeat volta 2 { c'1 } \alternative { c' } }
  \new Staff \with { \consists "Volta_engraver" } { c'2 g' e' a' }
  \new Staff { \repeat volta 2 { c'1 } \alternative { c' } }
>>

[image of music]

Setting the double repeat default for volte

There are three different styles of double repeats for volte, that can be set using doubleRepeatType.

\relative c'' {
  \repeat volta 1 { c1 }
  \set Score.doubleRepeatType = #":..:"
  \repeat volta 1 { c1 }
  \set Score.doubleRepeatType = #":|.|:"
  \repeat volta 1 { c1 }
  \set Score.doubleRepeatType = #":|.:"
  \repeat volta 1 { c1 }
}

[image of music]

Alternative bar numbering

Two alternative methods for bar numbering can be set, especially for when using repeated music.

\relative c'{
  \set Score.alternativeNumberingStyle = #'numbers
  \repeat volta 3 { c4 d e f | }
    \alternative {
      { c4 d e f | c2 d \break }
      { f4 g a b | f4 g a b | f2 a | \break }
      { c4 d e f | c2 d }
    }
  c1 \break
  \set Score.alternativeNumberingStyle = #'numbers-with-letters
  \repeat volta 3 { c,4 d e f | }
    \alternative {
      { c4 d e f | c2 d \break }
      { f4 g a b | f4 g a b | f2 a | \break }
      { c4 d e f | c2 d }
    }
  c1
}

[image of music]

参照

音楽用語集: repeat, volta

記譜法リファレンス: 小節線, コンテキストのプラグインを変更する, タイとスラーの形状を変更する, 時間管理

コード断片集: Repeats

内部リファレンス: VoltaBracket, RepeatedMusic, VoltaRepeatedMusic, UnfoldedRepeatedMusic

既知の問題と警告

\repeat ブロックから \alternative ブロックまで続くスラーは、最初の入れ替え部分に対してのみ機能します。他の入れ替え部分に対して見た目上、スラーを伸ばすには \repeatTie を使います。 しかしながら、この手法はスラーが 1 本の場合のみ可能であり、TabStaff では機能しません。複数のスラーを入れ替え部分に伸ばし、TabStaff コンテキストでも機能する手法は タイとスラーの形状を変更する で示しています。

さらに、入れ替え部分の最後から繰り返しの開始点までスラーで結ぶこともできません。

\repeat ブロックから \alternative ブロックまで続くグリッサンドは最初の入れ替え部分に対してのみ機能します。他の入れ替え部分に対して見た目上、グリッサンドを伸ばすには、見えない装飾音符から始まるグリッサンドのコードを記述します。例として、グリッサンド の楽譜断片集にある “繰り返しを跨いでグリッサンドを延長する” を参照してください。

不完全な小節で始まる繰り返しが measureLength プロパティの変更を行う\alternative ブロックを持つ場合、\unfoldRepeats を使用するとおかしな場所に小節線が引かれ、小節チェック警告が発生します。

以下のようにネストされた繰り返し

\repeat …
\repeat …
\alternative

はあいまいです。なぜなら、\alternative がどちらの \repeat に属するのかはっきりしないからです。このあいまいさは、常に \alternative を内側の \repeat に属させることによって解決されます。はっきりとさせるために、そのような状況では波括弧を使用すると賢明です。


手動の繰り返し記号

Note: 以下の手法は特殊な繰り返し構造を表示するためだけに使用され、予期しない振る舞いをする可能性があります。たいていのケースでは、繰り返しは標準の \repeat コマンドを用いるか、適切な小節線を譜刻することによって作成すべきです。更なる情報は、小節線 を参照してください。

プロパティ repeatCommands を用いて繰り返しのレイアウトを制御することができます。このプロパティの値は繰り返しコマンドの Scheme リストです。

start-repeat

|: 小節線を譜刻します。

c1
\set Score.repeatCommands = #'(start-repeat)
d4 e f g
c1

[image of music]

標準の譜刻習慣に従い、楽曲の先頭では繰り返し記号は譜刻されません。

end-repeat

:|. 小節線を譜刻します。

c1
d4 e f g
\set Score.repeatCommands = #'(end-repeat)
c1

[image of music]

(volta number) ... (volta #f)

指定された番号を持つ新しい volta を作成します。Volta 囲みは明示的に終了させる必要があります。さもなければ、譜刻されません。

f4 g a b
\set Score.repeatCommands = #'((volta "2"))
g4 a g a
\set Score.repeatCommands = #'((volta #f))
c1

[image of music]

複数の繰り返しコマンドが同時に発生することもあります:

f4 g a b
\set Score.repeatCommands = #'((volta "2, 5") end-repeat)
g4 a g a
c1
\set Score.repeatCommands = #'((volta #f) (volta "95") end-repeat)
b1
\set Score.repeatCommands = #'((volta #f))

[image of music]

テキストを volta 囲みに含めることができます。テキストに使用できるのは数字やマークアップ テキストです。テキストをフォーマットする を参照してください。マークアップ テキストを使用するための最も簡単な方法は、最初にマークアップを定義し、それからそのマークアップを Scheme リストに含める方法です。

voltaAdLib = \markup { 1. 2. 3... \text \italic { ad lib. } }
\relative c'' {
  c1
  \set Score.repeatCommands =
    #(list(list 'volta voltaAdLib) 'start-repeat)
  c4 b d e
  \set Score.repeatCommands = #'((volta #f) (volta "4.") end-repeat)
  f1
  \set Score.repeatCommands = #'((volta #f))
}

[image of music]

Selected Snippets

Printing a repeat sign at the beginning of a piece

A .|: bar line can be printed at the beginning of a piece, by overriding the relevant property:

\relative c'' {
  \once \override Score.BreakAlignment.break-align-orders =
    #(make-vector 3 '(instrument-name
                      left-edge
                      ambitus
                      breathing-sign
                      clef
                      key-signature
                      time-signature
                      staff-bar
                      custos))
  \once \override Staff.TimeSignature.space-alist =
    #'((first-note . (fixed-space . 2.0))
       (right-edge . (extra-space . 0.5))
       ;; free up some space between time signature
       ;; and repeat bar line
       (staff-bar . (extra-space . 1)))
  \bar ".|:"
  c1
  d1
  d4 e f g
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 小節線, テキストをフォーマットする

コード断片集: Repeats

内部リファレンス: VoltaBracket, RepeatedMusic, VoltaRepeatedMusic


繰り返しを描き出す

unfold コマンドを用いることにより、繰り返しを単に反復する音楽を描き出すために使用することができます。構文は以下の通りです:

\repeat unfold repeatcount musicexpr

ここで、musicexpr は音楽表記であり、repeatcountmusicexpr を繰り返す回数です。

\repeat unfold 2 { c4 d e f }
c1

[image of music]

いくつかのケースでは、特に \relative コンテキストの中では、\repeat unfold 関数は音楽表記を複数回記述したものと同じにはなりません。例えば、

\repeat unfold 2 { a'4 b c }

これは以下と等価ではありません。

a'4 b c | a'4 b c

入れ替え部分がある繰り返しを展開することもできます。

\repeat unfold 2 { c4 d e f }
\alternative {
  { c2 g' }
  { c,2 b }
}
c1

[image of music]

繰り返し回数が入れ替え部分の数よりも多い場合、最初の入れ替え部分だけが適用されます。残りの入れ替えは無視されて譜刻されません。

\repeat unfold 4 { c4 d e f }
\alternative {
  { c2 g' }
  { c,2 b }
  { e2 d }
 }
c1

[image of music]

入れ替え部分の数が繰り返し回数よりも多い場合、最初の入れ替え部分が使用され、残りの繰り返し部分は無視され、譜刻されません。

\repeat unfold 2 { c4 d e f }
\alternative {
  { c2 g' }
  { c,2 b }
  { e2 d }
}
c1

[image of music]

複数の unfold 関数をネストすることも可能です。(unfold は入れ替え部分を持っていても、持っていなくても構いません。)

\repeat unfold 2 {
  \repeat unfold 2 { c4 d e f }
  \alternative {
    { c2 g' }
    { c,2 b }
  }
}
c1

[image of music]

和音構造は和音の繰り返し記号 q で繰り返すことができます。和音の繰り返し を参照してください。

Note: Voice コンテキストを明示的にインスタンス化せずに\relative\repeat の中に配置すると、余計な譜が表示されます。 余計な譜が表示される を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: 和音の繰り返し

コード断片集: Repeats

内部リファレンス: RepeatedMusic, UnfoldedRepeatedMusic


1.4.2 短い繰り返し

このセクションでは、短い繰り返しを入力する方法について議論します。短い繰り返しには 2 つの形式があります: 単一の音符、単一の小節あるいは 2 小節の繰り返しを表すスラッシュまたはパーセント記号と、トレモロです。


パーセント繰り返し

繰り返される短いパターンは 1 回だけ譜刻され、繰り返しは特殊な記号で置き換えられます。

構文は以下の通りです

\repeat percent number musicexpr

ここで、musicexpr は音楽表記です。

1 小節よりも短いパターンはスラッシュで置き換えられます。

\repeat percent 4 { c128 d e f }
\repeat percent 4 { c64 d e f }
\repeat percent 5 { c32 d e f }
\repeat percent 4 { c16 d e f }
\repeat percent 4 { c8 d }
\repeat percent 4 { c4 }
\repeat percent 2 { c2 }

[image of music]

1 または 2 小節のパターンはパーセントのような記号で置き換えられます。

\repeat percent 2 { c4 d e f }
\repeat percent 2 { c2 d }
\repeat percent 2 { c1 }

[image of music]

\repeat percent 3 { c4 d e f | c2 g' }

[image of music]

1 小節よりも短いけれども異なる演奏時間が含まれるパターンは2 重線のパーセント記号を用います。

\repeat percent 4 { c8. <d f>16 }
\repeat percent 2 { \tuplet 3/2 { r8 c d } e4 }

[image of music]

Selected Snippets

Percent repeat counter

Measure repeats of more than two repeats can get a counter when the convenient property is switched, as shown in this example:

\relative c'' {
  \set countPercentRepeats = ##t
  \repeat percent 4 { c1 }
}

[image of music]

Percent repeat count visibility

Percent repeat counters can be shown at regular intervals by setting the context property repeatCountVisibility.

\relative c'' {
  \set countPercentRepeats = ##t
  \set repeatCountVisibility = #(every-nth-repeat-count-visible 5)
  \repeat percent 10 { c1 } \break
  \set repeatCountVisibility = #(every-nth-repeat-count-visible 2)
  \repeat percent 6 { c1 d1 }
}

[image of music]

Isolated percent repeats

Isolated percents can also be printed.

makePercent =
#(define-music-function (parser location note) (ly:music?)
   "Make a percent repeat the same length as NOTE."
   (make-music 'PercentEvent
               'length (ly:music-length note)))

\relative c'' {
  \makePercent s1
}

[image of music]

参照

音楽用語集: percent repeat, simile

コード断片集: Repeats

内部リファレンス: RepeatSlash, RepeatSlashEvent, DoubleRepeatSlash, PercentRepeat, PercentRepeatCounter, PercentRepeatedMusic, Percent_repeat_engraver, DoublePercentEvent, DoublePercentRepeat, DoublePercentRepeatCounter, Double_percent_repeat_engraver, Slash_repeat_engraver


トレモロの繰り返し

トレモロには 2 つの形式があります: 2 つの和音あるいは 2 つの音符を交互に演奏するものと、単一の音符あるいは和音を素早く繰り返すものです。交互に演奏するトレモロは、音符あるいは和音の間に多重連桁を付け加えることによって示され、一方、単一の音符を素早く繰り返すトレモロは単一の音符に多重連桁あるいは多重スラッシュを付け加えることによって示されます。

2 つの音符の間にトレモロ記号を配置するには、トレモロ スタイルの \repeat を使用します:

\repeat tremolo 8 { c16 d }
\repeat tremolo 6 { c16 d }
\repeat tremolo 2 { c16 d }

[image of music]

\repeat tremolo の構文では、波括弧の中にある音符の数がちょうど 2 つであること、それに、繰り返しの回数が普通の音符あるいは付点音符として表すことができる音価に相当することが必須です。それゆえ、\repeat tremolo 7 は有効であり、2 重付点音符を作り出します。しかしながら、\repeat tremolo 9 は無効です。

トレモロの演奏時間は、波括弧で囲まれた音楽表記の演奏時間に繰り返し回数を掛けたものに等しいです: \repeat tremolo 8 { c16 d16 } は全音符のトレモロであり、トレモロの連桁でつながれた 2 つの全音符として譜刻されます。

単一の音符上にトレモロ記号を配置する方法は 2 つあります。\repeat tremolo 構文をここでも使用します – この場合、音符を波括弧で囲むべきではありません:

\repeat tremolo 4 c'16

[image of music]

音符の後に :N を付け加えることによって同じ出力を得ることができます。N は細部の演奏時間を表し、8 以上である必要があります。N が 8 である場合、音符の符幹に 1 本の連桁が付け加えられます。N が省略された場合、 最後の値 (tremoloFlags に保存されています) が使用されます:

c2:8 c:32
c: c:

[image of music]

Selected Snippets

Cross-staff tremolos

Since \repeat tremolo expects exactly two musical arguments for chord tremolos, the note or chord which changes staff within a cross-staff tremolo should be placed inside curly braces together with its \change Staff command.

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "up" \relative c'' {
    \key a \major
    \time 3/8
    s4.
  }
  \new Staff = "down" \relative c'' {
    \key a \major
    \time 3/8
    \voiceOne
    \repeat tremolo 6 {
      <a e'>32
      {
        \change Staff = "up"
        \voiceTwo
        <cis a' dis>32
      }
    }
  }
>>

[image of music]

参照

コード断片集: Repeats


1.5 同時進行する音符

[image of music]

楽譜の中で多声部は楽曲の 1 節の中にある複数のボイスを参照します。LilyPond の中で多声部は同じ譜にある複数のボイスを参照します。


1.5.1 単一のボイス

このセクションでは同じボイスの中にある同時進行する音符について議論します。


和音の音符

和音は <> で 1 組のピッチを囲むことによって形成されます。和音の後には – 普通の音符と同様に – 演奏時間が続くかもしれません:

<a c e>1 <a c e>2 <f a c e>4 <a c>8. <g c e>16

[image of music]

さらに、和音の後には – 普通の音符と同様に – アーティキュレーションが続くかもしれません:

<a c e>1\fermata <a c e>2-> <f a c e>4\prall <a c>8.^! <g c e>16-.

[image of music]

和音の中にある音符自体にもアーティキュレーションや装飾を付けることができます。

<a c\prall e>1 <a-> c-^ e>2 <f-. a c-. e-.>4
<a-+ c-->8. <g\fermata c e\turn>16

[image of music]

しかしながら、いくつかの記譜要素 – 強弱記号、ヘアピン、それにスラーなど – は和音の中の音符ではなく、和音に付ける必要があります。そうしなければ、譜刻されません。

<a\f c( e>1 <a c) e>\f <a\< c e>( <a\! c e>)
<a c e>\< <a c e> <a c e>\!

[image of music]

和音は和音に含まれる音符、アーティキュレーション、それに他の付属要素のコンテナにすぎません。従って、音符を持たない和音は演奏時間を持ちません。そのような和音に付属するアーティキュレーションは、後に続く音符や和音のタイミングで発生して、組み合わされます (そのような要素の複雑な組み合わせについては 同時進行表記 を参照してください):

\grace { g8( a b }
<> ) \p \< -. -\markup \italic "sempre staccato"
\repeat unfold 4 { c4 e }  c1\f

[image of music]

和音の中のピッチに対して相対モードを使うことができます。各和音の最初の音符は常に、前の和音の最初の音符との相対関係で決まります。前が和音でない場合は、その和音の前にある最後のピッチとの相対関係になります。和音の中にある残りの音符はすべて 同じ和音の中にある 前の音符との相対関係になります。

<a c e>1 <f a c> <a c e> <f' a c> <b, e b,>

[image of music]

和音についての更なる情報は、和音記譜法 を参照してください。

参照

音楽用語集: chord

学習マニュアル: Combining notes into chords

記譜法リファレンス: 和音記譜法, アーティキュレーションと装飾, 相対オクターブ入力, 複数のボイス

コード断片集: Simultaneous notes

既知の問題と警告

1 譜スペース内に 3 つ以上のピッチを保持している和音 – ‘<e f! fis!>’ など – では、符頭が重なります。状況に応じて、適切な表記を用います


和音の繰り返し

入力の手間を省くために、前の和音を繰り返すための短縮記法があります。和音を繰り返すためのシンボルは q です:

<a c e>1 q <f a c>2 q

[image of music]

前の和音のピッチが複製されているだけなので、 通常の和音と同様に、和音の繰り返しのシンボルにも演奏時間、アーティキュレーション、マークアップ、スラー、連桁などを使うことができます。

<a c e>1\p^"text" q2\<( q8)[-! q8.]\! q16-1-2-3 q8\prall

[image of music]

和音繰り返しのシンボルは常に最後の和音を覚えているため、最後の和音の後に和音ではない音符や休符があったとしても、和音を繰り返すことができます。

<a c e>1 c'4 q2 r8 q8 |
q2 c, |

[image of music]

しかしながら、和音繰り返しのシンボルは前の和音の中にある、あるいは付属している強弱記号、アーティキュレーション、あるいは装飾を持ち越しません。

<a-. c\prall e>1\sfz c'4 q2 r8 q8 |
q2 c, |

[image of music]

それらのイベントを持ち越すには、\chordRepeats 関数を明示的に呼び出し、引数に持ち越す イベント タイプ を指定するリストを持たせます。これにより持ち越されるイベントはすでに和音 q に存在しているものだけです。

\relative c'' {
  \chordRepeats #'(articulation-event)
  { <a-. c\prall e>1\sfz c'4 q2 r8 q8-. } |
  q2 c, |
}

[image of music]

上記の例では \chordRepeats\relative 構造の内部で使用することで予期しない結果になっています: \chordRepeats の和音イベントが展開されると、通常どおりに入力された和音と区別が付かず、\relative はカレントのコンテキストに基づいて音程を割り当てます。

ネストされた \relative のインスタンスは内外のインスタンスに影響を与えないので、\chordRepeats の内側に \relative を配置することで\chordRepeats の和音を展開する前に音程を確定させることができます。今回のケースでは、内側にある \relative の内容は外側にある \relative の影響を受けないので、繰り返しの和音は前の和音の音程を維持しています。また、内側の \relative は外側の \relative に影響を与えないので、最後の音符のオクターブ入力が変化します。

\new Voice
\relative c'' {
  \chordRepeats #'(articulation-event)
  \relative c''
  { <a-. c\prall e>1\sfz c'4 q2 r8 q8-. } |
  q2 c |
}

[image of music]

\chordRepeats は明示的に呼び出された場合にのみ \relative と相互作用します: 暗黙的な繰り返し和音の展開はすべての \relative インスタンスが処理されてから行われます。

参照

記譜法リファレンス: 和音記譜法, アーティキュレーションと装飾

インストールされているファイル: ‘ly/chord-repetition-init.ly


同時進行表記

2 重山括弧で囲まれた 1 つあるいは複数の音楽表記は同時進行します。最初の表記が単一の音符で始まる場合、あるいは同時進行する表記全体が明らかに単一のボイスの中にある場合、その表記全体は単一の譜の上に配置されます。そうでない場合、同時進行する表記の要素は別々の譜の上に配置されます。

以下の例は 1 つの譜の上にある同時進行表記を示しています:

\new Voice {  % 明らかに単一のボイスです
  << { a4 b g2 } { d4 g c,2 } >>
}

[image of music]

% 単一の音符で始まります
a << {a4 b g}  {d4 g c,} >>

[image of music]

これは同時進行するセクションが同一のリズムを持つ場合に役に立ちます。しかしながら、異なる演奏時間を持つ音符を同じ符幹に取り付けようとするとエラーとなります。単一のVoice’ の中にある音符、アーティキュレーション、それにプロパティの変更は収集され、音楽的な順序で譜刻されます:

<a c>4-.  <>-. << c a >>  << { c-. <c a> } { a s-. } >>

[image of music]

同時に複数の符幹や連桁、あるいは異なる音符の演奏時間やプロパティが必要な場合、複数のボイスを使う必要があります。

以下の例は、同時進行する表記が暗黙的に複数の譜を生成する様子を示しています:

% 単一の音符で始まりません
<< {a4 b g2}  {d4 g2 c,4} >>

[image of music]

ここでは、リズムが異なっていても問題ありません。異なるボイスだと解釈されるからです。

既知の問題と警告

譜の同じ場所で、同じ向きの符幹を持つ複数のボイスから音符がシフトされずに (あるいは同じシフトで) 配置された場合、コンパイル中に以下のメッセージが表示されます:

warning: ignoring too many clashing note columns

以下でこのメッセージを表示させなくすることができます:

\override NoteColumn.ignore-collision = ##t

しかしながら、これは警告を非表示にするだけでなく、衝突解決に関するすべてのメッセージを非表示にして、他にも意図しない影響を与える可能性があります (衝突の解決既知の問題 も参照してください)。


クラスタ

クラスタは演奏すべき連続したピッチの範囲を示します。クラスタは 1 組の音符の範囲 (envelope) として表されます。クラスタはひと続きの和音に関数 \makeClusters を適用することによって入力されます。例えば以下のように:

\makeClusters { <g b>2 <c g'> }

[image of music]

通常の音符とクラスタを同じ譜に一緒にして配置することができます – たとえ、それらが同時進行であってもです。そのようなケースでは、通常の音符とクラスタの衝突を自動的に回避しようとする試みは行われません。

参照

音楽用語集: cluster

コード断片集: Simultaneous notes

内部リファレンス: ClusterSpanner, ClusterSpannerBeacon, Cluster_spanner_engraver

既知の問題と警告

クラスタは少なくとも 2 つの和音を持つ場合にのみうまく譜刻されます。さもなければ、あまりにも狭く譜刻されます。

クラスタは符幹を持たず、それ自体で演奏時間を示すことはできません。しかしながら、譜刻されるクラスタの長さはクラスタを定義する和音の演奏時間によって決定されます。クラスタを分割するには、クラスタとクラスタの間に分割するための休符が必要です。

クラスタは MIDI 出力を作り出しません。


1.5.2 複数のボイス

このセクションでは複数のボイスあるいは複数の譜の中にある同時進行する音符について議論します。


単一譜の多声

明示的にボイスをインスタンス化する

単一の譜の中に複数の独立したボイスを配置するのに必要とされる基本的な構造が以下の例で示されています:

\new Staff <<
  \new Voice = "first"
    { \voiceOne r8 r16 g e8. f16 g8[ c,] f e16 d }
  \new Voice= "second"
    { \voiceTwo d16 c d8~ d16 b c8~ c16 b c8~ c16 b8. }
>>

[image of music]

ここでは、ボイスは明示的にインスタンス化されていて、名前を与えられています。\voiceOne\voiceFour コマンドはボイスをセット アップし、それにより、1 番目と 3 番目のボイスは上向きの符幹を持ち、2 番目と 4 番目のボイスは下向きの符幹を持ち、3 番目と 4 番目のボイスの符頭は水平方向にずれて、それぞれのボイスの中の休符は衝突を避けるために自動的に移動させられます。\oneVoice コマンドはすべてのボイス設定をニュートラルなデフォルトの向きに戻します。

一時的に多声となる楽節 (passage)

一時的に多声となる楽節は以下のような構成で作成することができます:

<< { \voiceOne ... }
  \new Voice { \voiceTwo ... }
>> \oneVoice

ここで、一時多声楽節の中の最初の表記は直前に使われていた Voice コンテキストに配置され、その Voice コンテキストは一時セクションの後も続いていきます。山括弧の中の他の表記は別の一時ボイスに代入されます。これと同様に、歌詞は多声セクションの前、最中、後に続いているボイスに代入されます:

<<
  \new Voice = "melody" {
    a4
    <<
      {
        \voiceOne
        g f
      }
      \new Voice {
        \voiceTwo
        d2
      }
    >>
    \oneVoice
    e4
  }
  \new Lyrics \lyricsto "melody" {
  This is my song.
  }
>>

[image of music]

ここで、\voiceOne\voiceTwo コマンドはそれぞれのボイスの設定を定義するために必要とされています。

2 重バックスラッシュ構造

<< {...} \\ {...} >> 構造 – この中では 2 つ (あるいはそれ以上) の表記が 2 重バックスラッシュで区切られています – は、同じような構造だが 2 重バックスラッシュを持たない構造とはまったく異なる振る舞いをします: この構造の中にある すべての 表記は新たな Voice コンテキストに代入されます。それらの新しい Voice コンテキストは暗黙的に作成され、あらかじめ決められた名前 "1", "2" などを与えられます。

最初の例は以下のように書き換えることができます:

<<
  { r8 r16 g e8. f16 g8[ c,] f e16 d }
  \\
  { d16 c d8~ d16 b c8~ c16 b c8~ c16 b8. }
>>

[image of music]

一時ボイスが作成され、それから消去されることが問題にならない場合に、この構文を使用することができます。暗黙的に作成されるボイスには、それらがコードの中で現れる順番に従って、\voiceOne\voiceFour コマンドと同じ設定が与えられます。

以下の例では、真ん中のボイスは上向きの符幹を持ちます。そのため、それを 3 番目に置いて、望みどおりに上向きの符幹を持つボイス 3 にしています。休符が 2 重に譜刻されることを避けるために、空白休符を使用しています。

<<
  { r8 g g  g g f16 ees f8 d }
  \\
  { ees,8 r ees r d r d r }
  \\
  { d'8 s c s bes s a s }
>>

[image of music]

簡単なことですが、 コンテキストとエングラーバ ボイスを明示的にインスタンス化する で説明されているように、明示的に Voice コンテキストを作成しておくと賢明です。

Voice の順序

入力ファイルの中にある複数のボイスを譜刻する時、以下の順序で譜刻されます:

ボイス 1: 最上段
ボイス 2: 最下段
ボイス 3: 上から 2 番目
ボイス 4: 下から 2 番目
ボイス 5: 上から 3 番目
ボイス 6: 下から 3 番目
etc.

これは直感に反するように見えるかもしれませんが、自動レイアウト処理をシンプルにできます。奇数番号のボイスには上向きの符幹が与えられ、偶数番号のボイスには下向きの符幹が与えられるということに注意してください:

\new Staff <<
  \time 2/4
  { f''2 }  % 1: 最上段
  \\
  { c'2  }  % 2: 最下段
  \\
  { d''2 }  % 3: 上から 2 番
  \\
  { e'2  }  % 4: 下から 2 番
  \\
  { b'2  }  % 5: 上から 2 番
  \\
  { g'2  }  % 6: 下から 3 番
>>

[image of music]

Note: 歌詞、スパナ (スラー、タイ、強弱のヘアピン等) はボイスを ‘跨ぐ’ ことはできません。

同一のリズム

同じリズムを持ち、並行して進行する音楽を譜刻するという特殊なケースでは、並行する音楽を単一の Voice の中に組み込み、それにより和音を形成することができます。これを実現するには、並行する音楽を明示的にインスタンス化されたボイス内の同時進行音楽構造の中に置きます:

\new Voice <<
  { e4 f8 d e16 f g8 d4 }
  { c4 d8 b c16 d e8 b4 }
>>

[image of music]

この手法では、音楽が同じリズムを持たない場合に、おかしな連桁と警告を生じます。

定義済みコマンド

\voiceOne, \voiceTwo, \voiceThree, \voiceFour, \oneVoice

参照

学習マニュアル: Voices contain music, Explicitly instantiating voices

記譜法リファレンス: 打楽器の譜, 不可視の休符, 符幹

コード断片集: Simultaneous notes


ボイス スタイル

ボイス毎に異なる色と形を与えて、容易に見分けられるようにすることができます:

<<
  { \voiceOneStyle d4 c2 b4 }
  \\
  { \voiceTwoStyle e,2 e }
  \\
  { \voiceThreeStyle b2. c4 }
  \\
  { \voiceFourStyle g'2 g }
>>

[image of music]

\voiceNeutralstyle コマンドは標準の体裁に戻すために使用されます。

定義済みコマンド

\voiceOneStyle, \voiceTwoStyle, \voiceThreeStyle, \voiceFourStyle, \voiceNeutralStyle

参照

学習マニュアル: I'm hearing Voices, Other sources of information.

コード断片集: Simultaneous notes


衝突の解決

同じピッチ、同じ符頭を持ち、符幹の方向が逆で異なるボイスの中にある符頭は自動的に 1 つの符頭にまとめられます – マージされます。しかしながら、音符の符頭が異なっていたり、符幹の方向が同じである場合はマージされません。異なるボイスの中にあり、符幹の方向が逆の休符は垂直方向にずらされます。以下の例は 3 つの異なる状態を示しています – 第 1 小節の 1, 3 拍目、それに第 2 小節の 1 拍目で自動マージが失敗しています。

<<
  {
    c8 d e d c d c4
    g'2 fis
  } \\ {
    c2 c8. b16 c4
    e,2 r
  } \\ {
    \oneVoice
    s1
    e8 a b c d2
  }
>>

[image of music]

以下に示すように、異なる符頭を持つ音符をマージすることができます – 例外として、半音符と 4 分音符のマージはできません。第 1 小節の 1 拍目の符頭がマージされました:

<<
  {
    \mergeDifferentlyHeadedOn
    c8 d e d c d c4
    g'2 fis
  } \\ {
    c2 c8. b16 c4
    e,2 r
  } \\ {
    \oneVoice
    s1
    e8 a b c d2
  }
>>

[image of music]

第 1 小節の 3 拍目のように異なる付点を持つ符頭もマージすることができます:

<<
  {
    \mergeDifferentlyHeadedOn
    \mergeDifferentlyDottedOn
    c8 d e d c d c4
    g'2 fis
  } \\ {
    c2 c8. b16 c4
    e,2 r
  } \\ {
    \oneVoice
    s1
    e8 a b c d2
  }
>>

[image of music]

第 2 小節の最初の版音符と 8 分音符は正しくマージされていません。なぜなら 3 つ以上の音符が同じ列に並ぶ場合、自動マージは正しく機能できないからです。今回のケースでは、マージされた符頭が間違っています。マージが正しい符頭を選択できるようにするため、マージすべきでない符頭に \shift を適用する必要があります。ここでは、\shiftOn を適用することで、最上段にある g を列から外し、\mergeDifferentlyHeadedOn を正しく機能させています。

<<
  {
    \mergeDifferentlyHeadedOn
    \mergeDifferentlyDottedOn
    c8 d e d c d c4
    \shiftOn
    g'2 fis
  } \\ {
    c2 c8. b16 c4
    e,2 r
  } \\ {
    \oneVoice
    s1
    e8 a b c d2
  }
>>

[image of music]

\shiftOn コマンドは、ボイスの中にある音符がずれることを許可します (強制はしません)。\shiftOn がボイスに適用されると、そのボイスの中にある音符あるいは和音は、同じ向きの符幹を持つ他のボイスと符幹が衝突する場合にのみ、ずらされます。\shiftOff コマンドは、適用された時点から、このタイプの音符の移動を禁止します。

デフォルトでは、外側のボイス (通常はボイス 1 と 2) には \shiftOff が指定されていて、内側のボイス (ボイス 3 以上) には \shiftOn が指定されています。音符をずらす場合、上向きの符幹を持つボイス (奇数番号のボイス) は右側にずらされ、下向きの符幹を持つボイス (偶数番号のボイス) は左側にずらされます。

簡略化された多声表記が内部的にどのように展開されるかをお見せするための例を挙げます。

Note: 3 つ以上のボイスがある場合、入力ファイルでのボイスの垂直方向の順序は、譜上でのボイスの垂直方向の順序と同じにすべきではありません!

\new Staff \relative c'' {
  %% 簡略化された入力
  <<
    { f2  }  % 1: 最上段
    \\
    { g,2 }  % 2: 最下段
    \\
    { d'2 }  % 3: 真ん中の上側
    \\
    { b2  }  % 4: 真ん中の下側
  >>
  %% 上記の内部的な展開
  <<
    \new Voice = "1" { \voiceOne   \shiftOff f'2 }
    \new Voice = "2" { \voiceTwo   \shiftOff g,2 }
    \new Voice = "3" { \voiceThree \shiftOn  d'2 } % shifts right
    \new Voice = "4" { \voiceFour  \shiftOn  b2  } % shifts left
  >>
}

[image of music]

さらに 2 つのコマンド – \shiftOnn\shiftOnnn – は、複雑な状況で衝突を解決するために一時的に指定されるさらに大きなずれを提供します。 実際の音楽からの例 を参照してください。

音符は符幹の向きが反対である場合 (例えば、デフォルトのボイス 1 と 2 である場合や、明示的に符幹の向きが反対になるよう指定されている場合) にのみマージされます。

定義済みコマンド

\mergeDifferentlyDottedOn, \mergeDifferentlyDottedOff, \mergeDifferentlyHeadedOn, \mergeDifferentlyHeadedOff

\shiftOn, \shiftOnn, \shiftOnnn, \shiftOff

Selected Snippets

Additional voices to avoid collisions

In some instances of complex polyphonic music, additional voices are necessary to prevent collisions between notes. If more than four parallel voices are needed, additional voices can be added by defining a variable using the Scheme function context-spec-music.

voiceFive = #(context-spec-music (make-voice-props-set 4) 'Voice)

\relative c'' {
  \time 3/4
  \key d \minor
  \partial 2
  <<
    \new Voice  {
      \voiceOne
      a4. a8
      e'4 e4. e8
      f4 d4. c8
    }
    \new Voice {
      \voiceTwo
      d,2
      d4 cis2
      d4 bes2
    }
    \new Voice {
      \voiceThree
      f'2
      bes4 a2
      a4 s2
    }
    \new Voice {
      \voiceFive
      s2
      g4 g2
      f4 f2
    }
  >>
}

[image of music]

Forcing horizontal shift of notes

When the typesetting engine cannot cope, the following syntax can be used to override typesetting decisions. The units of measure used here are staff spaces.

\relative c' <<
  {
    <d g>2 <d g>
  }
  \\
  {
    <b f'>2
    \once \override NoteColumn.force-hshift = #1.7
    <b f'>2
  }
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: polyphony

学習マニュアル: Multiple notes at once, Voices contain music, Real music example

コード断片集: Simultaneous notes

内部リファレンス: NoteColumn, NoteCollision, RestCollision

既知の問題と警告

\override NoteColumn.ignore-collision = ##t を使うと異なるボイスにある符頭が異なる音符を不適切にマージします。

\mergeDifferentlyHeadedOn
<< { c16 a' b a } \\ { c,2 } >>
\override NoteColumn.ignore-collision = ##t
<< { c16 a' b a } \\ { c,2 } >>

[image of music]


自動パート結合

自動パート結合は 2 つのパートに分かれた音楽を単一の譜にマージします。これはオーケストラ譜を譜刻する時に特に有用です。ある範囲で 2 つのパートの音楽が同一である場合、1 つの Voice だけが譜刻されます。2 つのパートが異なる箇所では第 2 Voice が譜刻されます。この場合、符幹の向きはそれぞれ上と下ににセットされ、さらにソロ パートと 二重奏 (due) パートが識別されて適切なマークが付けられます。

自動パート結合の構文は以下の通りです:

\partcombine musicexpr1 musicexpr2

以下の例は自動パート結合の基本的な機能を示しています: 2 つのパートを単一の譜に多声部として配置し、それぞれの符幹の向きをセットしています。個々のパート譜と結合譜で同じ変数が使用されています。

instrumentOne = \relative c' {
  c4 d e f |
  R1 |
  d'4 c b a |
  b4 g2 f4 |
  e1 |
}

instrumentTwo = \relative g' {
  R1 |
  g4 a b c |
  d4 c b a |
  g4 f( e) d |
  e1 |
}

<<
  \new Staff \instrumentOne
  \new Staff \instrumentTwo
  \new Staff \partcombine \instrumentOne \instrumentTwo
>>

[image of music]

両パートの第 3 小節の音符は同じなので、片方の音符だけが譜刻されています。符幹、スラー、それにタイの向きは、ソロなのかあるいは斉奏なのかによって、自動的に設定されます。多声が必要になる場合、第 1 パート (one と呼ばれるコンテキストを持ちます) は常に上向きの符幹を持ち、一方、第 2 パート (two と呼ばれるコンテキストを持ちます) は常に下向きの符幹を持ちます。ソロの場合、第 1 パートと第 2 パートにはそれぞれ ‘Solo’ と ‘Solo II’ というマークが付けられます。斉奏 (二重奏) パートには、デフォルトで、テキスト “a2” というマークが付けられます。

\partcombine の 2 つの引数は別個の Voice コンテキストとして解釈されます。そのため、相対オクターブを用いる場合、両方のパートで \relative を記述すべきです。すなわち、以下のように記述します:

\partcombine
  \relative … musicexpr1
  \relative … musicexpr2

\partcombine の外側にある \relative セクションは musicexpr1musicexpr2 のピッチには影響を与えません。

プロの楽譜では長いパッセージで、2 つのボイスの音符のいくつかが同じでユニゾンとして譜刻できる場合であっても、ボイスを分けて譜刻することがあります。 ですから、音符を和音に組み合わせることと、1 つのボイスをソロとして表示することは等価ではありません。なぜなら、\partcombine 関数は各音符を個々に考慮するからです。 このような場合、\partcombine 関数を以下のコマンドでオーバライドすることができます:

...Once で終わるコマンドは、コマンドの次に来る音符だけに適用されます。

instrumentOne = \relative c' {
  \partcombineApart c2^"apart" e |
  \partcombineAutomatic e2^"auto" e |
  \partcombineChords e'2^"chord" e |
  \partcombineAutomatic c2^"auto" c |
  \partcombineApart c2^"apart" \partcombineChordsOnce e^"chord once" |
  c2 c |
}
instrumentTwo = \relative c' {
  c2 c |
  e2 e |
  a,2 c |
  c2 c' |
  c2 c |
  c2 c |
}

<<
  \new Staff { \instrumentOne }
  \new Staff { \instrumentTwo }
  \new Staff { \partcombine \instrumentOne \instrumentTwo }
>>

[image of music]

Selected Snippets

Combining two parts on the same staff

The part combiner tool ( \partcombine command ) allows the combination of several different parts on the same staff. Text directions such as “solo” or “a2” are added by default; to remove them, simply set the property printPartCombineTexts to f. For vocal scores (hymns), there is no need to add “solo/a2” texts, so they should be switched off. However, it might be better not to use it if there are any solos, as they won’t be indicated. In such cases, standard polyphonic notation may be preferable.

This snippet presents the three ways two parts can be printed on a same staff: standard polyphony, \partcombine without texts, and \partcombine with texts.

musicUp = \relative c'' {
  \time 4/4
  a4 c4.( g8) a4 |
  g4 e' g,( a8 b) |
  c b a2.
}

musicDown = \relative c'' {
  g4 e4.( d8) c4 |
  r2 g'4( f8 e) |
  d2 \stemDown a
}

\score {
  <<
    <<
    \new Staff {
      \set Staff.instrumentName = #"Standard polyphony"
      << \musicUp \\ \musicDown >>
    }
    \new Staff \with { printPartCombineTexts = ##f } {
      \set Staff.instrumentName = #"PartCombine without texts"
      \partcombine \musicUp \musicDown
    }
    \new Staff {
      \set Staff.instrumentName = #"PartCombine with texts"
      \partcombine \musicUp \musicDown
    }
    >>
  >>
  \layout {
    indent = 6.0\cm
    \context {
      \Score
      \override SystemStartBar.collapse-height = #30
    }
  }
}

[image of music]

Changing partcombine texts

When using the automatic part combining feature, the printed text for the solo and unison sections may be changed:

\new Staff <<
  \set Staff.soloText = #"girl"
  \set Staff.soloIIText = #"boy"
  \set Staff.aDueText = #"together"
  \partcombine
    \relative c'' {
      g4 g r r
      a2 g
    }
    \relative c'' {
      r4 r a( b)
      a2 g
    }
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: a due, part

記譜法リファレンス: パートを記述する

コード断片集: Simultaneous notes

内部リファレンス: PartCombineMusic, Voice

既知の問題と警告

すべての \partcombine... はボイスを 2 つだけ受け取ることができ、歌詞を処理するようには設計されていません。ボイスに歌詞が付けられている場合、パート結合は処理を停止します。

\partcombine... 関数を \tuplet ブロックや \relative ブロックの中に置くことはできません。

printPartCombineTexts がセットされていて、ある小節で 2 つのボイスの音符が同じである場合、パート結合はその小節で a2 を複数譜刻する可能性があります。

\partcombineVoice の中の音符の開始だけを検知します。例えば、ある Voice でパート結合を開始した時に、他の Voice で音符がすでに開始しているかどうかを知ることはできません。このことは “Solo” や “Unison” が不適切に譜刻されるといった予期しない問題を引き起こす可能性があります

\partcombine はすべてのスパナ (スラー、タイ、強弱のヘアピン等) を同じ Voice で維持します。そのため、異なる Voice で始まる / 終わるスパナは不適切にの譜刻されたり、全く譜刻されなかったりする可能性があります。

\partcombine 関数が 2 つのパートを組み合わせることができない場合 (すなわち、2 つのボイスの演奏時間が異なる場合)、内部的に 2 つのボイスにカスタム名を付与します: それぞれ onetwo です。このことは、異なる名前を付けられた Voice への “切り替え” があった場合、その Voice のイベントは無視されることを意味します。

デフォルトのタブ譜 のタブ譜や 自動連桁音符 に対して \partcombine を使う場合は、それぞれの 既知の問題と警告 も参照してください。


音楽を並列に記述する

複数のパートを持つ音楽を入力コードの途中に挿入することができます。関数 \parallelMusic は、作成する変数名をいくつか持つリストと音楽表記を受け付けます。各小節ごとの音楽表記は各変数の値となり、後で音楽を譜刻するために使用することができます。

Note: 小節チェック | を使用する必要があり、各小節は同じ長さでなければなりません。

\parallelMusic #'(voiceA voiceB voiceC) {
  % Bar 1
  r8 g'16 c'' e'' g' c'' e'' r8 g'16 c'' e'' g' c'' e'' |
  r16 e'8.~   e'4            r16 e'8.~   e'4            |
  c'2                        c'2                        |

  % Bar 2
  r8 a'16 d'' f'' a' d'' f'' r8 a'16 d'' f'' a' d'' f'' |
  r16 d'8.~   d'4            r16 d'8.~   d'4            |
  c'2                        c'2                        |

}
\new StaffGroup <<
  \new Staff << \voiceA \\ \voiceB >>
  \new Staff { \clef bass \voiceC }
>>

[image of music]

相対モードを使用することができます。\relative コマンドを \parallelMusic 自体の中では使用しないということに注意してください。音符が前の音符と相対関係になるのはボイスの中であり、入力の中ではありません – 言い換えると、voiceA の相対音符は voiceB の音符を無視します。

\parallelMusic #'(voiceA voiceB voiceC) {
  % Bar 1
  r8 g16 c e g, c e r8 g,16 c e g, c e  |
  r16 e8.~ e4       r16 e8.~  e4        |
  c2                c                   |

  % Bar 2
  r8 a,16 d f a, d f r8 a,16 d f a, d f |
  r16 d8.~  d4       r16 d8.~  d4       |
  c2                 c                  |

 }
\new StaffGroup <<
  \new Staff << \relative c'' \voiceA \\ \relative c' \voiceB >>
  \new Staff \relative c' { \clef bass \voiceC }
>>

[image of music]

これはピアノ譜で非常に良く機能します。以下の例は、4 つの連続する小節を 4 つの変数に割り当てています:

global = {
  \key g \major
  \time 2/4
}

\parallelMusic #'(voiceA voiceB voiceC voiceD) {
  % Bar 1
  a8    b     c   d     |
  d4          e         |
  c16 d e fis d e fis g |
  a4          a         |

  % Bar 2
  e8      fis  g     a   |
  fis4         g         |
  e16 fis g  a fis g a b |
  a4           a         |

  % Bar 3 ...
}

\score {
  \new PianoStaff <<
     \new Staff {
       \global
       <<
         \relative c'' \voiceA
         \\
         \relative c'  \voiceB
       >>
     }
     \new Staff {
       \global \clef bass
       <<
         \relative c \voiceC
         \\
         \relative c \voiceD
       >>
     }
  >>
}

[image of music]

参照

学習マニュアル: Organizing pieces with variables

コード断片集: Simultaneous notes


1.6 譜の記譜法

[image of music]

このセクションでは、譜の見た目を変える方法、複数の譜を持つ楽譜を譜刻する方法、それに、テンポ指示と演奏指示楽節の音符を譜に付け加える方法について説明します。


1.6.1 譜を表示する

このセクションでは、譜を作成する方法と、譜をグループ化する方法をいくつか説明します。


新たに譜をインスタンス化する

stave: 譜 (staff: 譜 (表) の単称) は \new コマンドや \context コマンドで作成されます。詳細は コンテキストを作成して参照する を参照してください。

基本的な譜コンテキストは Staff です:

\new Staff { c4 d e f }

[image of music]

DrumStaff コンテキストは、一般的なドラム セットのための 5 線譜を作成します。各楽器は異なるシンボルで示されます。\drummode コマンドの後に続けて、楽器をドラム モードで入力します。各楽器は名前によって指定されます。詳細は 打楽器の譜 を参照してください。

\new DrumStaff {
  \drummode { cymc hh ss tomh }
}

[image of music]

RhythmicStaff は、入力のリズム価だけを表示する単線譜を作成します。(ピッチは無視されますが) 演奏時間が保持されます。詳細は 旋律のリズムを示す を参照してください。

\new RhythmicStaff { c4 d e f }

[image of music]

TabStaff は、標準のギター チューニングの 6 弦のタブ譜を作成します。詳細は デフォルトのタブ譜 を参照してください。

\new TabStaff { c4 d e f }

[image of music]

古代音楽の記譜法のために 2 つの譜コンテキストが用意されています: MensuralStaffVaticanaStaff です。これらのことは Pre-defined contexts で説明されています。

GregorianTranscriptionStaff コンテキストは、現代グレゴリア聖歌を記譜するための譜を作成します。これは小節線を譜刻しません。

\new GregorianTranscriptionStaff { c4 d e f e d }

[image of music]

新たに単一譜コンテキストを定義する場合があります。詳細は 新しいコンテキストを定義する を参照してください。

参照

音楽用語集: staff, staves

記譜法リファレンス: コンテキストを作成して参照する, 打楽器の譜, 旋律のリズムを示す, デフォルトのタブ譜, Pre-defined contexts, 譜シンボル, Gregorian chant contexts, Mensural contexts, 新しいコンテキストを定義する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: Staff, DrumStaff, GregorianTranscriptionStaff, RhythmicStaff, TabStaff, MensuralStaff, VaticanaStaff, StaffSymbol


譜をグループ化する

複数の譜からなるシステムを形成するために譜をグループ化するさまざまなコンテキストが存在します。グループ化を行うコンテキストはそれぞれにシステム開始境界線のスタイルと小節線の振る舞いを設定します。

コンテキストが指定されていない場合、デフォルトのプロパティが使用されます: グループは垂直の線で始まり、小節線はつながりません。

<<
  \new Staff { c1 c }
  \new Staff { c1 c }
>>

[image of music]

StaffGroup コンテキストでは、グループは角括弧で始まり、小節線はすべての譜を貫いて刻譜されます。

\new StaffGroup <<
  \new Staff { c1 c }
  \new Staff { c1 c }
>>

[image of music]

ChoirStaff では、グループは角括弧で始まりますが、小節線はつながりません。

\new ChoirStaff <<
  \new Staff { c1 c }
  \new Staff { c1 c }
>>

[image of music]

GrandStaff では、グループは波括弧で始まり、小節線はすべての譜を貫きます。

\new GrandStaff <<
  \new Staff { c1 c }
  \new Staff { c1 c }
>>

[image of music]

PianoStaffGrandStaff と同一ですが、例外として楽器名を刻譜することができます。詳細は 楽器名 を参照してください。

\new PianoStaff <<
  \set PianoStaff.instrumentName = #"Piano"
  \new Staff { c1 c }
  \new Staff { c1 c }
>>

[image of music]

各譜グループ化コンテキストはプロパティ systemStartDelimiter を以下の値の 1 つにセットします: SystemStartBar, SystemStartBrace あるいは SystemStartBracket。4 つ目の境界線 – SystemStartSquare も利用可能ですが、これは明示的に指定する必要があります。

新たな譜グループ化コンテキストを定義することもできます。詳細は 新しいコンテキストを定義する を参照してください。

Selected Snippets

Use square bracket at the start of a staff group

The system start delimiter SystemStartSquare can be used by setting it explicitly in a StaffGroup or ChoirStaff context.

\score {
  \new StaffGroup { <<
  \set StaffGroup.systemStartDelimiter = #'SystemStartSquare
    \new Staff { c'4 d' e' f' }
    \new Staff { c'4 d' e' f' }
  >> }
}

[image of music]

Display bracket with only one staff in a system

If there is only one staff in one of the staff types ChoirStaff or StaffGroup, by default the bracket and the starting bar line will not be displayed. This can be changed by overriding collapse-height to set its value to be less than the number of staff lines in the staff.

Note that in contexts such as PianoStaff and GrandStaff where the systems begin with a brace instead of a bracket, another property has to be set, as shown on the second system in the example.

\score {
  \new StaffGroup <<
    % Must be lower than the actual number of staff lines
    \override StaffGroup.SystemStartBracket.collapse-height = #4
    \override Score.SystemStartBar.collapse-height = #4
    \new Staff {
      c'1
    }
  >>
}
\score {
  \new PianoStaff <<
    \override PianoStaff.SystemStartBrace.collapse-height = #4
    \override Score.SystemStartBar.collapse-height = #4
    \new Staff {
      c'1
    }
  >>
}

[image of music]

Mensurstriche layout (bar lines between the staves)

The mensurstriche-layout where the bar lines do not show on the staves but between staves can be achieved with a StaffGroup instead of a ChoirStaff. The bar line on staves is blanked out by setting the transparent property.

global = {
  \hide Staff.BarLine
  s1 s
  % the final bar line is not interrupted
  \undo \hide Staff.BarLine
  \bar "|."
}
\new StaffGroup \relative c'' {
  <<
    \new Staff { << \global { c1 c } >> }
    \new Staff { << \global { c c } >> }
  >>
}

[image of music]

参照

音楽用語集: brace, bracket, grand staff

記譜法リファレンス: 楽器名, 新しいコンテキストを定義する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: Staff, StaffGroup, ChoirStaff, GrandStaff, PianoStaff, SystemStartBar, SystemStartBrace, SystemStartBracket, SystemStartSquare

既知の問題と警告

デフォルトでは PianoStaffChordNames を受け付けません。


ネストされた譜グループ

譜グループ化コンテキストは任意の深さにネストすることができます。そうした場合、それぞれの子コンテキストは、親グループの角括弧に隣接して新しい角括弧を作成します。

\new StaffGroup <<
  \new Staff { c2 c | c2 c }
  \new StaffGroup <<
    \new Staff { g2 g | g2 g }
    \new StaffGroup \with {
      systemStartDelimiter = #'SystemStartSquare
    }
    <<
      \new Staff { e2 e | e2 e }
      \new Staff { c2 c | c2 c }
    >>
  >>
>>

[image of music]

新たにネストされた譜グループ化コンテキストを定義することができます。詳細は 新しいコンテキストを定義する を参照してください。

Selected Snippets

Nesting staves

The property systemStartDelimiterHierarchy can be used to make more complex nested staff groups. The command \set StaffGroup.systemStartDelimiterHierarchy takes an alphabetical list of the number of staves produced. Before each staff a system start delimiter can be given. It has to be enclosed in brackets and takes as much staves as the brackets enclose. Elements in the list can be omitted, but the first bracket takes always the complete number of staves. The possibilities are SystemStartBar, SystemStartBracket, SystemStartBrace, and SystemStartSquare.

\new StaffGroup
\relative c'' <<
  \set StaffGroup.systemStartDelimiterHierarchy
    = #'(SystemStartSquare (SystemStartBrace (SystemStartBracket a
                             (SystemStartSquare b)  ) c ) d)
  \new Staff { c1 }
  \new Staff { c1 }
  \new Staff { c1 }
  \new Staff { c1 }
  \new Staff { c1 }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 譜をグループ化する, 楽器名, 新しいコンテキストを定義する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: StaffGroup, ChoirStaff, SystemStartBar, SystemStartBrace, SystemStartBracket, SystemStartSquare


Separating systems

If the number of systems per page changes from page to page it is customary to separate the systems by placing a system separator mark between them. By default the system separator is blank, but can be turned on with a \paper option.

\book {
  \score {
    \new StaffGroup <<
      \new Staff {
        \relative c'' {
          c4 c c c
          \break
          c4 c c c
        }
      }
      \new Staff {
        \relative c'' {
          c4 c c c
          \break
          c4 c c c
        }
      }
    >>
  }
  \paper {
    system-separator-markup = \slashSeparator
    % following commands are needed only to format this documentation
    paper-width = 100\mm
    paper-height = 100\mm
    tagline = ##f
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: ページ レイアウト

コード断片集: Staff notation.


1.6.2 個々の譜を変更する

このセクションでは、譜の属性を変更する方法について説明します: 例えば、譜線の本数や譜サイズを変更します。譜を開始/終了する方法とオッシア セクションをセットする方法についても記述します。


譜シンボル

\stopStaff コマンドと \startStaff コマンドを使って、楽譜内の任意の場所で譜線を停止あるいは (再) 開始させることができます。

\stopStaff f4 d \startStaff g, e
f'4 d \stopStaff g, e
f'4 d \startStaff g, e

[image of music]

+

定義済みコマンド

\startStaff, \stopStaff

StaffSymbol グラフィカル オブジェクト (加線を含む) に属する譜の線はStaffSymbol プロパティを用いて変更することができます。しかしながら、変更は譜が (再) 開始する前に行う必要があります。

譜線の本数を変更することができます:

f4 d \stopStaff
\override Staff.StaffSymbol.line-count = #2
\startStaff g, e |

f'4 d \stopStaff
\revert Staff.StaffSymbol.line-count
\startStaff g, e |

[image of music]

各譜線の位置を変更することもできます。値の単位は譜線の間隔の 半分 で、新しい位置は通常の中央線からの相対位置です。1 つの値に対して 1 本の譜線が譜刻されるので、1 つのオーバライドで譜線の位置と本数を変更することができます。

f4 d \stopStaff
\override Staff.StaffSymbol.line-positions = #'(1 3 5 -1 -3)
\startStaff g, e |
f'4 d \stopStaff
\override Staff.StaffSymbol.line-positions = #'(8 6.5 -6 -8 -0.5)
\startStaff g, e

[image of music]

新しい譜線に対応して、音部記号とミドル C の位置を調節する必要があるかもしれません。音部記号 を参照してください。

譜線の太さを変えることができます。デフォルトでは、加線 (訳者注: ledger line, 譜の上下に突き出た符頭と符幹に付けられる短い譜線) と符幹の太さも影響を受けます。

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.thickness = #3
}
{ f4 d g, e }

[image of music]

しかしながら、加線の太さを譜線の太さから独立して設定することができます。2 つの値は譜線の太さと譜線の間隔に掛け算され、それらを加算した値が加線の太さになります。

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.thickness = #2
  \override StaffSymbol.ledger-line-thickness = #'(0.5 . 0.4)
}
{ f'4 a, a,, f }

[image of music]

加線の垂直方向の位置を変更することができます:

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.ledger-positions = #'(-3 -2 -1 2 5 6)
}
{ f'4 a, a,, f }

[image of music]

符頭の位置と加線を持つ他の符頭との関係に応じて、符頭の上または下に追加の加線を配置することできます。

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.ledger-extra = #4
}
{ f'4 a, d, f, }

[image of music]

譜の内部に加線を表示させることもできます。この場合、譜線のカスタマイズが必要です。以下の例は明示的に ledger-position をセットしない場合とした場合の加線のデフォルト位置を示しています。以下の例で、StaffSymbol 全体に対する \override を元に戻すには\stopStaff を行う必要があります。

[image of music]

譜線の間隔を変えることができます。この設定は加線の間隔にも影響を与えます。

\new Staff \with {
  \override StaffSymbol.staff-space = #1.5
}
{ f'4 d, g, e, }

[image of music]

Selected Snippets

Making some staff lines thicker than the others

For educational purposes, a staff line can be thickened (e.g., the middle line, or to emphasize the line of the G clef). This can be achieved by adding extra lines very close to the line that should be emphasized, using the line-positions property of the StaffSymbol object.

{
  \override Staff.StaffSymbol.line-positions =
    #'(-4 -2 -0.2 0 0.2 2 4)
  d'4 e' f' g'
}

[image of music]

参照

音楽用語集: line, ledger line, staff

記譜法リファレンス: 音部記号

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: StaffSymbol, staff-symbol-interface


オッシア譜

適切な位置で新しく同時進行の譜を作成することによって、オッシア 譜をセットすることができます:

\new Staff \relative c'' {
  c4 b d c
  <<
    { c4 b d c }
    \new Staff { e4 d f e }
  >>
  c4 b c2
}

[image of music]

しかしながら、上の例は通常は望ましいものではありません。オリジナルの譜の上にあり、拍子記号や音部記号を持たず、小さなサイズのフォントを使用するオッシア譜を作成するには調整が必要です。学習マニュアルの Nesting music expressions に望ましいオッシア譜を作成するための方法が記述されています。

以下の例は、オッシア譜をオリジナルの譜の上に配置するために alignAboveContext プロパティを用いています。この手法は、2, 3 のオッシア譜が必要とされているだけである場合であれば、最も適切な方法です。

\new Staff = main \relative c'' {
  c4 b d c
  <<
    { c4 b d c }

    \new Staff \with {
      \remove "Time_signature_engraver"
      alignAboveContext = #"main"
      fontSize = #-3
      \override StaffSymbol.staff-space = #(magstep -3)
      \override StaffSymbol.thickness = #(magstep -3)
      firstClef = ##f
    }
    { e4 d f e }
  >>
  c4 b c2
}

[image of music]

多くの別個のオッシア譜が必要である場合、ある特有の コンテキスト ID を持つ空の Staff コンテキストを作成する方が適切かもしれません: このコンテキストを 呼び出し、オッシア譜が必要とされる場所で \startStaff\stopStaff を用いることでオッシア譜が作成されます。この手法の利点は、以下の例よりも長い楽曲であれば、明らかです。

<<
  \new Staff = ossia \with {
    \remove "Time_signature_engraver"
    \hide Clef
    fontSize = #-3
    \override StaffSymbol.staff-space = #(magstep -3)
    \override StaffSymbol.thickness = #(magstep -3)
  }
  { \stopStaff s1*6 }

  \new Staff \relative c' {
    c4 b c2
    <<
      { e4 f e2 }
      \context Staff = ossia {
        \startStaff e4 g8 f e2 \stopStaff
      }
    >>
    g4 a g2 \break
    c4 b c2
    <<
      { g4 a g2 }
      \context Staff = ossia {
        \startStaff g4 e8 f g2 \stopStaff
      }
    >>
    e4 d c2
  }
>>

[image of music]

オッシア譜を作成するための代替手段として、\RemoveEmptyStaffContext コマンドが用いられるかもしれません。この手法は、オッシア譜が改行の直後に発生する場合、最も便利な手法です。\RemoveEmptyStaffContext についての更なる情報は、譜を隠す を参照してください。

<<
  \new Staff = ossia \with {
    \remove "Time_signature_engraver"
    \hide Clef
    fontSize = #-3
    \override StaffSymbol.staff-space = #(magstep -3)
    \override StaffSymbol.thickness = #(magstep -3)
  } \relative c'' {
    R1*3
    c4 e8 d c2
  }
  \new Staff \relative c' {
    c4 b c2
    e4 f e2
    g4 a g2 \break
    c4 b c2
    g4 a g2
    e4 d c2
  }
>>

\layout {
  \context {
    \Staff \RemoveEmptyStaves
    \override VerticalAxisGroup.remove-first = ##t
  }
}

[image of music]

Selected Snippets

Vertically aligning ossias and lyrics

This snippet demonstrates the use of the context properties alignBelowContext and alignAboveContext to control the positioning of lyrics and ossias.

\paper {
  ragged-right = ##t
}

\relative c' <<
  \new Staff = "1" { c4 c s2 }
  \new Staff = "2" { c4 c s2 }
  \new Staff = "3" { c4 c s2 }
  { \skip 2
    <<
      \lyrics {
        \set alignBelowContext = #"1"
        lyrics4 below
      }
      \new Staff \with {
        alignAboveContext = #"3"
        fontSize = #-2
        \override StaffSymbol.staff-space = #(magstep -2)
        \remove "Time_signature_engraver"
      } {
        \tuplet 6/4 {
          \override TextScript.padding = #3
          c8[^"ossia above" d e d e f]
        }
      }
    >>
  }
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: ossia, staff, Frenched staff

学習マニュアル: Nesting music expressions, Size of objects, Length and thickness of objects

記譜法リファレンス: 譜を隠す

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: StaffSymbol


譜を隠す

Staff コンテキストから Staff_symbol_engraver を削除することによって、譜線を隠すことができます。そうする代わりに、\stopStaff を用いることもできます。

\new Staff \with {
  \remove "Staff_symbol_engraver"
}
\relative c''' { a8 f e16 d c b a2 }

[image of music]

\layout ブロックの中で \RemoveEmptyStaffContext コマンドをセットすることによって、空の譜を隠すことができます。オーケストラ譜では、このようなスタイルの譜は ‘Frenched Score’ として知られています。デフォルトでは、このコマンドは最初のシステム以外のところにあるすべての空の譜を隠して、削除します。

Note: 譜が空であると見なされるのは、それが複数小節にわたる休符、休符、スキップ、空白休符、あるいはそれらの要素の組み合わせだけで構成されている場合です。

\layout {
  \context {
    \Staff \RemoveEmptyStaves
  }
}

\relative c' <<
  \new Staff {
    e4 f g a \break
    b1 \break
    a4 b c2
  }
  \new Staff {
    c,4 d e f \break
    R1 \break
    f4 g c,2
  }
>>

[image of music]

譜に対してオッシア セクションを作成するために、\RemoveEmptyStaffContext を用いることもできます。詳細は オッシア譜 を参照してください。

古代音楽コンテキストの中にある空の譜を隠すために、\VaticanaStaff \RemoveEmptyStaves コマンドが用いられることがあります。同様に、空の RhythmicStaff コンテキストを隠すために、\RhythmicStaff \RemoveEmptyStaves が用いられることがあります。

定義済みコマンド

\Staff \RemoveEmptyStaves, \VaticanaStaff \RemoveEmptyStaves, \RhythmicStaff \RemoveEmptyStaves

Selected Snippets

Removing the first empty line

The first empty staff can also be removed from the score by setting the VerticalAxisGroup property remove-first. This can be done globally inside the \layout block, or locally inside the specific staff that should be removed. In the latter case, you have to specify the context (Staff applies only to the current staff) in front of the property.

The lower staff of the second staff group is not removed, because the setting applies only to the specific staff inside of which it is written.

\layout {
  \context {
    \Staff \RemoveEmptyStaves
    % To use the setting globally, uncomment the following line:
    % \override VerticalAxisGroup.remove-first = ##t
  }
}
\new StaffGroup <<
  \new Staff \relative c' {
    e4 f g a \break
    c1
  }
  \new Staff {
    % To use the setting globally, comment this line,
    % uncomment the line in the \layout block above
    \override Staff.VerticalAxisGroup.remove-first = ##t
    R1 \break
    R
  }
>>
\new StaffGroup <<
  \new Staff \relative c' {
    e4 f g a \break
    c1
  }
  \new Staff {
    R1 \break
    R
  }
>>

[image of music]

参照

音楽用語集: Frenched staff

学習マニュアル: Visibility and color of objects

記譜法リファレンス: コンテキストのデフォルト設定を変更する, 譜シンボル, オッシア譜, 隠された音符, 不可視の休符, オブジェクトの可視性

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: ChordNames, FiguredBass, Lyrics, Staff, VerticalAxisGroup, Staff_symbol_engraver

既知の問題と警告

Staff_symbol_engraver を削除すると、小節線も隠されます。小節線が強制的に可視になるよう設定されている場合、フォーマット エラーが発生するかもしれません。そのような場合は、エングラーバを削除する代わりに、以下のオーバライドを使用してください:

\omit StaffSymbol
\override NoteHead.no-ledgers = ##t

\Staff \RemoveEmptyStaves に関連する既知の問題と警告は コンテキストのデフォルト設定を変更する を参照してください。


1.6.3 パートを記述する

このセクションでは、テンポ指示と楽器名を楽譜に挿入する方法について説明します。他のボイスを引用する方法と、演奏指示音符を譜刻する方法についても記述します。


楽器名

Staff, PianoStaff, StaffGroup, GrandStaff それに ChoirStaff コンテキストの中にある譜の左側に、楽器名を譜刻することができます。instrumentName の値が最初の行の譜に対して使用され、shortInstrumentName の値がそれに続くすべての行の譜に対して使用されます。

\new Staff \with {
  instrumentName = #"Violin "
  shortInstrumentName = #"Vln. "
}
{ c4.. g'16 c4.. g'16 \break | c1 }

[image of music]

\markup を用いて、より複雑な楽器名を作成することができます:

\new Staff \with {
  instrumentName = \markup {
    \column { "Clarinetti"
      \line { "in B" \smaller \flat }
    }
  }
}
{ c4 c,16 d e f g2 }

[image of music]

2 つ以上の譜コンテキストがグループ化されている場合、デフォルトでは楽器名と短縮楽器名は中央揃えされます。複数行にわたる楽器名を中央揃えするには、\center-column を用いる必要があります:

<<
  \new Staff \with {
    instrumentName = #"Flute"
  }
  { f2 g4 f }
  \new Staff \with {
    instrumentName = \markup {
      \center-column { "Clarinet"
        \line { "in B" \smaller \flat }
      }
    }
  }
  { c4 b c2 }
>>

[image of music]

しかしながら、楽器名が長い場合、indent 設定と short-indent 設定の値を増やさない限り、譜グループの中にある楽器名は中央揃えされません。これらの設定についての詳細は シフトとインデントのための \paper 変数 を参照してください。

\relative c'' {
  <<
    \new Staff \with {
      instrumentName = #"Alto Flute in G"
      shortInstrumentName = #"Flt."
    }
    {
      f2 g4 f \break
      g4 f g2
    }
    \new Staff \with {
      instrumentName = #"Clarinet"
      shortInstrumentName = #"Clar."
    }
    {
      c,4 b c2 \break
      c2 b4 c
    }
  >>
}

\layout {
  indent = 3.0\cm
  short-indent = 1.5\cm
}

[image of music]

楽器名を他のコンテキスト (ChordNamesFiguredBass など) に付け加えるには、 そのコンテキストに Instrument_name_engraver を追加する必要があります。詳細は コンテキストのプラグインを変更する を参照してください。

楽曲の途中で shortInstrumentName を変更することもできます。しかしながら、instrumentName は最初のインスタンスが譜刻され、楽曲の途中での変更は無視されます:

\new Staff \with {
  instrumentName = #"Flute"
  shortInstrumentName = #"Flt."
}
{
  c1 c c c \break
  c1 c c c \break
  \set Staff.instrumentName = #"Clarinet"
  \set Staff.shortInstrumentName = #"Clt."
  c1 c c c \break
  c1 c c c \break
}

[image of music]

楽器の 切り替え が必要な場合、切り替えのために必要とされる変更の詳細なリストを作成するために、\addInstrumentDefinition\instrumentSwitch と組み合わせて使用することがあります。\addInstrumentDefinition コマンドは 2 つの引数をとります: 識別文字列と、楽器で使用されるコンテキスト プロパティと値の連想リストです。このコマンドは最上位のスコープに配置する必要があります。\instrumentSwitch は音楽表記の中で使用され、楽器の切り替えを宣言します:

\addInstrumentDefinition #"contrabassoon"
  #`((instrumentTransposition . ,(ly:make-pitch -1 0 0))
     (shortInstrumentName . "Cbsn.")
     (clefGlyph . "clefs.F")
     (middleCPosition . 6)
     (clefPosition . 2)
     (instrumentCueName . ,(make-bold-markup "cbsn."))
     (midiInstrument . "bassoon"))

\new Staff \with {
  instrumentName = #"Bassoon"
}
\relative c' {
  \clef tenor
  \compressFullBarRests
  c2 g'
  R1*16
  \instrumentSwitch "contrabassoon"
  c,,2 g \break
  c,1 ~ | c1
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: シフトとインデントのための \paper 変数, コンテキストのプラグインを変更する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: InstrumentName, PianoStaff, Staff


他のボイスを引用する

あるボイスが他のボイスと同じ音符を演奏することはごく一般的なことです。例えば、第 1 バイオリンと第2バイオリンがあるパッセージで同じフレーズを演奏することがあります。これは、ボイスに他のボイスを 引用 させることで実現でき、第 2 ボイスの音楽全体を再入力する必要はありません。

最上位レベルのスコープで用いる \addQuote コマンドは一部を引用することができる音楽を定義します。

\quoteDuring コマンドを用いて、引用を開始する位置を示します。このコマンドは 2 つの引数をとります: \addQuote で定義した引用するボイスの名前と、引用部分の演奏時間を示す音楽表記です。

fluteNotes = \relative c'' {
  a4 gis g gis | b4^"quoted" r8 ais\p a4( f)
}

oboeNotes = \relative c'' {
  c4 cis c b \quoteDuring #"flute" { s1 }
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\score {
  <<
    \new Staff \with { instrumentName = "Flute" } \fluteNotes
    \new Staff \with { instrumentName = "Oboe" } \oboeNotes
  >>
}

[image of music]

\quoteDuring で使用される音楽表記が空白休符や複数小節休符ではなく音符を保持している場合、引用は多声となり、予期しない結果となる可能性があります。

fluteNotes = \relative c'' {
  a4 gis g gis | b4^"quoted" r8 ais\p a4( f)
}

oboeNotes = \relative c'' {
  c4 cis c b \quoteDuring #"flute" { e4 r8 ais b4 a }
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\score {
  <<
    \new Staff \with { instrumentName = "Flute" } \fluteNotes
    \new Staff \with { instrumentName = "Oboe" } \oboeNotes
  >>
}

[image of music]

\quoteDuring コマンドは引用されるパートと引用するパート両方の \transposition を使用して、引用されるパートと同じ響きのピッチに変換して、引用するパートの音符を作り出します。

clarinetNotes = \relative c'' {
  \transposition bes
  \key d \major
  b4 ais a ais | cis4^"quoted" r8 bis\p b4( f)
}

oboeNotes = \relative c'' {
  c4 cis c b \quoteDuring #"clarinet" { s1 }
}

\addQuote "clarinet" { \clarinetNotes }


\score {
  <<
    \new Staff \with { instrumentName = "Clarinet" } \clarinetNotes
    \new Staff \with { instrumentName = "Oboe" } \oboeNotes
  >>
}

[image of music]

デフォルトでは引用される音楽はすべてのアーティキュレーション、強弱記号、マークアップ等を含んでいます。quotedEventTypes コンテキスト プロパティを用いることで、引用される音楽から引用するオブジェクトを選択することが可能です。

fluteNotes = \relative c'' {
  a2 g2 |
  b4\<^"quoted" r8 ais a4\f( c->)
 }

oboeNotes = \relative c'' {
  c2. b4 |
  \quoteDuring #"flute" { s1 }
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\score {
  <<
    \set Score.quotedEventTypes = #'(note-event articulation-event
                                     crescendo-event rest-event
                                     slur-event dynamic-event)
    \new Staff \with { instrumentName = "Flute" } \fluteNotes
    \new Staff \with { instrumentName = "Oboe" } \oboeNotes
  >>
}

[image of music]

引用にもタグを付けることができます。タグを使用する を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: 楽器の移調, タグを使用する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: + Music classes, QuoteMusic, Voice

既知の問題と警告

\addQuote 中にある最初の Voice の内容だけが引用されます。そのため、音楽表記が \new\context Voice を含んでいても、それらの内容は引用されません。装飾小音符の引用はサポートされておらず、LilyPond がクラッシュする可能性さえあります。 ネストされた連符を引用しようとしてもうまくいきません。


合図音符をフォーマットする

合図音符をフォーマットする最も簡単な方法は、パートの中で明示的に CueVoice コンテキストを作成することです。

R1
<<
  { e2\rest r4. e8 }
  \new CueVoice {
    \stemUp d'8^"flute" c d e fis2
  }
>>
d,4 r a r

[image of music]

音部記号の変更が必要で、合図音符に適切なサイズの音部記号を譜刻する場合、\cueClef コマンドは明示的な CueVoice コンテキストと共に用いられます。その後、\cueClefUnset コマンドを用いて、オリジナルの音部記号 – 再度、適切なサイズにされた – に戻すことができます。

\clef "bass"
R1
<<
  { e2\rest r4. \cueClefUnset e,8 }
  \new CueVoice {
    \cueClef "treble" \stemUp d''8^"flute" c d e fis2
  }
>>
d,,4 r a r

[image of music]

必要があれば、CueVoice 無しで \cueClef コマンドと \cueClefUnset コマンドを用いることもできます。

\clef "bass"
R1
\cueClef "treble"
d'8^"flute" c d e fis2
\cueClefUnset
d,,4 r a r

[image of music]

もっと複雑な合図音符 – 例えば、移調を含んでいる、複数の音楽ソースからの合図音符を挿入する – の場合、\cueDuring コマンドや \cueDuringWithClef コマンドを用いることができます。これらのコマンドは \quoteDuring を特殊化したものです。\quoteDuring については、前のセクションの 他のボイスを引用する を参照してください。

構文は以下の通りです:

\cueDuring #quotename #direction #music

\cueDuringWithClef #quotename #direction #clef #music

quotename に対応する小節の音楽は CueVoice コンテキストとして追加されて music と同時進行して、多声になります。direction は引数 UP または DOWN を取り、それぞれ第 1 及び第 2 ボイスと調和して、合図音符が他のボイスに対してどのように譜刻されるかを決定します。

このコマンドは partname の該当する小節から音符と休符だけを CueVoice にコピーします。CueVoice は暗黙的に作成されて music と同時進行し、結果として多声になります。引数 voice は合図音符を第 1 ボイスとして記譜すべきか、第 2 ボイスとして記譜すべきかを決定します。UP は第 1 ボイスに相当し、DOWN は第 2 ボイスに相当します。

fluteNotes = \relative c'' {
  r2. c4 | d8 c d e fis2 | g2 d |
}

oboeNotes = \relative c'' {
  R1
  \new CueVoice { \set instrumentCueName = "flute" }
  \cueDuring #"flute" #UP { R1 }
  g2 c,
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\new Staff {
  \oboeNotes
}

[image of music]

instrumentCueName プロパティを設定することによって、\cueDuring で音楽のどの側面を引用するか調節することができます。このプロパティのデフォルト値は '(note-event rest-event tie-event beam-event tuplet-span-event) であり、音符、休符、タイ、連桁、それに連符だけが引用され、アーティキュレーション、強弱記号、マークアップ等は引用されません。

Note: 以下の例のように VoicecueDuring で始まる場合、Voice を明示的に宣言する必要があります。そうしないと音楽表記全体が CueVoice コンテキストに属してしまいます。

oboeNotes = \relative c'' {
  r2 r8 d16(\f f e g f a)
  g8 g16 g g2.
}
\addQuote "oboe" { \oboeNotes }

\new Voice \relative c'' {
  \set Score.quotedCueEventTypes = #'(note-event rest-event tie-event
                                      beam-event tuplet-span-event
                                      dynamic-event slur-event)
  \cueDuring #"oboe" #UP { R1 }
  g2 c,
}

[image of music]

一時的な CueVoice コンテキストの中の instrumentCueName プロパティを設定することで、合図を演奏する楽器の名前を表示させることができます。instrumentCueName の位置とスタイルは \instrumentSwitch オブジェクトによって制御されます – 楽器名 を参照してください。合図音符が音符記号の変更を必要とする場合、手動で変更することができますが、合図音符が終わったところで手動で元の音部記号に戻す必要がありmす。

fluteNotes = \relative c'' {
  r2. c4 d8 c d e fis2 g2 d2
}

bassoonNotes = \relative c {
  \clef bass
  R1
  \clef treble
  \new CueVoice { \set instrumentCueName = "flute" }
  \cueDuring #"flute" #UP { R1 }
  \clef bass
  g4. b8 d2
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\new Staff {
  \bassoonNotes
}

[image of music]

あるいはまた、代わりに \cueDuringWithClef 関数を用いることができます。このコマンドは追加の引数で音部の変更を指定して、合図音符に音部記号を譜刻しますが、合図音部が終了したところで元の音部記号を自動的に譜刻します。

fluteNotes = \relative c'' {
  r2. c4 d8 c d e fis2 g2 d2
}

bassoonNotes = \relative c {
  \clef bass
  R1
  \new CueVoice { \set instrumentCueName = "flute" }
  \cueDuringWithClef #"flute" #UP #"treble" { R1 }
  g4. b8 d2
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\new Staff {
  \bassoonNotes
}

[image of music]

\quoteDuring と同様に、\cueDuring は楽器の移調を考慮します。合図音符は合図を受け取る楽器のピッチで作り出され、ソース楽器の同じ響きのピッチになります。

合図音符を移調させるには \transposedCueDuring を使用します。このコマンドはコンサート ミドル C の音を表すピッチを (絶対モードで) 指定する追加の引数を取ります。これは、全く別の場所で登録された楽器から合図を取る場合に有用です。

piccoloNotes = \relative c''' {
  \clef "treble^8"
  R1
  c8 c c e g2
  c4 g g2
}

bassClarinetNotes = \relative c' {
  \key d \major
  \transposition bes,
  d4 r a r
  \transposedCueDuring #"piccolo" #UP d { R1 }
  d4 r a r
}

\addQuote "piccolo" { \piccoloNotes }

<<
  \new Staff \piccoloNotes
  \new Staff \bassClarinetNotes
>>

[image of music]

\killCues コマンドは音楽表記から合図音符を削除します。これにより、同じ音楽表記を使って合図を持つ楽器パートと楽譜を作り出すことが可能です。\killCues コマンドは \cueDuring によって引用された音符とイベントだけを削除します。合図に関連する他のマークアップ – 音部変更と引用元の楽器を識別するラベルなど – にはタグを付けて楽譜に含めるかどうかを選択することができます。タグを使用する を参照してください。

fluteNotes = \relative c'' {
  r2. c4 d8 c d e fis2 g2 d2
}

bassoonNotes = \relative c {
  \clef bass
  R1
  \tag #'part {
    \clef treble
  \new CueVoice { \set instrumentCueName = "flute" }
  }
  \cueDuring #"flute" #UP { R1 }
  \tag #'part \clef bass
  g4. b8 d2
}

\addQuote "flute" { \fluteNotes }

\new Staff {
  \bassoonNotes
}

\new StaffGroup <<
  \new Staff {
    \fluteNotes
  }
  \new Staff {
    \removeWithTag #'part { \killCues { \bassoonNotes } }
  }
>>

[image of music]

あるいはまた、音部変更や楽器ラベルを再利用するために、\addInstrumentDefinition を用いて楽器の定義に含めることができます。\addInstrumentDefinition についての説明は 楽器名 を参照してください。

参照

記譜法リファレンス: 他のボイスを引用する, 楽器の移調, 楽器名, 音部記号, 合図, タグを使用する

コード断片集: Staff notation

内部リファレンス: CueVoice, Voice

既知の問題と警告

\cueDuring を使用した場合、Voice コンテキストと CueVoice コンテキストの間で休符の衝突が発生する可能性があります。\cueDuringWithClef\transposedCueDuring を使用する場合、追加で必要となる引数は引用と向きの後に配置する必要があります。


1.7 編集者の注釈

[image of music]

このセクションでは、音符の見た目を変える方法と、分析や教育的な強調を付け加える方法について議論します。


1.7.1 譜の内部

このセクションでは、譜の内部にある要素に強調を付け加える方法について説明します。


記譜フォント サイズを選択する

記譜要素のフォント サイズを変更することができます。これは連桁やスラーなどの可変シンボルのサイズは変更しません。

Note: テキストのフォント サイズを変更する方法については フォントとフォント サイズを選択する を参照してください。

\huge
c4.-> d8---3
\large
c4.-> d8---3
\normalsize
c4.-> d8---3
\small
c4.-> d8---3
\tiny
c4.-> d8---3
\teeny
c4.-> d8---3

[image of music]

内部的には、これは fontSize プロパティを設定します。この設定により font-size プロパティがすべてのレイアウト オブジェクトにセットされます。font-size の値は、カレントの譜の高さでの標準フォント サイズからの相対値を表している数字です。1 段階上がる毎にフォント サイズは約 12% 増加します。6 段階でちょうど 2 倍になります。Scheme 関数 magstepfont-size 数をスケーリング ファクタに変換します。font-size プロパティを直接設定することも可能です。そうした場合、特定のレイアウト オブジェクトだけが影響を受けます。

\set fontSize = #3
c4.-> d8---3
\override NoteHead.font-size = #-4
c4.-> d8---3
\override Script.font-size = #2
c4.-> d8---3
\override Stem.font-size = #-5
c4.-> d8---3

[image of music]

フォント サイズの変更は、ひな形のサイズが望みのサイズに最も近くなるよう (一定の割合で) 増減することによって、達成されます標準フォント サイズ (font-size = #0 のフォント サイズ) は標準の譜の高さに基づきます。20pt の譜では、10pt のフォントが選択されます。

font-size プロパティはフォントを使用するレイアウト オブジェクトだけにセットすることができますそのようなオブジェクトは font-interface レイアウト インタフェイスをサポートします。

定義済みコマンド

\teeny, \tiny, \small, \normalsize, \large, \huge

参照

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: font-interface


運指の指示

運指の指示は 音符-数字 を用いることで挿入することができます:

c4-1 d-2 f-4 e-3

[image of music]

指の変更のためにマークアップ テキストや文字列が使用されることもあります。

c4-1 d-2 f-4 e-3

[image of music]

指の入れ替えのためにマークアップ テキストを使うこともできます。

c4-1 d-2 f\finger \markup \tied-lyric #"4~3" c\finger "2 - 3"

[image of music]

ある音符を親指で演奏するよう指示するために、サム-スクリプト (thumb-script) を付け加えることができます (例えば、チェロ音楽で)。

<a_\thumb a'-3>2 <b_\thumb b'-3>

[image of music]

和音の個々の音符の後に運指を付け加えることによって、和音に対する運指法を付け加えることができます。

<c-1 e-2 g-3 b-5>2 <d-1 f-2 a-3 c-5>

[image of music]

運指指示の配置を手動で譜の上または下にすることができます。向きと配置 を参照してください。

Selected Snippets

Controlling the placement of chord fingerings

The placement of fingering numbers can be controlled precisely. For fingering orientation to apply, you must use a chord construct <> even if it is a single note.

\relative c' {
  \set fingeringOrientations = #'(left)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(down)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(down right up)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(up)
  <c-1 e-3 a-5>4
  \set fingeringOrientations = #'(left)
  <c-1>2
  \set fingeringOrientations = #'(down)
  <e-3>2
}

[image of music]

Allowing fingerings to be printed inside the staff

By default, vertically oriented fingerings are positioned outside the staff. However, this behavior can be canceled. Note: you must use a chord construct <>, even if it is only a single note.

\relative c' {
  <c-1 e-2 g-3 b-5>2
  \override Fingering.staff-padding = #'()
  <c-1 e-2 g-3 b-5>4 <g'-0>
}

[image of music]

Avoiding collisions with chord fingerings

Fingerings and string numbers applied to individual notes will automatically avoid beams and stems, but this is not true by default for fingerings and string numbers applied to the individual notes of chords. The following example shows how this default behavior can be overridden.

\relative c' {
  \set fingeringOrientations = #'(up)
  \set stringNumberOrientations = #'(up)
  \set strokeFingerOrientations = #'(up)

  % Default behavior
  r8
  <f c'-5>8
  <f c'\5>8
  <f c'-\rightHandFinger #2 >8

  % Corrected to avoid collisions
  r8
  \override Fingering.add-stem-support = ##t
  <f c'-5>8
  \override StringNumber.add-stem-support = ##t
  <f c'\5>8
  \override StrokeFinger.add-stem-support = ##t
  <f c'-\rightHandFinger #2 >8
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 向きと配置

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: FingeringEvent, fingering-event, Fingering_engraver, New_fingering_engraver, Fingering


隠された音符

隠された (または不可視、透明の) 音符は、preparing theory や作曲の演習の際に有用です。

c4 d
\hideNotes
e4 f
\unHideNotes
g a
\hideNotes
b
\unHideNotes
c

[image of music]

符頭、符幹、旗、それに休符は不可視です。連桁は、隠された音符から始まる場合は、不可視です。 不可視の音符に取り付けられたオブジェクトは可視のままです。

e8(\p f g a)--
\hideNotes
e8(\p f g a)--

[image of music]

定義済みコマンド

\hideNotes, \unHideNotes

参照

学習マニュアル: オブジェクトの可視性と色

Notation Reference: 不可視の休符, オブジェクトの可視性, 譜を隠す

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Note_spacing_engraver, NoteSpacing


オブジェクトに色を付ける

個々のオブジェクトに色を割り振ることができます。有効なカラー名は List of colors でリストアップされています。

\override NoteHead.color = #red
c4 c
\override NoteHead.color = #(x11-color 'LimeGreen)
d
\override Stem.color = #blue
e

[image of music]

Scheme 関数 x11-color を用いることによって、X11 のために定義された色の全範囲にアクセスすることができます。この関数は引数を 1 つとります。この引数は 'FooBar という形式のシンボルであったり、"FooBar" という形式の文字列であったりします。最初の形式はより素早く記述できて、より効率的です。しかしながら、2 番目の形式を使うと複数単語形式の X11 カラーにアクセスすることができます。

x11-color がパラメータとして意味をなさない場合、その色はデフォルトの黒になります。

\override Staff.StaffSymbol.color = #(x11-color 'SlateBlue2)
\set Staff.instrumentName = \markup {
  \with-color #(x11-color 'navy) "Clarinet"
}

gis8 a
\override Beam.color = #(x11-color "medium turquoise")
gis a
\override Accidental.color = #(x11-color 'DarkRed)
gis a
\override NoteHead.color = #(x11-color "LimeGreen")
gis a
% 以下は意図的に意味をなさない色を指定しています。符幹が黒のままであることに注意してください
\override Stem.color = #(x11-color 'Boggle)
b2 cis

[image of music]

Scheme 関数 rgb-color を用いることによって、厳密な RGB カラーを指定することができます。

\override Staff.StaffSymbol.color = #(x11-color 'SlateBlue2)
\set Staff.instrumentName = \markup {
  \with-color #(x11-color 'navy) "Clarinet"
}

\override Stem.color = #(rgb-color 0 0 0)
gis8 a
\override Stem.color = #(rgb-color 1 1 1)
gis8 a
\override Stem.color = #(rgb-color 0 0 0.5)
gis4 a

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: List of colors, \tweak コマンド

コード断片集: Editorial annotations

既知の問題と警告

X11 カラーは必ずしも同様の名前を持つノーマル カラーとまったく同じとなるわけではありません。

すべての X11 カラーが Web ブラウザで見分けられるわけではありません。つまり、ある Web ブラウザは LineGreenForestGreen を同じ色で表示するかもしれません。Web 向けでは、ノーマル カラーを使用することを推奨します (つまり、blue, green, red)。

和音の中にある音符には \override で色を付けることはできません。\override の代わりに \tweak を使用してください – \tweak コマンド を参照してください。


括弧

音楽イベントの前に \parenthesize を置くことによって、そのオブジェクトに括弧を付けることができます。和音の前に \parenthesize を置くと、和音の音符それぞれに括弧が付けられます。和音内部の音符に個別に括弧を付けることもできます。

c2 \parenthesize d
c2 \parenthesize <c e g>
c2 <c \parenthesize e g>

[image of music]

音符ではないオブジェクトにも括弧を付けることができます。アーティキュレーションに対して括弧をつける場合、\parenthesize コマンドの前にハイフンが必要です。

c2-\parenthesize -. d
c2 \parenthesize r

[image of music]

参照

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Parenthesis_engraver, ParenthesesItem, parentheses-interface

既知の問題と警告

和音に括弧を付けると、和音全体に単一の大きな括弧が付くのではなく、それぞれの音符に個別に括弧が付きます。


符幹

音符が見つかった場合はいつでも Stem オブジェクトが自動的に作成されます。全音符や休符の場合でも Stem オブジェクトが作成されますが、不可視になります。

符幹の向きを手動で上または下にすることができます – 向きと配置 を参照してください。

定義済みコマンド

\stemUp, \stemDown, \stemNeutral

Selected Snippets

Default direction of stems on the center line of the staff

The default direction of stems on the center line of the staff is set by the Stem property neutral-direction.

\relative c'' {
  a4 b c b
  \override Stem.neutral-direction = #up
  a4 b c b
  \override Stem.neutral-direction = #down
  a4 b c b
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 向きと配置

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Stem_engraver, Stem, stem-interface


1.7.2 譜の外部

このセクションでは、譜の外側から譜の中にある要素を強調するための方法について説明します。


バルーン ヘルプ

記譜要素に四角いバルーンで印を付けて、テキストを付け加えることができます。この機能の主目的は記譜法を説明することです。

\new Voice \with { \consists "Balloon_engraver" }
{
  \balloonGrobText #'Stem #'(3 . 4) \markup { "I'm a Stem" }
  a8
  \balloonGrobText #'Rest #'(-4 . -4) \markup { "I'm a rest" }
  r
  <c, g'-\balloonText #'(-2 . -2) \markup { "I'm a note head" } c>2.
}

[image of music]

上の例には 2 つの音楽関数が使われています – balloonGrobTextballoonText です。前者は \once \override のように使用され、任意のグラフィカル オブジェクトにテキストを付加します。後者はたいてい和音の中で \tweak のように使用され、個々の音符にテキストを付加します。

通常、バルーン ヘルプのテキストは音符の間隔に影響を与えますが、影響を与えないよう変更することもできます:

Balloon text normally influences note spacing, but this can be altered:

\new Voice \with { \consists "Balloon_engraver" }
{
  \balloonLengthOff
  \balloonGrobText #'Stem #'(3 . 4) \markup { "I'm a Stem" }
  a8
  \balloonGrobText #'Rest #'(-4 . -4) \markup { "I'm a rest" }
  r
  \balloonLengthOn
  <c, g'-\balloonText #'(-2 . -2) \markup { "I'm a note head" } c>2.
}

[image of music]

定義済みコマンド

\balloonLengthOn, \balloonLengthOff

参照

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Balloon_engraver, BalloonTextItem, balloon-interface


グリッド ライン

音符に同期して、譜の間に垂直な線を描くことができます。

線の終点を作成するために Grid_point_engraver を用いる必要があります。一方、実際に線を描くために Grid_line_span_engraver を用いる必要があります。デフォルトでは、グリッド ラインは各符頭の左端に揃えられます。グリッド ラインは上の譜の中央線から下の譜の中央線まで引かれます。gridInterval でグリッド ライン間の演奏時間を指定する必要があります。

\layout {
  \context {
    \Staff
    \consists "Grid_point_engraver"
    gridInterval = #(ly:make-moment 1/4)
  }
  \context {
    \Score
    \consists "Grid_line_span_engraver"
  }
}

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff \relative c'' {
      \stemUp
      c4. d8 e8 f g4
    }
    \new Staff \relative c {
      \clef bass
      \stemDown
      c4 g' f e
    }
  >>
}

[image of music]

Selected Snippets

Grid lines: changing their appearance

The appearance of grid lines can be changed by overriding some of their properties.

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff {
      \relative c'' {
        \stemUp
        c'4. d8 e8 f g4
      }
    }
    \new Staff {
      \relative c {
        % this moves them up one staff space from the default position
        \override Score.GridLine.extra-offset = #'(0.0 . 1.0)
        \stemDown
        \clef bass
        \once \override Score.GridLine.thickness = #5.0
        c4
        \once \override Score.GridLine.thickness = #1.0
        g'4
        \once \override Score.GridLine.thickness = #3.0
        f4
        \once \override Score.GridLine.thickness = #5.0
        e4
      }
    }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Staff
      % set up grids
      \consists "Grid_point_engraver"
      % set the grid interval to one quarter note
      gridInterval = #(ly:make-moment 1/4)
    }
    \context {
      \Score
      \consists "Grid_line_span_engraver"
      % this moves them to the right half a staff space
      \override NoteColumn.X-offset = #-0.5
    }
  }
}

[image of music]

参照

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Grid_line_span_engraver, Grid_point_engraver, GridLine, GridPoint, grid-line-interface, grid-point-interface.


分析の囲み

音楽分析では、囲みを使って楽曲の構造を示します。シンプルな水平な囲みがサポートされています。

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists "Horizontal_bracket_engraver"
  }
}
\relative c'' {
  c2\startGroup
  d\stopGroup
}

[image of music]

Analysis brackets may be nested.

\layout {
  \context {
    \Voice
    \consists "Horizontal_bracket_engraver"
  }
}
\relative c'' {
  c4\startGroup\startGroup
  d4\stopGroup
  e4\startGroup
  d4\stopGroup\stopGroup
}

[image of music]

参照

コード断片集: Editorial annotations

内部リファレンス: Horizontal_bracket_engraver, HorizontalBracket, horizontal-bracket-interface, Staff


1.8 テキスト

[image of music]

このセクションでは、楽譜に (さまざまなフォーマットの) テキストを含める方法について説明します。

ここでは扱わないいくつかのテキスト要素については他のセクションで説明します: 声楽, タイトルとヘッダ


1.8.1 テキストを記述する

このセクションでは、楽譜にテキストを付け加えるいくつかの方法を紹介します。

Note: アクセント付きのテキストや特殊なテキスト (他の言語の文字など) を記述するには、単純にその文字を直接 LilyPond ファイルに挿入します。ファイルは UTF-8 で保存しなければなりません。更なる情報は テキスト エンコーディング を参照してください。


テキスト スクリプト

以下の例で示すように、シンプルな “引用符で囲まれたテキスト” 指示を楽譜に付け加えることができます。そのような指示は、向きと配置 で説明する構文を用いて、手動で譜の上または下に配置することができます。

a8^"pizz." g f e a4-"scherz." f

[image of music]

この構文は実際には短縮記法です。テキストをフォーマットする で記述されているように、\markup ブロックを用いて明示的に、より複雑なテキスト フォーマットを音符に付け加えることができます。

a8^\markup { \italic pizz. } g f e
a4_\markup { \tiny scherz. \bold molto } f

[image of music]

デフォルトでは、テキスト指示は音符の間隔に影響を与えません。しかしながら、テキスト指示の幅を考慮に入れることもできます: 以下の例では、最初のテキスト文字列は音符の間隔に影響を与えていませんが、2 番目のテキスト文字列は影響を与えています。

a8^"pizz." g f e
\textLengthOn
a4_"scherzando" f

[image of music]

テキスト スクリプトだけでなく、アーティキュレーションを音符に付けることもできます。更なる情報は アーティキュレーションと装飾 を参照してください。

テキスト スクリプトとアーティキュレーションの順序についての更なる情報は オブジェクトの配置 を参照してください。

定義済みコマンド

\textLengthOn, \textLengthOff

参照

学習マニュアル: オブジェクトの配置

記譜法リファレンス: テキストをフォーマットする, 向きと配置, アーティキュレーションと装飾

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript

既知の問題と警告

テキスト スクリプトと歌詞がマージンに収まることを保証するためのチェックは計算量を増やします。処理速度を上げる必要がある場合は、以下を用います:

\override Score.PaperColumn.keep-inside-line = ##f

テキスト スパナ

いくつかの演奏指示 – 例えば rallentandoaccelerando – は、テキストとして記述され、点線で複数の音符の上に伸ばされます。そのようなオブジェクト – “スパナ” と呼ばれます – は、以下の構文を用いることで、ある音符から他の音符までの範囲に作成することができます:

\override TextSpanner.bound-details.left.text = "rit."
b1\startTextSpan
e,\stopTextSpan

[image of music]

譜刻される文字列はオブジェクト プロパティを通じてセットされます。デフォルトでは文字列はイタリック体で譜刻されます。しかしながら、テキストをフォーマットする で記述されているように、\markup ブロックを用いることで他の書体にすることができます。

\override TextSpanner.bound-details.left.text =
  \markup { \upright "rit." }
b1\startTextSpan c
e,\stopTextSpan

[image of music]

テキスト文字列と同様に、線のスタイルもオブジェクト プロパティとして定義することができます。線スタイルの構文は ライン スタイル で記述されています。

定義済みコマンド

\textSpannerUp, \textSpannerDown, \textSpannerNeutral.

既知の問題と警告

LilyPond が処理できるテキスト スパナは 1 ボイスにつき、1 つだけです。

Selected Snippets

Dynamics text spanner postfix

Custom text spanners can be defined and used with hairpin and text crescendos. \< and \> produce hairpins by default, \cresc etc. produce text spanners by default.

% Some sample text dynamic spanners, to be used as postfix operators
crpoco =
#(make-music 'CrescendoEvent
             'span-direction START
             'span-type 'text
             'span-text "cresc. poco a poco")

\relative c' {
  c4\cresc d4 e4 f4 |
  g4 a4\! b4\crpoco c4 |
  c4 d4 e4 f4 |
  g4 a4\! b4\< c4 |
  g4\dim a4 b4\decresc c4\!
}

[image of music]

Dynamics custom text spanner postfix

Postfix functions for custom crescendo text spanners. The spanners should start on the first note of the measure. One has to use -\mycresc, otherwise the spanner start will rather be assigned to the next note.

% Two functions for (de)crescendo spanners where you can explicitly give the
% spanner text.
mycresc =
#(define-music-function (parser location mymarkup) (markup?)
   (make-music 'CrescendoEvent
               'span-direction START
               'span-type 'text
               'span-text mymarkup))
mydecresc =
#(define-music-function (parser location mymarkup) (markup?)
   (make-music 'DecrescendoEvent
               'span-direction START
               'span-type 'text
               'span-text mymarkup))

\relative c' {
  c4-\mycresc "custom cresc" c4 c4 c4 |
  c4 c4 c4 c4 |
  c4-\mydecresc "custom decresc" c4 c4 c4 |
  c4 c4\! c4 c4
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: ライン スタイル, 強弱記号, テキストをフォーマットする

コード断片集: Text, Expressive marks

内部リファレンス: TextSpanner


テキスト マーク

リハーサル記号 で記述されている構文を用いて、さまざまなテキスト要素を楽譜に付け加えることができます:

c4
\mark "Allegro"
c c c

[image of music]

この構文を用いることで、任意のテキストを小節線上に配置することが可能です。テキストをフォーマットする で記述されているように、\markup ブロックを用いてより複雑なテキスト フォーマットを付け加えることもできます:

<c e>1
\mark \markup { \italic { colla parte } }
<d f>2 <e g>
<c f aes>1

[image of music]

さらに、マークアップ内部での音楽記譜法 で説明されているように、この構文で適切なシンボル名を指定することによって、特殊な記号 – コーダ、セーニョ、フェルマータなど – を譜刻することが可能です:

<bes f>2 <aes d>
\mark \markup { \musicglyph #"scripts.ufermata" }
<e g>1

[image of music]

このようなオブジェクトを配置できる位置は、楽譜の最上段の譜の上だけです。オブジェクトを小節の終わりで指定するか、途中で指定するか次第で、小節線の上に配置されたり、音符の間に配置されたりします。改行位置で指定した場合、そのマークは次の行の先頭に譜刻されます。

\mark "Allegro"
c1 c
\mark "assai" \break
c  c

[image of music]

Selected Snippets

Printing marks at the end of a line

Marks can be printed at the end of the current line, instead of the beginning of the following line. In such cases, it might be preferable to align the right end of the mark with the bar line.

\relative c'' {
  g2 c
  d,2 a'
  \once \override Score.RehearsalMark.break-visibility = #end-of-line-visible
  \once \override Score.RehearsalMark.self-alignment-X = #RIGHT
  \mark "D.C. al Fine"
  \break
  g2 b,
  c1 \bar "||"
}

[image of music]

Printing marks on every staff

Although text marks are normally only printed above the topmost staff, they may also be printed on every staff.

\score {
  <<
    \new Staff { c''1 \mark "molto" c'' }
    \new Staff { c'1 \mark "molto" c' }
  >>
  \layout {
    \context {
      \Score
      \remove "Mark_engraver"
      \remove "Staff_collecting_engraver"
    }
    \context {
      \Staff
      \consists "Mark_engraver"
      \consists "Staff_collecting_engraver"
    }
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: リハーサル記号, テキストをフォーマットする, マークアップ内部での音楽記譜法, The Feta font

コード断片集: Text

内部リファレンス: MarkEvent, Mark_engraver, RehearsalMark


独立したテキスト

\markup ブロックはそれ自体で、すべての \score ブロックの外側に、“最上位レベルの表記” として存在することができます。この構文は ファイル構造 で記述されています。

\markup {
  Tomorrow, and tomorrow, and tomorrow...
}

[image of music]

これによりテキストを音楽から分離して譜刻することが可能になります。これは、book の中にある複数の score で記述されているように、入力ファイルが複数の楽曲を保持している場合に特に有用です。

\score {
  c'1
}
\markup {
  Tomorrow, and tomorrow, and tomorrow...
}
\score {
  c'1
}

[image of music]

独立したテキスト ブロックは複数のページに広がることができます。これにより、テキスト ドキュメントやブック全体を LilyPond の中に譜刻することが可能になります。この機能と、この機能の構文は 複数ページにわたるマークアップ で記述されています。

定義済みコマンド

\markup, \markuplist

Selected Snippets

Stand-alone two-column markup

Stand-alone text may be arranged in several columns using \markup commands:

\markup {
  \fill-line {
    \hspace #1
    \column {
      \line { O sacrum convivium }
      \line { in quo Christus sumitur, }
      \line { recolitur memoria passionis ejus, }
      \line { mens impletur gratia, }
      \line { futurae gloriae nobis pignus datur. }
      \line { Amen. }
    }
    \hspace #2
    \column \italic {
      \line { O sacred feast }
      \line { in which Christ is received, }
      \line { the memory of His Passion is renewed, }
      \line { the mind is filled with grace, }
      \line { and a pledge of future glory is given to us. }
      \line { Amen. }
    }
    \hspace #1
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: テキストをフォーマットする, ファイル構造, book の中にある複数の score, 複数ページにわたるマークアップ

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript


1.8.2 テキストをフォーマットする

このセクションでは、\markup モード特有の構文を用いた基本的かつ高度なテキスト フォーマットについて説明します。


テキスト マークアップの導入部

\markup ブロックは “マークアップ モード” と呼ばれる拡張可能な構文でテキストを譜刻するために用いられます。

マークアップ構文は LilyPond の通常の構文と同様です: \markup 表記は波括弧 { … } で囲まれます。単語 1 つが最小の表記と見なされ、その場合は波括弧で囲む必要はありません。

シンプルな “引用符で囲まれたテキスト” 指示とは異なり、\markup ブロックは、バックスラッシュ \ を用いて挿入されるネストされた表記やマークアップ コマンドを保持することができます。そのようなコマンドは直後の表記にのみ影響を与えます。

a1-\markup intenso
a2^\markup { poco \italic più forte  }
c e1
d2_\markup { \italic "string. assai" }
e
b1^\markup { \bold { molto \italic  agitato } }
c

[image of music]

また、\markup ブロックは引用符で囲まれたテキスト文字列を保持することがあります。そのような文字列は最小のテキスト表記として扱われます。そのため、引用符で囲まれたマークアップ コマンドや特殊文字 (\# など) はテキストのフォーマットに影響を与えず、そのまま (逐語的に) 譜刻されます。ダブル クォーテーション自体は、それ自体の前にバックスラッシュを置くことによって譜刻されます。

a1^"\italic markup..."
a_\markup { \italic "... prints \"italic\" letters!" }
a a

[image of music]

表記をばらばらなものとして扱うには、単語のリストをダブル クォーテーションで囲むか、前にコマンドを置く必要があります。マークアップ表記の定義の仕方は、表記の配置のされ方 – 垂直に中央揃えして積み重ねられる、水平に並べられる – に影響を与えます。以下の例では、2 番目の \markup 表記は 1 番目の表記と同じように扱われています:

c1^\markup { \center-column { a bbb c } }
c1^\markup { \center-column { a { bbb c } } }
c1^\markup { \center-column { a \line { bbb c } } }
c1^\markup { \center-column { a "bbb c" } }

[image of music]

マークアップを変数に格納することができます。そのような変数は直接音符にくっつけることができます:

allegro = \markup { \bold \large Allegro }

{
  d''8.^\allegro
  d'16 d'4 r2
}

[image of music]

Text markup commands\markup 特有のコマンドの徹底したリストがあります。

参照

記譜法リファレンス: Text markup commands

インストールされているファイル: ‘scm/markup.scm

コード断片集: Text

既知の問題と警告

マークアップ モードの構文エラーは混乱しやすいです。


フォントとフォント サイズを選択する

マークアップ モードでは、基本的なフォント切り替えがサポートされています:

d1^\markup {
  \bold { Più mosso }
  \italic { non troppo \underline Vivo }
}
r2 r4 r8
d,_\markup { \italic quasi \smallCaps Tromba }
f1 d2 r

[image of music]

フォント サイズをいくつかの方法でグローバル譜サイズとの相対値で変更することができます。

フォント サイズをあらかじめ定義されているサイズに設定することができます:

b1_\markup { \huge Sinfonia }
b1^\markup { \teeny da }
b1-\markup { \normalsize camera }

[image of music]

フォント サイズを前の値との相対関係で設定することができます:

b1_\markup { \larger Sinfonia }
b1^\markup { \smaller da }
b1-\markup { \magnify #0.6  camera }

[image of music]

フォント サイズをグローバル譜サイズによって設定されている値で拡大あるいは縮小させることができます:

b1_\markup { \fontsize #-2 Sinfonia }
b1^\markup { \fontsize #1 da }
b1-\markup { \fontsize #3 camera }

[image of music]

さらに、フォント サイズをグローバル譜サイズとは無関係に、固定ポイント サイズに設定することができます:

b1_\markup { \abs-fontsize #20 Sinfonia }
b1^\markup { \abs-fontsize #8 da }
b1-\markup { \abs-fontsize #14 camera }

[image of music]

テキストを下付き文字あるいは上付き文字として譜刻することができます。デフォルトでは、それらは小さなサイズで譜刻されますが、通常サイズにすることもできます:

\markup {
  \column {
    \line { 1 \super st movement }
    \line { 1 \normal-size-super st movement
      \sub { (part two) }  }
  }
}

[image of music]

マークアップ モードは代わりのフォント ファミリを選択するための簡単な方法を提供します。他を指定しないかぎり、デフォルトの Serif フォント – ローマン体 – が自動的に選択されます。以下の例の最後の行では、最初の単語と 2 番目の単語はまったく同じです。

\markup {
  \column {
    \line { Act \number 1 }
    \line { \sans { Scene I. } }
    \line { \typewriter { Verona. An open place. } }
    \line { Enter \roman Valentine and Proteus. }
  }
}

[image of music]

新たな強弱記号手動の繰り返し記号 で言及されているように、番号や強弱記号など特定の項目に用いられるフォント ファミリの中にはすべての文字を提供しないものもあります。

フォント切り替えやフォーマット コマンドの中には、単語の中で使用されると望まない空白を作り出すものがあります。これはテキスト要素をつなげることによって容易に解決できます:

\markup {
  \column {
    \line {
      \concat { 1 \super st }
      movement
    }
    \line {
      \concat { \dynamic p , }
      \italic { con dolce espressione }
    }
  }
}

[image of music]

フォント に フォント切り換えとフォントのカスタム コマンドの徹底したリストがあります。

フォント で説明されているように、カスタム フォント セットを定義することも可能です。

定義済みコマンド

\teeny, \tiny, \small, \normalsize, \large, \huge, \smaller, \larger

参照

記譜法リファレンス: フォント, 新たな強弱記号, 手動の繰り返し記号, フォント

インストールされているファイル: ‘scm/define-markup-commands.scm

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript

既知の問題と警告

フォントのサイズ コマンド \teeny, \tiny, \small, \normalsize, \large それに \huge を用いると、\fontsize を用いた場合と比較して、つじつまの合わない行間になります。


テキスト揃え

このサブセクションでは、マークアップ モードのテキストを配置する方法について説明します。 オブジェクトを移動させる で記述されている構文を用いて、マークアップ オブジェクト全体を移動させることも可能です。

マークアップ オブジェクトの揃え方はいくつかあります。デフォルトでは、テキスト指示はそのテキストの左端で揃えられます: 以下の例では、最初のマークアップと 2 番目のマークアップの揃えられ方はまったく同じです。

d1-\markup { poco }
f
d-\markup { \left-align poco }
f
d-\markup { \center-align { poco } }
f
d-\markup { \right-align poco }

[image of music]

水平方向の揃え方は、数値を使って、微調整することができます:

a1-\markup { \halign #-1 poco }
e'
a,-\markup { \halign #0 poco }
e'
a,-\markup { \halign #0.5 poco }
e'
a,-\markup { \halign #2 poco }

[image of music]

オブジェクトの中には揃えるためのプロシージャをそれ自身で持っているものがあり、それらは上記のコマンドでは影響を受けません。テキスト マーク の中の例で示されているように、そのようなマークアップ オブジェクト全体を移動させることが可能です。

垂直方向に揃える方法はもう少し複雑です。上で述べたようにマークアップ オブジェクト全体を移動させることが可能ですが、マークアップ ブロックの中にある特定の要素を移動させることも可能です。 特定要素だけをを移動させるには、移動させる要素の前に アンカ ポイント – もう 1 つのオブジェクト要素、あるいは不可視のオブジェクト要素 – を置く必要があります。以下の例では 2 つのケースを示しています。最後のマークアップはアンカ ポイントを持たず、それゆえ移動されません。

d2^\markup {
  Acte I
  \raise #2 { Scène 1 }
}
a'
g_\markup {
  \null
  \lower #4 \bold { Très modéré }
}
a
d,^\markup {
  \raise #4 \italic { Une forêt. }
}
a'4 a g2 a

[image of music]

コマンドの中にはマークアップ モードの中にあるテキスト オブジェクトの水平方向と垂直方向の両方の揃え方に影響を与えることができるものもあります。そのようなコマンドで移動させるオブジェクトの前にはアンカ ポイントを置く必要があります:

d2^\markup {
  Acte I
  \translate #'(-1 . 2) "Scène 1"
}
a'
g_\markup {
  \null
  \general-align #Y #3.2 \bold "Très modéré"
}
a
d,^\markup {
  \null
  \translate-scaled #'(-1 . 2) \teeny "Une forêt."
}
a'4 a g2 a

[image of music]

マークアップ オブジェクトに何行かのテキストが含まれる場合もあります。以下の例では、それぞれの要素あるいは表記はそれ自体の行に配置され、左揃えあるいは中央揃えされています:

\markup {
  \column {
    a
    "b c"
    \line { d e f }
  }
  \hspace #10
  \center-column {
    a
    "b c"
    \line { d e f }
  }
}

[image of music]

同様に、要素あるいは表記のリストの広がりが水平の行幅いっぱいを占めることがあります (要素が 1 つだけの場合、その要素はページの中央に揃えられます)。さらに、そのような表記は複数行にわたるテキストや他の任意の表記を含むことができます:

\markup {
  \fill-line {
    \line { William S. Gilbert }
    \center-column {
      \huge \smallCaps "The Mikado"
      or
      \smallCaps "The Town of Titipu"
    }
    \line { Sir Arthur Sullivan }
  }
}
\markup {
  \fill-line { 1885 }
}

[image of music]

さらに、長いテキスト指示を自動的に行幅に合わせて折り返すことができます。そのようなテキスト指示は、以下の例で示すように、左揃えされるか両端揃えされます。

\markup {
  \column {
    \line  \smallCaps { La vida breve }
    \line \bold { Acto I }
    \wordwrap \italic {
      (La escena representa el corral de una casa de
      gitanos en el Albaicín de Granada.  Al fondo una
      puerta por la que se ve el negro interior de
      una Fragua, iluminado por los rojos resplandores
      del fuego.)
    }
    \hspace #0

    \line \bold { Acto II }
    \override #'(line-width . 50)
    \justify \italic {
      (Calle de Granada.  Fachada de la casa de Carmela
      y su hermano Manuel con grandes ventanas abiertas
      a través de las que se ve el patio
      donde se celebra una alegre fiesta)
    }
  }
}

[image of music]

Align にテキスト揃えコマンドの徹底したリストがあります。

参照

学習マニュアル: オブジェクトを移動させる

記譜法リファレンス: Align, テキスト マーク

インストールされているファイル: ‘scm/define-markup-commands.scm’.

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript


マークアップ内部でのグラフィック記譜法

マークアップ コマンドを用いて、さまざまなグラフィック オブジェクトを楽譜に付け加えることができます。

以下の例で示すように、マークアップ コマンドの中にはテキスト要素をグラフィックスで飾り付けることができるものがあります。

\markup \fill-line {
  \center-column {
    \circle Jack
    \box "in the box"
    \null
    \line {
      Erik Satie
      \hspace #3
      \bracket "1866 - 1925"
    }
    \null
    \rounded-box \bold Prelude
  }
}

[image of music]

コマンドの中にはテキストの周りのパディングを増やすことを必要とするものもあります。パティングの増加は Align で徹底的に記述されているマークアップ コマンドを用いて達成できます。

\markup \fill-line {
  \center-column {
    \box "Charles Ives (1874 - 1954)"
    \null
    \box \pad-markup #2 "THE UNANSWERED QUESTION"
    \box \pad-x #8 "A Cosmic Landscape"
    \null
  }
}
\markup \column {
  \line {
    \hspace #10
    \box \pad-to-box #'(-5 . 20) #'(0 . 5)
      \bold "Largo to Presto"
  }
  \pad-around #3
      "String quartet keeps very even time,
Flute quartet keeps very uneven time."
}

[image of music]

テキストを持たないグラフィック要素やシンボルを譜刻することもできます。他のマークアップ表記と同様に、そのようなオブジェクトも組み合わせることができます。

\markup {
  \combine
    \draw-circle #4 #0.4 ##f
    \filled-box #'(-4 . 4) #'(-0.5 . 0.5) #1
  \hspace #5

  \center-column {
    \triangle ##t
    \combine
      \draw-line #'(0 . 4)
      \arrow-head #Y #DOWN ##f
  }
}

[image of music]

高度なグラフィック機能として、外部画像ファイルを Encapsulated PostScript フォーマット (eps) に変換してインクルードする機能や、ネイティブの PostScript コードを用いてグラフィックを直接に入力ファイルへ埋め込む機能があります。このような機能を使う場合、以下で示すように、描画サイズを明示的に指定することを推奨します:

c1^\markup {
  \combine
    \epsfile #X #10 #"./context-example.eps"
    \with-dimensions #'(0 . 6) #'(0 . 10)
    \postscript #"
      -2 3 translate
      2.7 2 scale
      newpath
      2 -1 moveto
      4 -2 4 1 1 arct
      4 2 3 3 1 arct
      0 4 0 3 1 arct
      0 0 1 -1 1 arct
      closepath
      stroke"
  }
c

[image of music]

Graphic にグラフィック特有のコマンドの徹底したリストがあります。

参照

記譜法リファレンス: Graphic, 編集者の注釈, Align

インストールされているファイル: ‘scm/define-markup-commands.scm’, ‘scm/stencil.scm

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript


マークアップ内部での音楽記譜法

マークアップ オブジェクトの内部で、さまざまな音楽記譜要素を楽譜に付け加えることができます。

音符と臨時記号はマークアップ コマンドを用いて入力することができます:

a2 a^\markup {
  \note #"4" #1
  =
  \note-by-number #1 #1 #1.5
}
b1_\markup {
  \natural \semiflat \flat
  \sesquiflat \doubleflat
}
\glissando
a1_\markup {
  \natural \semisharp \sharp
  \sesquisharp \doublesharp
}
\glissando b

[image of music]

他の記譜オブジェクトもマークアップ モードの中で譜刻することができます:

g1 bes
ees\finger \markup \tied-lyric #"4~1"
fis_\markup { \dynamic rf }
bes^\markup {
  \beam #8 #0.1 #0.5
}
cis
d-\markup {
  \markalphabet #8
  \markletter #8
}

[image of music]

より一般的には、以下で示すように、使用可能な音楽シンボルはすべてマークアップ オブジェクトに含めることができます。The Feta font に、音楽シンボルと音楽シンボル名の徹底したリストがあります。

c2
c'^\markup { \musicglyph #"eight" }
c,4
c,8._\markup { \musicglyph #"clefs.G_change" }
c16
c2^\markup { \musicglyph #"timesig.neomensural94" }

[image of music]

テキストではない図柄を譜刻するもう 1 つの方法が フォントの説明 で記述されています。この方法はさまざまなサイズの波括弧を譜刻する場合に有用です。

さらに、マークアップ モードは特定の楽器のためのダイアグラムをサポートします:

c1^\markup {
  \fret-diagram-terse #"x;x;o;2;3;2;"
}
c^\markup {
  \harp-pedal #"^-v|--ov^"
}
c
c^\markup {
  \combine
    \musicglyph #"accordion.discant"
    \combine
      \raise #0.5 \musicglyph #"accordion.dot"
      \raise #1.5 \musicglyph #"accordion.dot"
}

[image of music]

そのようなダイアグラムは Instrument Specific Markup でドキュメント化されています。

楽譜全体でさえもマークアップ オブジェクト内部にネストさせることができます。そのような場合、以下で示すように、ネストされる \score ブロックには \layout ブロックを含める必要があります:

c4 d^\markup {
  \score {
    \relative c' { c4 d e f }
    \layout { }
  }
}
e f |
c d e f

[image of music]

Music に、音楽記譜法関連のコマンドの徹底したリストがあります。

参照

記譜法リファレンス: Music, The Feta font, フォントの説明

インストールされているファイル: ‘scm/define-markup-commands.scm’, ‘scm/fret-diagrams.scm’, ‘scm/harp-pedals.scm

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript


複数ページにわたるマークアップ

標準のマークアップ オブジェクトは分割することができません。しかしながら、 ある特定の構文は複数ページにわたるテキストを入力することを可能にします:

\markuplist {
  \justified-lines {
    両端揃えされた非常に長いテキスト。
    ...
  }
  \wordwrap-lines {
    もう 1 つの非常に長いテキスト。
    ...
  }
  ...
}

[image of music]

この構文はマークアップのリストを受け付けます。受け付けるものは以下の通りです:

Text markup list commands に、マークアップ リスト コマンドの徹底したリストがあります。

参照

記譜法リファレンス: Text markup list commands

拡張: New markup list command definition

インストールされているファイル: ‘scm/define-markup-commands.scm

コード断片集: Text

内部リファレンス: TextScript

定義済みコマンド

\markuplist


1.8.3 フォント

このセクションでは、フォントを扱う方法と、楽譜の中でフォントを変更する方法について説明します。


フォントの説明

フォントはいくつかのライブラリを通じて扱われます。FontConfig はシステムで利用可能なフォントを検出するために使用されます。選択されたフォントは Pango を用いて描かれます。

音楽記譜フォントはいくつかのファミリに分類された特殊な図柄のセットと言うことができます。以下の構文により、さまざまな LilyPond feta 非テキスト フォントをマークアップ モードの中で直接使用することが可能になります:

a1^\markup {
  \vcenter {
    \override #'(font-encoding . fetaBraces)
    \lookup #"brace120"
    \override #'(font-encoding . fetaText)
    \column { 1 3 sf }
    \override #'(font-encoding . fetaMusic)
    \lookup #"noteheads.s0petrucci"
  }
}

[image of music]

しかしながら、これらの図柄はすべて – fetaBraces で保持されているさまざまサイズの波括弧を除いて – は、マークアップ内部での音楽記譜法 で記述されている、もっと簡単な構文を用いて利用することができます。

fetaBraces に保持されている図柄を使う場合、波括弧のサイズは図柄名の一部となっている任意の数値によって指定されます。0 から 575 までの整数すべてを指定でき、0 は最小の波括弧を提供します。最適な値はトライ&エラーで決定する必要があります。これらの図柄はすべて左波括弧です。右波括弧は回転によって得ることができます – オブジェクトを回転させる を参照してください。

3 ファミリのテキスト フォントが利用可能になっています: roman (serif) フォント – これはデフォルトでは New Century Schoolbook です – と、sans フォントと単一幅の typewriter フォント – これら 2 つのファミリは Pango のインストール時に決定されます – です。

それぞれのファミリには異なる形状とセットのフォントが保持されています。以下の例は、ファミリ、形状、セットそれにサイズを変更する様子を示しています。デフォルト サイズから変更する場合、font-size に提供する値が必要となります。

\override Score.RehearsalMark.font-family = #'typewriter
\mark \markup "Ouverture"
\override Voice.TextScript.font-shape = #'italic
\override Voice.TextScript.font-series = #'bold
d2.^\markup "Allegro"
\override Voice.TextScript.font-size = #-3
c4^smaller

[image of music]

同様の構文をマークアップ モードの中で使用することができます。しかしながら、マークアップ モードの中では、フォントとフォント サイズを選択する で説明されている、もっと簡単な構文を使用するほうが良いでしょう:

\markup {
  \column {
    \line {
      \override #'(font-shape . italic)
      \override #'(font-size . 4)
      Idomeneo,
    }
    \line {
      \override #'(font-family . typewriter)
      {
        \override #'(font-series . bold)
        re
        di
      }
      \override #'(font-family . sans)
      Creta
    }
  }
}

[image of music]

あらかじめ構成されているフォント間で切り替えを行う方が簡単ですが、他のフォントを使用することも可能です。他のフォントを使用する方法は以下のセクションで説明されています: 個々に登録するフォントドキュメント全体のフォント

参照

記譜法リファレンス: The Feta font, マークアップ内部での音楽記譜法, オブジェクトを回転させる, フォントとフォント サイズを選択する, フォント


個々に登録するフォント

以下の構文を用いることで、オペレーティング システムにインストールされていて、FontConfig に認識されている任意のフォントを楽譜の中で使用することができます:

\override Staff.TimeSignature.font-name = #"Bitstream Charter"
\override Staff.TimeSignature.font-size = #2
\time 3/4

a1_\markup {
  \override #'(font-name . "Vera Bold")
    { Vera Bold }
}

[image of music]

以下のコマンドはオペレーティング システムで利用可能なすべてのフォントのリストを表示します:

lilypond -dshow-available-fonts x

参照

記譜法リファレンス: フォントの説明, ドキュメント全体のフォント

コード断片集: Text


ドキュメント全体のフォント

以下の例で示す方法に従ってフォント ファミリを指定することにより、roman, sans それに typewriter フォント ファミリとして使用されるデフォルト フォントを変更することができます。この例ではグローバル譜サイズにセットされた値で自動的にフォントのサイズを伸縮しています。フォントについての説明は、フォントの説明 を参照してください。

\paper  {
  #(define fonts
    (make-pango-font-tree "Times New Roman"
                          "Nimbus Sans"
                          "Luxi Mono"
                          (/ staff-height pt 20)))
}

\relative c'{
  c1-\markup {
    roman,
    \sans sans,
    \typewriter typewriter. }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: フォントの説明, 個々に登録するフォント, フォントとフォント サイズを選択する, フォント


2. 専門的な記譜法

この章では、特定のタイプの楽器やスタイル向けの音楽記譜を作成するための方法について説明します。


2.1 声楽

[image of music]

このセクションでは声楽を譜刻し、歌詞を旋律の音符に揃える方法について説明します。


2.1.1 声楽で共通の記譜法

このセクションでは声楽の譜刻に共通する問題について説明します。


声楽のためのリファレンス

このセクションでは声楽を譜刻する際に発生する記譜法の問題についての詳細について記述している場所を示します。

参照

音楽用語集: ambitus

学習マニュアル: Setting simple songs

記譜法リファレンス: テキスト マークアップの導入部, 音域, 合唱のための楽譜レイアウト

コード断片集: Vocal music


歌詞を入力する

歌詞は \lyricmode で始めるか \addlyrics または \lyricsto を用いる特殊な入力モードで入力されます。この特殊な入力モードでは、入力 d はピッチ D とは解釈されず、テキストの 1 文字の歌詞と解釈されます。言い換えると、歌詞を音符のように入力して、ピッチではなくテキストとして譜刻します。

例:

\lyricmode { Three4 blind mice,2 three4 blind mice2 }

歌詞の水平方向の配置を指定するための手法は主に 2 つあります – 上記の例のように歌詞の各音節の演奏時間を指定するか、\addlyrics または \lyricsto を用いて歌詞を自動的に旋律や他のボイスに揃えさせるかのどちらかです。前者は 歌詞音節の手動演奏時間 で説明します。後者は 歌詞音節の自動演奏時間 で説明します。

歌詞の単語または音節はアルファベット (さらに他のいくつかの文字 – 以下を読んでください) で始まり、空白か数字で終わります。歌詞の音節の頭文字以後の文字は、数字や空白を除く、任意の文字になります。

数字や空白ではない文字は歌詞の一部と見なされるため、} で終わる単語であっても有効です – このことが以下のミスを引き起こします:

\lyricmode { lah lah lah}

上記の例で、} は歌詞の最後の音節に含まれるため、波括弧 { は閉じられず、入力ファイルはおそらくコンパイルされません。これを避けるため、波括弧の前後に常に空白を記述すべきです:

\lyricmode { lah lah lah }

句読点、アクセントが付いた文字を持つ歌詞、英語以外の言語の文字、あるいは特殊文字 (ハート記号や引用符等) は、UTF-8 エンコードで保存することで、直接入力することができます。さらなる情報は、特殊文字 を参照してください。

\relative c'' { d8 c16 a bes8 f e' d c4 }
\addlyrics { „Schad’ um das schö -- ne grü -- ne Band, }

[image of music]

歌詞モードで通常の引用符を使うことができますが、引用符の前にバックスラッシュを配置し、歌詞の音節全体を追加の引用符で囲む必要があります。例を挙げます:

\relative c' { \time 3/4 e4 e4. e8 d4 e d c2. }
\addlyrics { "\"I" am so lone -- "ly,\"" said she }

[image of music]

歌詞モードでの単語の開始の完全な定義は複雑です。歌詞モードでの単語はアルファベット, _, ?, !,

歌詞モードでの単語の開始の完全な定義は複雑です。歌詞モードで、単語は以下の文字で始まります: アルファベット, _, ?, !, :, ', 制御文字 ^A から ^F, ^Q から ^W, ^Y, ^^, 128 以上の ASCII コードの 8 ビット文字, バックスラッシュとの組み合わせ \`, \', \", または \^

歌詞の中で \markup を用いることで、歌詞の体裁を様々に制御することができます。多くのオプションの説明は、テキストをフォーマットする を参照してください。

Selected Snippets

Formatting lyrics syllables

Markup mode may be used to format individual syllables in lyrics.

mel = \relative c'' { c4 c c c }
lyr = \lyricmode {
  Lyrics \markup { \italic can } \markup { \with-color #red contain }
  \markup { \fontsize #8 \bold Markup! }
}

<<
  \new Voice = melody \mel
  \new Lyrics \lyricsto melody \lyr
>>

[image of music]

参照

学習マニュアル: Songs

記譜法リファレンス: 歌詞音節の自動演奏時間, フォント, テキストをフォーマットする, 入力モード, 歌詞音節の手動演奏時間, 特殊文字

内部リファレンス: LyricText

コード断片集: Text


歌詞を旋律に揃える

歌詞はコンテキスト Lyrics の中で解釈されることで譜刻されます。コンテキストの説明 を参照してください。

\new Lyrics \lyricmode { … }

歌詞は主に 2 つの方法で歌詞に揃えることができます:

参照

学習マニュアル: Aligning lyrics to a melody

記譜法リファレンス: コンテキストの説明, 歌詞音節の自動演奏時間, 歌詞の節, 歌詞音節の手動演奏時間, 音楽の中での会話, 歌詞音節の手動演奏時間

内部リファレンス: Lyrics


歌詞音節の自動演奏時間

以下の 3 つの方法で歌詞を旋律の音符に揃えることができます:

3 つの方法のいずれでも、単語の音節の間にハイフンを描き、単語の後ろに延長線を描くことができます。詳細は 延長線とハイフン を参照してください。

歌詞を揃える Voice コンテキストが “消滅” してはいけません。さもないと、その後の歌詞は失われてしまいます。ボイスは何もすることが無くなると消滅する可能性があります – コンテキストを残しておく を参照してください。

\lyricsto を用いる

旋律を保持している名前の付いたボイス コンテキストを ¥lyricsto で指定することにより、歌詞を旋律の下に揃えることができます:

<<
  \new Voice = "melody" {
    a4 a a a
  }
  \new Lyrics \lyricsto "melody" {
    These are the words
  }
>>

[image of music]

これは歌詞を名前の付いた Voice コンテキストに揃えます – Voice コンテキストは既に存在している必要があります。このため、普通は Voice コンテキストを先に記述して、その後に Lyrics コンテキストを記述します。歌詞自体は ¥lyricsto コマンドの後に記述します。¥lyricsto コマンドは自動的に歌詞モードを呼び出すため、¥lyricmode の記述は省略できます。デフォルトでは、歌詞は音符の下に配置されます。配置場所を変更する方法は 歌詞の垂直方向の配置 を参照してください。

\addlyrics を用いる

¥addlyrics コマンドは便利なショートカットで、もっと複雑な LilyPond 構造を使う歌詞のセットアップの代わりとして用いることができます。

{ MUSIC }
\addlyrics { LYRICS }

上記は下記と同等です:

\new Voice = "blah" { MUSIC }
\new Lyrics \lyricsto "blah" { LYRICS }

ここで例を挙げます:

{
  \time 3/4
  \relative c' { c2 e4 g2. }
  \addlyrics { play the game }
}

[image of music]

¥addlyrics セクションを追加することで、歌詞の 2 番、3 番を追加することができます:

{
  \time 3/4
  \relative c' { c2 e4 g2. }
  \addlyrics { play the game }
  \addlyrics { speel het spel }
  \addlyrics { joue le jeu }
}

[image of music]

コマンド ¥addlyrics は多声を扱うことはできません。そのような場合は ¥lyricsto を使うべきです。

associatedVoice を用いる

associatedVoice プロパティを設定することで、歌詞を揃える旋律を変更することができます:

\set associatedVoice = #"lala"

プロパティの値 (ここでは "lala" です) は Voice コンテキストの名前になります。技術的な理由により、変更を適用する歌詞の音節の前にこの set コマンドを配置する必要があります。

ここで、使用例を挙げます:

<<
  \new Staff <<
    \time 2/4
    \new Voice = "one" \relative c'' {
      \voiceOne
      c4 b8. a16 g4. r8 a4 ( b ) c2
    }
    \new Voice = "two" \relative c' {
      \voiceTwo
       s2 s4. f8 e8 d4. c2
    }
  >>
% 最初は "one" の音符に揃えます
% それから "two" に切り替えます
  \new Lyrics \lyricsto "one" {
    No more let
    \set associatedVoice = "two"  % 切り替える音節の前にセットする必要があります
    sins and sor -- rows grow.
  }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 延長線とハイフン, コンテキストを残しておく, 歌詞の垂直方向の配置


歌詞音節の手動演奏時間

複雑な声楽では、歌詞を音符とは完全に独立させて配置する方が望ましい場合があります。そのような場合、\lyricsto\addlyrics を用いたり、associatedVoice プロパティを設定したりはしません。歌詞の音節を音符のように – しかしながら、ピッチをテキストに置き換えて – 入力し、歌詞の各音節の後には演奏時間を明示的に記述します。

デフォルトでは、歌詞の音節は対応する音楽イベントに左揃えされます。音節の間にハイフンを描くことは普通にできますが、延長線を描くには関連付されたボイスが存在する必要があります。

ここで、2 つの例を挙げます:

<<
  \new Voice = "melody" {
    \time 3/4
    c2 e4 g2 f
  }
  \new Lyrics \lyricmode {
    play1 the4 game4
  }
>>

[image of music]

<<
  \new Staff {
    \relative c'' {
      c2 c2
      d1
    }
  }
  \new Lyrics {
    \lyricmode {
      I2 like4. my8 cat!1
    }
  }
  \new Staff {
    \relative c' {
      c8 c c c c c c c
      c8 c c c c c c c
    }
  }
>>

[image of music]

このテクニックは、譜の上に会話を書く場合に有用です – 音楽の中での会話 を参照してください。

歌詞を音符に中央揃えさせるには、associatedVoice に音符を保持しているボイス コンテキストをセットします。associatedVoice がセットされると、2 重ハイフンと 2 重アンダースコアを記述することで、メリスマにハイフンと延長線を描くことができます。

<<
  \new Voice = "melody" {
    \time 3/4
    c2 e4 g f g
  }
  \new Lyrics \lyricmode {
    \set associatedVoice = #"melody"
    play2 the4 game2. __
  }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 音楽の中での会話

内部リファレンス: Lyrics, Voice


複数の歌詞音節を 1 つの音符に割り当てる

1 つの音符にスペースで区切られた複数の音節を割り当てるには、そのフレーズを引用符で囲むか、_ 文字を用います。代替手段として、チルド記号 (~) を用いて音節をタイで結ぶこともできます。

{
  \relative c'' { \autoBeamOff
    r8 b c fis, fis c' b e, }
  \addlyrics { Che_in ques -- ta_e_in quel -- l'al -- tr'on -- da }
  \addlyrics { "Che in" ques -- "ta e in" quel -- l'al -- tr'on -- da }
  \addlyrics { Che~in ques -- ta~e~in quel -- l'al -- tr'on -- da }
}

[image of music]

参照

内部リファレンス: LyricCombineMusic


複数の音符を 1 つの歌詞音節に割り当てる

しばしば、特に中世の音楽では、1 つの音節を複数の音符で歌います。そのような歌い方をメリスマ (melismata または melisma) と呼びます。通常、メリスマの音節はメリスマの最初の音符に左揃えされます。

メリスマが単語の最後ではない音節で発生する場合、その音節と次の音節をハイフンで結びます。これは音節の直後に 2 重ハイフン -- を配置することで示します。

メリスマが単語の最後の音節または音節が 1 つしかない単語で発生する場合、最後の音節からメリスマの最後の音符まで延長線を描きます。これは単語の直後に 2 重アンダースコア __ を配置することで示します。

メリスマを示す方法は 5 つあります:

旋律の中のタイ、スラー、それに手動連桁をメリスマにしないことも可能です。メリスマにしないためには、melismaBusyProperties を設定します:

<<
  \new Voice = "melody" {
    \time 3/4
    \set melismaBusyProperties = #'()
    c4 d ( e )
    g8 [ f ] f4 ~ f
  }
  \new Lyrics \lyricsto "melody" {
    Ky -- ri -- e e -- le -- i -- son
  }
>>

[image of music]

melismaBusyProperties に対する設定を変えることで、メリスマの自動検出にタイ、スラー、それに連桁を含める / 除外することができます。 Tunable context propertiesmelismaBusyProperties を参照してください。

代替手段として、ignoreMelismata に真をセットすることですべてのメリスマを無視することができます。リズムが異なる歌詞の節 を参照してください。

melismaBusyProperties がアクティブになっているパッセージの中でメリスマを使う必要がある場合、メリスマに含める各音符に対して歌詞の中にアンダースコアを記述します:

<<
  \new Voice = "melody" {
    \time 3/4
    \set melismaBusyProperties = #'()
    c4 d ( e )
    g8 [ f ] ~ f4 ~ f
  }
  \new Lyrics \lyricsto "melody" {
    Ky -- ri -- _ e __ _ _ _
  }
>>

[image of music]

定義済みコマンド

\autoBeamOff, \autoBeamOn, \melisma, \melismaEnd

参照

音楽用語集: melisma

学習マニュアル: Aligning lyrics to a melody

記譜法リファレンス: 歌詞を旋律に揃える, 歌詞音節の自動演奏時間, 自動連桁の振る舞いを設定する, リズムが異なる歌詞の節

内部リファレンス: Tunable context properties

既知の問題と警告

メリスマの延長線は自動的には作成されません。手動で 2 重アンダースコアを記述する必要があります。


延長線とハイフン

しばしば単語の最後の音節で、その音節から次の音節まで長い水平の線を描いてメリスマを示すことがあります。そのような線のことを延長線と呼び、‘ __ ’ で記述します (2 重アンダースコアの前後にスペースがあることに注意してください)。

Note: 楽譜の中でメリスマは延長線で示され、延長線は 2 重のアンダースコアとして入力します。しかしながら、個々の音符をスキップすることで短いメリスマを作ることも可能です。音符のスキップには単一のアンダースコアを記述します – デフォルトでは、音符のスキップは延長線を作り出しません。

同じ単語の音節間の中央にハイフンを記譜するには、‘ -- ’ を記述します (2 重ハイフンの前後にスペースがあることに注意してください)。ハイフンは音節の間の中央に配置され、長さは音節の間のスペースによって調節されます。

密に譜刻された楽譜では、ハイフンが削除されることもあります。ハイフンが削除されるかどうかを LyricHyphen のプロパティ minimum-distance (2 つの音節の間の最小間隔) と minimum-length (ハイフンを削除するかどうかの閾値) で制御することができます。

参照

内部リファレンス: LyricExtender, LyricHyphen


2.1.2 歌詞に特有のテクニック


歌詞と変数に取り組む

歌詞を保持する変数を作成することができます。歌詞は歌詞モードで入力する必要があります:

musicOne = \relative c'' {
  c4 b8. a16 g4. f8 e4 d c2
}
verseOne = \lyricmode {
  Joy to the world, the Lord is come.
}
\score {
  <<
    \new Voice = "one" {
      \time 2/4
      \musicOne
    }
    \new Lyrics \lyricsto "one" {
      \verseOne
    }
  >>
}

[image of music]

変数が \addlyrics または \lyricsto で呼び出される場合、歌詞に演奏時間を付ける必要はありません。

順序が異なったり、もっと複雑だったりする場合、最も良い方法は最初に音楽と歌詞を保持する変数を定義して、 譜と歌詞の階層をセットアップして (歌詞自体は省略します) から、\context を用いて歌詞を追加します。この方法は、\lyricsto によって参照されるボイスが常に定義済みであることを保証します。例を挙げます:

sopranoMusic = \relative c'' { c4 c c c }
contraltoMusic = \relative c'' { a4 a a a }
sopranoWords = \lyricmode { Sop -- ra -- no words }
contraltoWords = \lyricmode { Con -- tral -- to words }

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff {
      \new Voice = "sopranos" {
        \sopranoMusic
      }
    }
    \new Lyrics = "sopranos"
    \new Lyrics = "contraltos"
    \new Staff {
      \new Voice = "contraltos" {
        \contraltoMusic
      }
    }
    \context Lyrics = "sopranos" {
      \lyricsto "sopranos" {
        \sopranoWords
      }
    }
    \context Lyrics = "contraltos" {
      \lyricsto "contraltos" {
        \contraltoWords
      }
    }
  >>
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 歌詞の垂直方向の配置

内部リファレンス: LyricCombineMusic, Lyrics


歌詞の垂直方向の配置

音楽の種類によって、歌詞が譜の上、下、あるいは間に配置されることもあります。歌詞を関連する譜の下に配置することが最も簡単で、Staff コンテキストの下に Lyrics コンテキストを定義するだけで実現できます:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' { c4 c c c }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Here are the words
      }
    }
  >>
}

[image of music]

歌詞を譜の上に配置する方法は 2 つあります。簡単な (そして好まれる) のは、上記と同じ構文を用いて歌詞の配置を明示的に指定する方法です:

\score {
  <<
    \new Staff = "staff" {
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' { c4 c c c }
      }
    }
    \new Lyrics \with { alignAboveContext = "staff" } {
      \lyricsto "melody" {
        Here are the words
      }
    }
  >>
}

[image of music]

代替手段として、2 ステップのプロセスを用いることもできます。最初に、Staff コンテキストと Voice コンテキストより先に Lyrics コンテキストを宣言して (内容は記述しません)、それから参照する Voice コンテキストの宣言の後に \context を用いて \lyricsto コマンドを配置します。以下のようにします:

\score {
  <<
    \new Lyrics = "lyrics" \with {
      % 譜の上に配置する歌詞は以下のオーバライドを行う必要があります
      \override VerticalAxisGroup.staff-affinity = #DOWN
    }
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' { c4 c c c }
      }
    }
    \context Lyrics = "lyrics" {
      \lyricsto "melody" {
        Here are the words
      }
    }
  >>
}

[image of music]

別々の譜に配置される 2 つのボイスがある場合、上記の方法のいずれかを用いて歌詞を譜の間に配置することができます。ここでは、2 番目の方法を用いる例を挙げます:

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Staff {
      \new Voice = "sopranos" {
        \relative c'' { c4 c c c }
      }
    }
    \new Lyrics = "sopranos"
    \new Lyrics = "contraltos" \with {
      % 譜の上に配置する歌詞は以下のオーバライドを行う必要があります
      % lyrics above a staff should have this override
      \override VerticalAxisGroup.staff-affinity = #DOWN
    }
    \new Staff {
      \new Voice = "contraltos" {
        \relative c'' { a4 a a a }
      }
    }
    \context Lyrics = "sopranos" {
      \lyricsto "sopranos" {
        Sop -- ra -- no words
      }
    }
    \context Lyrics = "contraltos" {
      \lyricsto "contraltos" {
        Con -- tral -- to words
      }
    }
  >>
}

[image of music]

他の歌詞と譜の組み合わせは、上記の例に磨きをかけるか、学習マニュアルの中にあるテンプレート – Vocal ensembles templates を参照してください – を吟味することによって作り出すことができます。

Selected Snippets

Obtaining 2.12 lyrics spacing in newer versions

The vertical spacing engine changed for version 2.14. This can cause lyrics to be spaced differently. It is possible to set properties for Lyric and Staff contexts to get the spacing engine to behave as it did in version 2.12.

global = {
  \key d \major
  \time 3/4
}

sopMusic = \relative c' {
  % VERSE ONE
  fis4 fis fis | \break
  fis4. e8 e4
}

altoMusic = \relative c' {
  % VERSE ONE
  d4 d d |
  d4. b8 b4 |
}

tenorMusic = \relative c' {
  a4 a a |
  b4. g8 g4 |
}

bassMusic = \relative c {
  d4 d d |
  g,4. g8 g4 |
}

words = \lyricmode {
  Great is Thy faith- ful- ness,
}

\score {
  \new ChoirStaff <<
    \new Lyrics = sopranos
    \new Staff = women <<
      \new Voice = "sopranos" {
        \voiceOne
        \global \sopMusic
      }
      \new Voice = "altos" {
        \voiceTwo
        \global \altoMusic
      }
    >>
    \new Lyrics = "altos"
    \new Lyrics = "tenors"
    \new Staff = men <<
      \clef bass
      \new Voice = "tenors" {
        \voiceOne
        \global \tenorMusic
      }
      \new Voice = "basses" {
        \voiceTwo  \global \bassMusic
      }
    >>
    \new Lyrics = basses
    \context Lyrics = sopranos \lyricsto sopranos \words
    \context Lyrics = altos \lyricsto altos \words
    \context Lyrics = tenors \lyricsto tenors \words
    \context Lyrics = basses \lyricsto basses \words
  >>
  \layout {
    \context {
      \Lyrics
      \override VerticalAxisGroup.staff-affinity = ##f
      \override VerticalAxisGroup.staff-staff-spacing =
        #'((basic-distance . 0)
	   (minimum-distance . 2)
	   (padding . 2))
    }
    \context {
      \Staff
      \override VerticalAxisGroup.staff-staff-spacing =
        #'((basic-distance . 0)
	   (minimum-distance . 2)
	   (padding . 2))
    }
  }
}

[image of music]

参照

学習マニュアル: Vocal ensembles templates

記譜法リファレンス: コンテキストの配置順序, コンテキストを作成して参照する


歌詞の水平方向の配置

歌詞の間隔を広げるには LyricSpaceminimum-distance プロパティを設定します。

{
  c c c c
  \override Lyrics.LyricSpace.minimum-distance = #1.0
  c c c c
}
\addlyrics {
  longtext longtext longtext longtext
  longtext longtext longtext longtext
}

[image of music]

この変更を楽譜の全ての歌詞に適用するには、\layout ブロックの中でプロパティの設定を行います。

\score {
  \relative c' {
  c c c c
  c c c c
  }
  \addlyrics {
  longtext longtext longtext longtext
  longtext longtext longtext longtext
  }
  \layout {
    \context {
      \Lyrics
      \override LyricSpace.minimum-distance = #1.0
    }
  }
}

[image of music]

Selected Snippets

Lyrics alignment

Horizontal alignment for lyrics can be set by overriding the self-alignment-X property of the LyricText object. #-1 is left, #0 is center and #1 is right; however, you can use #LEFT, #CENTER and #RIGHT as well.

\layout { ragged-right = ##f }
\relative c'' {
  c1
  c1
  c1
}
\addlyrics {
  \once \override LyricText.self-alignment-X = #LEFT
  "This is left-aligned"
  \once \override LyricText.self-alignment-X = #CENTER
  "This is centered"
  \once \override LyricText.self-alignment-X = #1
  "This is right-aligned"
}

[image of music]

テキスト スクリプトと歌詞がマージンの中に納まることを確認するチェックはより多くの計算を必要とします。この機能を無効にすることで、処理をわずかにスピードアップすることができます:

\override Score.PaperColumn.keep-inside-line = ##f

歌詞が小節線を避けるようにするには、以下を使います:

\layout {
  \context {
    \Lyrics
      \consists "Bar_engraver"
      \consists "Separating_line_group_engraver"
      \hide BarLine
  }
}

歌詞と繰り返し

1 回の繰り返し

音楽 の繰り返しは別の場所で説明しています – 繰り返し を参照してください。このセクションでは、歌詞を繰り返しのある音楽に追加する方法について説明します。

繰り返しで歌詞の単語が変わらないのであれば、歌詞を音楽と同じ繰り返し構造にすることで、音楽に歌詞を付けることができます。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' {
          a4 a a a
          \repeat volta 2 { b4 b b b }
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Not re -- peat -- ed.
        \repeat volta 2 { Re -- peat -- ed twice. }
      }
    }
  >>
}

[image of music]

繰り返しが展開された場合、歌詞も展開されます。

\score {
  \unfoldRepeats {
    <<
      \new Staff {
        \new Voice = "melody" {
          \relative c'' {
            a4 a a a
            \repeat volta 2 { b4 b b b }
          }
        }
      }
      \new Lyrics {
        \lyricsto "melody" {
          Not re -- peat -- ed.
          \repeat volta 2 { Re -- peat -- ed twice. }
        }
      }
    >>
  }
}

[image of music]

繰り返しが展開されて、異なる歌詞を持つ場合、単に歌詞の全ての単語を記述します:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' {
          a4 a a a
          \repeat unfold 2 { b4 b b b }
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Not re -- peat -- ed.
        The first time words.
        Sec -- ond time words.
      }
    }
  >>
}

[image of music]

繰り返しの歌詞が異なる場合、並列に正しくネストされた別々の Lyrics コンテキストに各繰り返しの歌詞を入力する必要があります:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' {
          a4 a a a
          \repeat volta 2 { b4 b b b }
        }
      }
    }
    \new Lyrics \lyricsto "melody" {
      Not re -- peat -- ed.
      <<
	{ The first time words. }
	\new Lyrics {
	  \set associatedVoice = "melody"
	  Sec -- ond time words.
	}
      >>
    }
  >>
}

[image of music]

同様の方法でさらに歌詞の行を追加することができます:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "singleVoice" {
        \relative c'' {
	  a4 a a a
	  \repeat volta 3 { b4 b b b }
          c4 c c c
	}
      }
    }
    \new Lyrics \lyricsto "singleVoice" {
      Not re -- peat -- ed.
      <<
        { The first time words.	}
	\new Lyrics {
	  \set associatedVoice = "singleVoice"
	  Sec -- ond time words.
	}
	\new Lyrics {
	  \set associatedVoice = "singleVoice"
	  The third time words.
	}
      >>
      The end sec -- tion.
    }
  >>
}

[image of music]

しかしながら、この構造が ChoirStaff のような複数の譜を持つコンテキストに埋め込まれた場合、歌詞の 2 番と 3 番は譜の下に表示されます。

歌詞を正しく配置するには alignBelowContext を用います:

\score {
  <<
    \new Staff {
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' {
	  a4 a a a
	  \repeat volta 3 { b4 b b b }
          c4 c c c
	}
      }
    }
    \new Lyrics = "firstVerse" \lyricsto "melody" {
      Not re -- peat -- ed.
      <<
        { The first time words.	}
	\new Lyrics = "secondVerse"
        \with { alignBelowContext = #"firstVerse" } {
	  \set associatedVoice = "melody"
	  Sec -- ond time words.
	}
	\new Lyrics = "thirdVerse"
        \with { alignBelowContext = #"secondVerse" } {
	  \set associatedVoice = "melody"
	  The third time words.
	}
      >>
      The end sec -- tion.
    }
    \new Voice = "harmony" {
      \relative c' {
        f4 f f f \repeat volta 2 { g8 g g4 g2 } a4 a8. a16 a2
      }
    }
  >>
}

[image of music]

差し替えのある繰り返し

繰り返し部分の歌詞が同じであれば、歌詞と音楽で同じ構造を使うことができます。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \time 2/4
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' {
          a4 a a a
          \repeat volta 2 { b4 b }
          \alternative { { b b } { b c } }
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Not re -- peat -- ed.
        \repeat volta 2 { Re -- peat -- }
        \alternative { { ed twice. } { ed twice. } }
      }
    }
  >>
}

[image of music]

しかしながら、繰り返し部分の歌詞が異なる場合、歌詞に繰り返し構造を用いることはできず、歌詞を適用しない差し替え部分の音符をスキップするために手動で \skip コマンドを挿入する必要があります。

注意: 音符のスキップにアンダースコア _ を使わないでください – アンダースコアはメリスマを意味するため、前の音節が左揃えされてしまいます。

Note: \skip コマンドの後に数字を記述する必要があります。しかしながら、歌詞は addlyricslyricsto で関連付けた旋律の音符から演奏時間を引き出すため、この数字は無視されます。各 \skip は後に続く数字の値に関係なく、任意の音価の音符を 1 つスキップします。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \time 2/4
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' {
          \repeat volta 2 { b4 b }
          \alternative { { b b } { b c } }
          c4 c
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        The first time words.
        \repeat unfold 2 { \skip 1 }
        End here.
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Sec -- ond
        \repeat unfold 2 { \skip 1 }
        time words.
      }
    }
  >>
}

[image of music]

タイが途中で複数の差し替えに分かれる場合、最初の差し替えの音符がタイで結ばれ、2 番目以降の差し替えには \repeatTie が使用されます。この構造に歌詞が含まれることにより差し替え部分が長くなると、歌詞を音符に揃えることが困難となり、差し替え部分に含まれるタイの音符が受け入れがたい結果を発生させるかもしれません。

タイは最初の差し替えまで続くメリスマを作り出しますが、2 番目以降の差し替えには作りません。このため、歌詞を正しく揃えるには、差し替え部分でメリスマの自動作成を無効にして、手動でスキップを挿入する必要があります。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \time 2/4
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' {
          \set melismaBusyProperties = #'()
          \repeat volta 2 { b4 b ~}
          \alternative { { b b } { b \repeatTie c } }
          \unset melismaBusyProperties
          c4 c
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        \repeat volta 2 { Here's a __ }
        \alternative {
          { \skip 1 verse }
          { \skip 1 sec }
        }
        ond one.
      }
    }
  >>
}

[image of music]

\repeatTie を含むセクションの周辺で \unfoldRepeats が使われると、両方のタイプのタイが譜刻されるの避けるために \repeatTie は削除されます。

繰り返される部分の歌詞が異なる場合、その歌詞の周囲で \repeat を使うことはできず、前述のように手動で \skip コマンドを挿入する必要があります。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \time 2/4
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' {
          \repeat volta 2 { b4 b ~}
          \alternative { { b b } { b \repeatTie c } }
          c4 c
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Here's a __ verse.
        \repeat unfold 2 { \skip 1 }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Here's one
        \repeat unfold 2 { \skip 1 }
        more to sing.
      }
    }
  >>
}

[image of music]

繰り返し部分から差し替え部分に延長線やハイフンを描きたいのであれば、それらを手動で挿入する必要があります。差し替え部分から次の部分に延長線やハイフンを描く場合も同様です。

\score {
  <<
    \new Staff {
      \time 2/4
      \new Voice = "melody" {
        \relative c'' {
          \repeat volta 2 { b4 b ~}
          \alternative { { b b } { b \repeatTie c } }
          c4 c
        }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Here's a __ verse.
        \repeat unfold 2 { \skip 1 }
      }
    }
    \new Lyrics {
      \lyricsto "melody" {
        Here's "a_"
        \skip 1
        "_" sec -- ond one.
      }
    }
  >>
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: コンテキストを残しておく, 繰り返し


歌詞のディヴィージ

ピッチが同じで歌詞とリズムが異なる 2 つのパートがある場合、一時的にメリスマの自動検出を off にして、歌詞の中でのメリスマ指示する手法を用いると適切な場合があります:

\score {
  <<
    \new Voice = "melody" {
      \relative c' {
        \set melismaBusyProperties = #'()
        \slurDown
        \slurDashed
        e4 e8 ( e ) c4 c |
        \unset melismaBusyProperties
        c
      }
    }
    \new Lyrics \lyricsto "melody" {
      They shall not o -- ver -- come
    }
    \new Lyrics \lyricsto "melody" {
      We will _
    }
  >>
}

[image of music]

2 つのパートの音楽と歌詞の両方が異なる場合、2 つの名前付きボイス コンテキストを作成して、それぞれに歌詞を付属させることで、異なる音楽と歌詞として表示させた方が良いかもしれません:

\score {
  <<
    \new Voice = "melody" {
      \relative c' {
        <<
          {
            \voiceOne
            e4 e8 e
          }
          \new Voice = "splitpart" {
            \voiceTwo
            c4 c
          }
        >>
        \oneVoice
        c4 c |
        c
      }
    }
    \new Lyrics \lyricsto "melody" {
      They shall not o -- ver -- come
    }
    \new Lyrics \lyricsto "splitpart" {
      We will
    }
  >>
}

[image of music]


2.1.3 歌詞の節


歌詞の節番号を追加する

stanza を設定することにより、歌詞の節番号を追加することができます。例を挙げます:

\new Voice {
  \time 3/4 g2 e4 a2 f4 g2.
} \addlyrics {
  \set stanza = #"1. "
  Hi, my name is Bert.
} \addlyrics {
  \set stanza = #"2. "
  Oh, ché -- ri, je t'aime
}

[image of music]

これらの番号は歌詞の前に配置されます。


歌詞の節に強弱記号を追加する

歌詞の前に強弱記号を配置することによって、歌詞の音の大きさの違いを示すことができます。LilyPond では、歌詞の前に配置されるものはすべて StanzaNumber オブジェクトに格納します – 強弱記号も同じです。技術的な理由により、歌詞の設定を \lyricmode の外で行う必要があります:

text = {
  \set stanza = \markup { \dynamic "ff" "1. " }
  \lyricmode {
    Big bang
  }
}

<<
  \new Voice = "tune" {
    \time 3/4
    g'4 c'2
  }
\new Lyrics \lyricsto "tune" \text
>>

[image of music]


歌詞の節に歌手の名前を追加する

歌手の名前を追加することもできます。歌手の名前は、楽器名と同様に、行の先頭に譜刻されます。vocalName を設定することにより、歌手名を作成します。shortVocalName として短縮名を入力することができます。

\new Voice {
  \time 3/4 g2 e4 a2 f4 g2.
} \addlyrics {
  \set vocalName = #"Bert "
  Hi, my name is Bert.
} \addlyrics {
  \set vocalName = #"Ernie "
  Oh, ché -- ri, je t'aime
}

[image of music]


リズムが異なる歌詞の節

しばしば、1 つの歌で歌詞の節によって歌詞を旋律に配置する仕方が若干異なる場合があります。そのような変化も \lyricsto で対応することができます。

メリスマを無視する

歌詞のある節ではメリスマになっているものが、他の節では複数の音節に分かれている場合があります。これを実現するには、複数音節に分かれるボイスはメリスマを無視するようにします。これは Lyrics コンテキストの中で ignoreMelismata を設定します。

<<
  \relative c' \new Voice = "lahlah" {
    \set Staff.autoBeaming = ##f
    c4
    \slurDotted
    f8.[( g16])
    a4
  }
  \new Lyrics \lyricsto "lahlah" {
    more slow -- ly
  }
  \new Lyrics \lyricsto "lahlah" {
    go
    \set ignoreMelismata = ##t
    fas -- ter
    \unset ignoreMelismata
    still
  }
>>

[image of music]

既知の問題と警告

たいていの \set コマンドとは異なり、\set ignoreMelismata は前に \once があると機能しません。メリスマを無視させる歌詞の範囲を \set\unset で囲む必要があります。

装飾小音符に音節を割り当てる

デフォルトでは、\lyricsto を用いても装飾小音符 (つまり、\grace) には音節は割り当てられません。しかしながら、この振る舞いを変更することができます:

<<
  \new Voice = melody \relative c' {
    f4 \appoggiatura a32 b4
    \grace { f16 a16 } b2
    \afterGrace b2 { f16[ a16] }
    \appoggiatura a32 b4
    \acciaccatura a8 b4
  }
  \new Lyrics
  \lyricsto melody {
    normal
    \set includeGraceNotes = ##t
    case,
    gra -- ce case,
    after -- grace case,
    \set ignoreMelismata = ##t
    app. case,
    acc. case.
  }
>>

[image of music]

既知の問題と警告

associatedVoice と同様に、includeGraceNotes は少なくとも装飾小音符に割り当てる音節よりも前に設定する必要があります。装飾小音符が音楽の始めにある場合は、\with または \context ブロックを使うことを検討してください:

<<
  \new Voice = melody \relative c' {
    \grace { c16( d e f }
    g1) f
  }
  \new Lyrics \with { includeGraceNotes = ##t }
  \lyricsto melody {
    Ah __ fa
  }
>>

[image of music]

代替の旋律に切り替える

音楽への歌詞の割り当て方をもっと複雑に変化させることができます。associatedVoice プロパティを設定することで、歌詞の中で歌詞を割り当てる旋律を変更することができます:

<<
  \relative c' \new Voice = "lahlah" {
    \set Staff.autoBeaming = ##f
    c4
    <<
      \new Voice = "alternative" {
        \voiceOne
        \tuplet 3/2 {
          % show associations clearly.
          \override NoteColumn.force-hshift = #-3
          f8 f g
        }
      }
      {
        \voiceTwo
        f8.[ g16]
        \oneVoice
      } >>
    a8( b) c
  }
  \new Lyrics \lyricsto "lahlah" {
    Ju -- ras -- sic Park
  }
  \new Lyrics \lyricsto "lahlah" {
    % トリック: associatedVoice を 1 音節早く設定する必要があります!
    \set associatedVoice = "alternative" % "ran" に適用されます
    Ty --
    ran --
    no --
    \set associatedVoice = "lahlah" % "rus" に適用されます
    sau -- rus Rex
  } >>

[image of music]

歌詞の 1 番のテキストは通常の方法で旋律 ‘lahlah’ に割り当てられます。しかしながら、歌詞の 2 番は最初は lahlah コンテキストに割り当てられていますが、音節 ‘ran’ から ‘sau’ までの割り当てが旋律 alternative に切り替わります:

\set associatedVoice = "alternative" % "ran" に適用されます
Ty --
ran --
no --
\set associatedVoice = "lahlah" % "rus" に適用されます
sau -- rus Rex

ここで、alternative は 3 連符を保持している Voice コンテキストの名前です。

\set associatedVoice コマンドの配置に注意してください – 1 音節早く出現していますが、これで正しく機能します。

Note: set associatedVoice コマンドは、割り当てが新しいボイスに切り替わる音節の前に配置する必要があります。言い換えると、ボイスの変更は予想よりも 1 音節遅く発生します。これは技術的な理由によるものであり、バグではありません。


歌詞の節を楽譜の終わりに譜刻する

しばしば、歌詞の 1 番を音楽にセットして、残りを詩の形式で楽譜の終わりに追加する方が適切な場合があります。これは、2 番以降を score ブロックの外の \markup セクションに追加することで実現できます。\markup で 2 つの方法で改行していることに注意してください。

melody = \relative c' {
e d c d | e e e e |
d d e d | c1 |
}

text = \lyricmode {
\set stanza = #"1." Ma- ry had a lit- tle lamb,
its fleece was white as snow.
}

\score{ <<
  \new Voice = "one" { \melody }
  \new Lyrics \lyricsto "one" \text
>>
  \layout { }
}
\markup { \column{
  \line{ Verse 2. }
  \line{ All the children laughed and played }
  \line{ To see a lamb at school. }
  }
}
\markup{
  \wordwrap-string #"
  Verse 3.

  Mary took it home again,

  It was against the rule."
}

[image of music]


歌詞の節を楽譜の終わりに複数の列で譜刻する

歌詞の節が多い場合、ページを複数の列に分けて歌詞を譜刻することがあります。しばしば、歌詞番号を列の外側に置くこともあります。以下の例は、LilyPond でそのような出力を作り出す方法を示しています。

melody = \relative c' {
  c4 c c c | d d d d
}

text = \lyricmode {
  \set stanza = #"1." This is verse one.
  It has two lines.
}

\score {
  <<
    \new Voice = "one" { \melody }
    \new Lyrics \lyricsto "one" \text
  >>
  \layout { }
}

\markup {
  \fill-line {
    \hspace #0.1 % この列を左マージンから離します
    % ページが過密な場合はこの設定を削除します
    \column {
      \line { \bold "2."
        \column {
          "This is verse two."
          "It has two lines."
        }
      }
      \combine \null \vspace #0.1 % 次の歌詞との間に垂直方向のスペースを入れます
      \line { \bold "3."
        \column {
          "This is verse three."
          "It has two lines."
        }
      }
    }
    \hspace #0.1 % 列の間に水平方向のスペースを入れます
    \column {
      \line { \bold "4."
        \column {
          "This is verse four."
          "It has two lines."
        }
      }
      \combine \null \vspace #0.1 % 次の歌詞との間に垂直方向のスペースを入れます
      \line { \bold "5."
        \column {
          "This is verse five."
          "It has two lines."
        }
      }
    }
  \hspace #0.1 % 右マージンに追加のスペースを加えます
  % ページが過密な場合はこの設定を削除します
  }
}

[image of music]

参照

内部リファレンス: LyricText, StanzaNumber


2.1.4 歌曲


歌曲のためのリファレンス

通常、歌曲は 3 つの譜に記譜され、上の譜を歌の旋律、下の 2 つの譜をピアノ伴奏とします。歌詞の 1 番は旋律の譜の直下に譜刻されます。歌詞の節が少しであれば 2 番以降を 1 番の下に譜刻することができます。しかしながら、歌詞の節が多くて収容し難い場合は、2 番以降の歌詞を楽譜の後に独立したテキストとして譜刻します。

歌曲を記述するのに必要とされる記譜要素はすべて別の場所で説明しています:

参照

学習マニュアル: Songs

記譜法リファレンス: 声楽で共通の記譜法, 和音を表示する, 譜を表示する, キーボードと他の複数譜の楽器, 歌詞の垂直方向の配置, 歌詞の節

コード断片集: Vocal music


リード譜

ボーカル パートと ‘和音モード’ を組み合わせることによって、リード譜を譜刻することができます。和音モードの構文についての説明は 和音記譜法 にあります。

Selected Snippets

Simple lead sheet

When put together, chord names, a melody, and lyrics form a lead sheet:

<<
  \chords { c2 g:sus4 f e }
  \relative c'' {
    a4 e c8 e r4
    b2 c4( d)
  }
  \addlyrics { One day this shall be free __ }
>>

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: 和音記譜法


2.1.5 合唱

このセクションでは、合唱との関連が最も強い記譜法について説明します。合唱には、賛美歌、パート ソング、聖譚曲等が含まれます。


合唱のためのリファレンス

通常、合唱は ChoirStaff グループ内の 2, 3, あるいは 4 つの譜に記譜します。伴奏が必要であれば、合唱譜の下に PianoStaff グループを配置します。アカペラ であれば、普通は伴奏譜のサイズを小さくします。各ボーカル パートの音符は Voice コンテキストの中に配置し、各譜は単一のボーカル パート (つまり、1 つの Voice) あるいはボーカル パートのペア (つまり、2 つの Voice) を受け持ちます。

歌詞は Lyrics コンテキストの中に配置します。各歌詞は対応するの譜の下に配置するか、 あるいは譜が 2 パートを保持している場合は 1 つを譜の上、

合唱に共通するいくつかのトピックスは別の場所で説明しています:

定義済みコマンド

\oneVoice, \voiceOne, \voiceTwo

参照

学習マニュアル: Four-part SATB vocal score,